もう過去はいらない (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488122065

作品紹介・あらすじ

88歳の元殺人課刑事バック・シャッツが、牙をむく老いと闘い、現役時代の苦い記憶と敵とマグナム357と痛烈な皮肉で勝負する。大好評『もう年はとれない』を超える爽快作。

感想・レビュー・書評

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  • 78歳の大泥棒イライジャがかっこいい。正にカリスマって言葉が似合う魅力的な登場人物だった。
    綿密な計画を描き、人を動かし目的を遂行する。そうだったのかと鮮やかな犯行だが、バックはそれをガサツに解き明かしていく。
    そのガサツさはイライジャの魅力もかき消してしまった。
    話は面白く次々と読み進めたが、自分としては魅力を感じるキャラクターがいないのが少々残念だった。

  • 初ダニエル・フリードマンでした。私は本も録画した映画やドラマも毎日、少しずつ読んだり観たりしているのですが、この本を読んでいる同じ時期に映画「ガントレット」を観ていて、メンフィスの刑事の話だったので、本の主人公がクリント・イーストウッドに思えてきました。主人公は軽い認知症らしいのですが、本の内容が2009年と1965年を行ったり来たりするので、私も子供か孫か分からなくなってきて軽い認知症ってこんな感じかな?なんて思いました。また、ユダヤ人やユダヤ教の知識が増えた気がします。

  • 一作目を読んだ時も思ったが、今一つすっきりしない。息子の死因など設定の明かされていない部分があるので当然といえば当然だが、それ以外の本筋も残尿感。もしや老人ものとひっかけてそんな感じなのだろうか。いやまさか。

  • バック格好ええ。
    やっぱりユダヤ人、黒人・・根が深いなー。
    頭に身体がついていかない、頭も少し?
    シリーズのこの先は?

  • 面白かった。理不尽な世の中で正義の人であることより、自分のルールで行動してきたじいちゃん。ハードボイルドしてました。

  • 88歳の歩行器をつけたダーティーヒーローが主人公という点が、他の警察小説とは一線を画する。そして、クスッとする皮肉も小説のいたるところに散りばめられているので、読んでいて飽きない。前作はまだ読んでないので、ぜひ読みたい。

  • シャッツ元刑事が活躍する第二弾。
    過去の銀行強盗事件と現在のヤクがらみの誘拐事件が交差する。犯人共に二人とも後期高齢者なのが面白がるポイントなのかな。
    相変わらずアウシュビッツでの悲惨な体験談も絡み、奥行きは増してくる。過去の記憶の中で息子のブライアンも登場。
    一弾で活躍した孫のテキーラの姿はイマイチ薄いのが残念。

    解説によるとまだこのシリーズ続くらしい。
    ホント、大丈夫なんですか?

  • 1作目の方が評価が高いようだが自分は断然本作の方に軍配を上げたい。本書は介護が必要な歩行器を使った老人のアクションものというよりユダヤ人問題の視点で読むとぐっとその内容に重みを感じる。米国のようなよそに比べユダヤ人が暮らしやすいと思われた地域でもこれほど差別と闘わなければならなかった。昨今米国でもユダヤ人墓地が荒らされるなどの事件が続いており、まだまだ闇は深いのだと思わされる。

  •  バック・シャッツシリーズ第二弾。この老いぼれ刑事ものの続編を読めるとはうれしいが、さらに第3、4作もあるそうでびっくり。90歳に近く衰える一方のバックをいったいどうやって活躍させるのだろうか。昔因縁があった銀行強盗イライジャとの再会とそれによって引きずり込まれた闘争。昔の事件と今の事件が交互に綴られてゆくというよくあるパターン。昔はともかく今は歩行器がないと満足に歩くこともままならない体調で若い刑事の力を借りて事件に立ち向かうのだからすごい。しかも体力がないからか容赦なく銃をぶっ放す過激さは並の刑事ものの比ではない。物語の根底にあるのは前作同様ユダヤ人の人種問題で、そこにつけ入られて表沙汰にできない葛藤が過去から現在まで尾を引くイライジャとの因縁になっている。こういう心理の機微は日本人にはわかりにくいが、これは結局のところ臭いものにはフタをしているだけではないのかなという気がする。

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