屍人荘の殺人

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025557

感想・レビュー・書評

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  • クローズドサークルの仕方が斬新ですごいなと思った
    遠田志帆さんの装画が綺麗

  • フーダニット、ハウダニットよりホワイダニット重視で、なぜそのような殺し方をしなければいけなかったのか、最後に解明され大きく感動してしまった。途中だれが犯人かじれったく感じたが、いろんな事情、動機があって事件が起きたのか後半に怒涛の進み具合で一気読みでした。

  • "古き良き本格×ゾンビ"
    あの名作『生ける屍の死』を彷彿とさせる。

    「ゾンビ」という設定を見事に活かした動機、伏線回収、ロジカルな美しい消去法ーーー

    葉村の「4時半前」,「ドアロック越しに」,剣崎が指摘した瞬間、思わず声が出た。

    ゾンビが迫り来る緊迫感もとても良い。
    明智恭介なんて思わせぶりな名前の探偵がすぐ死んじゃうのも憎い...

    3,4年前にあれだけ騒がれていた理由がよく分かる。
    読者への挑戦状があっても良かったんじゃないかと思うほどの本格。素晴らしい作品だった。

  • おもしろかった!

    青春小説ぽさと、パニックもの感に、想像と違うお話だな?と思いつつ楽しく読み進めたけど、そこに加わったミステリ要素とのバランスが絶妙で、ずーっとおもしろかった。
    ずっと先が気になったし、最後までその勢いが落ちないまま。キャラクター多すぎたけど、名前の覚え方説明が入ったの新しくて親切でよかった笑

  • ○"○○"が出てくるけど、れっきとした本格派。選者の加納朋子さんがいうように、新しいクローズドサークルだ!探偵があっけなく…だけど、奇跡は起こらず。なるほどなと、うう~んと唸らされる。

  • 先の展開が気になってしょうがないって訳ではないけど書き方が上手いのかスッと読み終えれた。

  • #読了 めちゃくちゃ面白かった!ぜひぜひネタバレなく読んでいただきたい作品です。
    まさに王道のミステリーかと思いきや、思わぬ展開の連続でぶったまげてしまった。読む前には正直この設定は全く予想してなかったので、最初はとてもとまどってしまって、私はこの話についていけるのか!?と心配したけどとんだ杞憂でしたね。

  • 最初はちょっと登場人物も多くて
    内容も難しいそうだな
    と心配になったけど読んでいくうちに
    どんどん面白くてゾンビ怖くて
    犯人気になって楽しく読めました

  • 「第一章 奇妙な取引」
    今年の生け贄は誰。
    これだけ断られても食い下がることなく、何度も交渉に行く彼の勇気は凄いと思うが相手からしたら迷惑この上ないだろうな。
    二人の前に現れ淡々と事情を説明した後、彼の要望まで叶えてくれる彼女は何者なのだろう。

    「第二章 紫湛荘」
    先に着いていた人。
    いくら裏の目的がそうであったとしても、あからさまに態度に出して相手を見るのは感じが悪く弁解されても気分は悪いままだろうな。
    いくら趣味であり刃先は危険の無いようにしているとはいえ、物騒過ぎやしないか。

    「第三章 記載なきイベント」
    一瞬にして地獄へ。
    外に居るよりかは確かにマシかもしれないが、逆に言えば逃げ場を失い閉じ込められ助けも呼べない最悪の状況だよな。
    廃墟で見つけた彼らの物であろう日記を、あの時読んでいれば何かしら変わっていたのかもな。

    「第四章 渦中の犠牲者」
    屋内に居たら安全。
    たった一人だけ誰にも気づかれる事も無く、尚且つあの様なメッセージを残せるぐらい知識がある者が居たとしたら既にバリケード等意味がないのでは。
    どんな結果であろうと知性を持っていない限り、内部に殺意を持った人物が居る事に変わりはないな。

    「第五章 侵攻」
    次に狙われた人物。
    テロが起きてゾンビの集団が来たのは偶然だと考えたいが、こうもタイミング良く殺人が起きると全て計画されていた様に感じてしまうな。
    数日前まで共に行動していた者の果の姿を見てしまったら、嫌でも現実に引き戻されそうだな。

    「第六章 冷たい槍」
    彼女の為に全てを。
    身近な人が騙され人生を壊されたうえ、最期には相手にも裏切られ命を絶ったと知ったら復讐に染まるのも仕方の無い事かもしれないな。
    大切だった相手が目の前に現れたら、本当に覚悟が無い限り殺すだなんて出来ないよな。

  • 長らくミステリーとゾンビを融合したものが見たいなあと生きてきたところだったので、めちゃくちゃ楽しく読んだ。ゾンビありきの世界でのミステリーである『わざわざゾンビを殺す人間なんていない。』とは違い、初めて世界でゾンビが発生してパニックが起き、登場人物達は別荘に立てこもりサバイバルをやりつつ、殺人が起きて推理する。
    自分的には好みのモノが二つ合わさって、大変おいしく頂いた。

    キャラクターを覚える際にも、なるほど性質に合わせて名前が付けられているなと気づいたところで、作中のキャラ自身からも説明された時には笑った。

    またトリックも、ゾンビか人間かで悩ませるという楽しいお題。また見取り図がついているので、考えやすく、でもやっぱり見落とすので、最後の謎解きにはどうして気付かなかったのかと笑った。
    一つ一つの仕掛けが合理的で、言われてみれば確かにの連続で面白かった。

    推理以外のところでは、人間ドラマという点では少し雑だなとは思った。比留子さんが葉村に固執する理由が助手経験だけだとすると、あそこまでちょっかいかけるのが都合がいいなあとか、犯人役の復讐は至極正当だなと考えたので、この葉村とはわかり合えないなあというげんなりした感触もあった。
    『十角館の殺人』のほうが好みだな。

    とにかくゾンビが好きなのでゾンビモノに言及されると嬉しくなってしまう。舞台装置としてのゾンビパニックなだけで、結局班目機関とはという謎が残るのはちょっと残念だったが、館シリーズにおける中村青司みたいなものだと思う。たぶんこれから振り回されるし、比留子さんの体質もそれに機縁するかもしれない。

    あとあんまり、名探偵論とはやミステリーの作法とはというくどくどした理論は展開されず、さらっと流して説明する案配が非常に読みやすかった。
    ハードカバーのデビュー作にしては書き慣れてる感。文章が読みやすい。作者自身、エンタメを意識してるせいか、硬軟のバランスが良かった。これからも面白いものを書いて欲しい。

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著者プロフィール

1985年長崎県生まれ。岡山大学卒。2017年『屍人荘の殺人』で第27回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は『このミステリーがすごい!』、〈週刊文春〉ミステリーベスト10、『本格ミステリ・ベスト10』で第1位を獲得し、第18回本格ミステリ大賞[小説部門]を受賞、第15回本屋大賞第3位に選出。映画化、コミカライズもされた。シリーズ第2弾『魔眼の匣の殺人』も各ミステリランキングベスト3に連続ランクイン。2021年、テレビドラマ『ネメシス』に脚本協力として参加。いま最も注目される期待の俊英。

「2021年 『兇人邸の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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