エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488104429

感想・レビュー・書評

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  • 11の作品を収めた短編集。

    トリック一発もので、鍵となる事柄を知っているか知らないかで
    謎解きが可能か否かということになるのは短編ではしかたのないことだと思います。
    ただし、鍵となる事柄が「第二次大戦前のアメリカ北東海岸に住む中流以上の男性」の
    風俗や教養にかかわることが多いので、いまの日本人にはなじみが薄いかと思います。

  • 新訳版が出たので再読。全体的に表現がソフトになり読み易くなっている。
    内容は素晴らしいの一言。間違い無くクイーンの短篇集の中でベストの一冊であり、フェアプレイなフーダニットが堪能出来た。
    クイーンの長編では中盤を冗長に感じてしまう読者がいるだろうが(その分、解決編のカタルシスが得られる訳だが)、短編は事件、短い調査、解決、とスピーディーなので、全くストレスを感じないで読めるだろう。その中で論理の面白さが存分に味わえるのだから、文句のつけ様が無い。傑作。

  • 再読、のはずなのだがほとんど内容を忘れていた。エラリーは自信家で理屈っぽいところが私はちょっと苦手である。国名シリーズもほぼ全作品読んでいるが、見事な推理の展開に押し倒される記憶だけがある。クリスティの作品で登場人物の語った言葉や情景を何かの拍子に思い出すのと好対照だ。
     だから短編集の方が肩の力が抜けて楽しめる気がする。『いかれたお茶会の冒険』が一番気に入った。でも、ある部分はちょっとアンフェアじゃない?
     みんながすぱすぱ煙草を吸う、若い女性さえも。
    死体が転がっていても現場保存なんて鼻も引っかけない。現代なら成立しえないトリックだらけだが、要らざる縛りがない世界でクイーン警視の庇護の元エラリーがあっと言わせてくれるのを受け入れよう。ミステリ黄金時代のタイムマシンに乗ろう。
     そしてクイーンには苦い思い出も。高校一年の教室、初めて読むクイーン、『Yの悲劇』を手にした私に向かってクラスメイトのE子が「びっくりよねー犯人が○○なんだもの!」といきなり言い放った。誰もが味わうあの衝撃を私はあらかじめ失ってしまった。
    クイーンのせいではないのだが、それ以来相性が良くないような。
    ただこれを機会に、色々読み返して見るのも良いかもしれない。

  • 【新訳】初刊時の序文を収録した完全版。(旧版では削られてた「いかれたお茶会の冒険」も収録の11篇)
    十代の頃に何度も読んで論理の鮮やかさに心酔してた短編集。新訳版になって、旧訳時の少々古くさい印象の言い回しなどもなくなり、グッと読みやすくなったのでクイーンを初めて挑戦する人などのとっかかりとしてもオススメできる素晴らしい新訳版です。

    事件の論理的展開はどの話も毎度ガチで優劣つけ難いですが、私のお気に入りは冒頭に収録されてる「アフリカ旅商人の冒険」ですね。生徒3人による推理披露とあわせて、とても鮮やか。

  • 2018/07/22読了

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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