晩餐会の13人 (創元推理文庫 105-23)

  • 東京創元社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488105235

感想・レビュー・書評

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  • #adieu

  • <きっちり、ブリティッシュミステリの王道を行く!>


     名探偵ポワロと友人ヘイスティングズ大尉、おなじみ名コンビによる安定の長編推理劇場を楽しみました。しかも、ものすごく読みやすかったなぁ。

     ざっくり、あらすじ。別居中の妻で女優、ジェーン・ウィルキンスンとの間で離婚協議が進んでいたエッジウェア卿が、自宅で殺害されます。事件当日、エッジウェア邸にはジェーンと名乗る女性が訪れたというのですが、ジェーン本人は離れた場所で晩餐会に出席しており、完璧なアリバイがありました★ もしや、ジェーンの名をかたるバッタもんが現れたか!?
     息をつく暇もなく、第二の殺人が……☆

     読みやすいのは、変わり種ではなく手堅いタイプだからですね。きっちりブリティッシュミステリの王道を歩む作品。それでいて、偉大すぎた先駆者コナン・ドイル(ホームズ)の影響を振り払ったクリスティが、独自の探偵物語を編み出さんとする工夫が感じ取れます。
     ポワロさんは、初期の作品ほどエキセントリックな方向に突っ走らず、人間らしくなりましたね★ 魔術師みたいに一発で真相にはたどりつかず、地道に捜査します。ヘイスティングズも、ワトスンっぽいふるまいをやめて、すっかり落ち着いた様子です。
     そして、思いがけない真相ならお手のものというわけですね。クリスティは完全に作品全体を俯瞰して、その構図のなかで最も犯人らしからぬ人物をホシにし、あっと言わせるのです☆

     バックグラウンドとなる犯人の複雑な人物像も、抜かりなく書きこまれています。ナンを言えば、「本当にその動機で殺人まで犯すかな~?」という感想を持たなくもなかったのだけれど……、お国柄の問題でしょう。日本人的感覚では理解しづらいかもしれません★ ←余計なことだったか(汗)。この点が作品の興趣を削ぐほどのことはないよ。
     ポワロシリーズで安定して面白い作品は? と聞かれる機会があったら、私なら本作を推薦することに決定しております☆

  • 2011.6.20読了。
    ポアロシリーズ。
    女優が離婚したがっていた夫が殺された。女優にはアリバイがあったが…という話

  • ポアロが危うくしてやられそうになる珍しい話。凡庸な人間である私はもちろんひっかかった(笑)単純だからこそひっかかるトリックの盲点が面白い。

  • 富豪のエッジウェア卿がある夜、何者かに刺殺されるという事件が発生した。卿は美貌の女性である夫人と離婚問題で係争中だった。たまたまその代理を務めていた探偵のエルキュール・ポワロは、否応なしに殺人事件に巻き込まれることになった。上流社会の多彩な容疑者たち。アリバイは?動機は?連続殺人の犯人に挑戦するポワロの活躍。


  • ポアロもの。
    さすがのクリスティ。ミスリードが巧く、ポアロ共々すっかり騙されてしまった。
    入れ替わりのトリックは早いうちに気がついたのだけれど、それがこんな風に使われるとは!
    フーダニットものとして手順を踏んでいて、なおかつ最後まできちんと楽しめた。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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