ねじまき片想い (~おもちゃプランナー・宝子の冒険~)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027346

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は、五年間片思いをし続ける仕事相手への想いをパワーに、次々とヒットアイテムを世に送り出すおもちゃプランナーの女性。

    片思い相手が困ったことがあったら、暗躍して貯水タンクの殺人事件を解明したり、悪質な詐欺師を逮捕に導いたりもしちゃい、敏腕刑事ですら舌を巻き、憧れてしまうほどの行動力を持つ。

    そんな彼女でも、自分の考えていることを口に出すことが苦手。自分の中の世界で完結することを好む、と自分自身気がついている。それはおもちゃプランナーとしては不可欠なことで、だからこそ数々の商品を手掛けられたのだろう。ただその性格が災いして、想いの人と進展を遂げられないのがもどかしい。

    ここまで才能がある人なら、仕事や夢に生きたっていいじゃん、とも思うような、でも恋愛がないと人生面白みも半分ほどかけてしまうし。。

    終わり方がイマイチぼやっとしてて、わかりにくかった。

  • 柚木麻子さんの作品は出てくる女性が身近にいそうで怖い。
    いるよね、こういう女子!と思うシーンが多々ある。

    特に、私は宝子のような「女の子」が苦手。
    純粋ひたむきポジティブを免罪符にわがままを貫き通す図々しさで周囲の人間を振り回すタイプの「女の子」が。
    持ち合わせたネガテイブさと反発しまくってしまう。

    宝子時点で書かれている時は働く可愛い女子って感じだけど、その他の視点になると見えなかった部分が見えてくるよね。

    リアルもそう。

  • 恋愛をして、恋人がいてこそ一人前、でないところが良かった。ひとりを否定しないで、むしろ肯定して、だからと言って恋愛を貶める訳ではなく、可愛らしく組み込まれてもいる。新鮮だった。自然体で清々しくて爽やかだった。主人公は二十八〜三十一歳だけれど、何だかメルヘンのように可愛い。表紙に釣られて何となく全体はセピアっぽいイメージ。流れる空気が綺麗だった。

  • まったくどうしてこう、彼の周辺はいつも事件で騒がしいのだろう。私が守るしかないー。(富田宝子)

  • 読んでみたら、ちょっぴりミステリー仕立てに出来上がっていてびっくり。宝子の窮地にたたされてもめげない精神の強さと最後の最後で見せた、決心の強さを教わった。

  • おもちゃプランナーの宝子の片思い話だけでなくミステリーあり人間模様ありで、一気に読める。

  • 西島、バカだな…
    なんか違和感あるな〜〜と思ったら最終話は書き下ろしなんだね
    柚木さんの書く話って、主人公が最終的に自己完結して終わるよね

  • 主人公の雰囲気と見た目が
    わたしの中でどうにもこうにも定まらず
    イメージできなかった。

    そのためかあんまり感情が入らず。

    さらっとすごいことをやってのけるので
    気分爽快ではあった。

  • うーん。チョット微妙な1冊だった。あまりにも設定に無理があり過ぎ。

  • 初読

    柚木さんらしいサラッと読める漫画っぽい筆致に
    あまりにも豊かだから惜しみなく人に与えても1ミリもすり減らない、という宝子の愛情や
    それでも人と人とねじのように噛み合って関係し合う事もいいんじゃないか、と
    どちらを選んでも間違いではないと伝わってくるような。

    川端康成の浅草紅団って知らなかったな。
    読んでみたい。
    柚木さんらしい美味しそうなものがチラチラ出てきていい。
    黒糖かじって黒糖焼酎かー。代々木上原のカレーパン、
    存在するのかな。気になる。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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