シンデレラの罠 (創元推理文庫 142-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488142018

感想・レビュー・書評

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  • 「なんだか、ジャプリゾのミステリみたいじゃあない?
    ちょうど今、読んでいるんだけど…」

    なんてセリフ、言ってみたいけれど、
    そんな日は一生、来ない!
    (それに来ない方が良いでしょう!)

    今回読んだのは「シンデレラの罠」

    こちらは私が絶大な信頼を寄せ参考にしている
    『東西ミステリーベスト100』(文春文庫)
    にも載っているから
    噂は聞いていた、というところ。

    「私は20歳の娘、億万長者の相続人です。

    私がこれから物語る事件は、
    巧妙にしくまれた殺人事件です。

    私はその事件で探偵です。また証人です。

    また被害者です。そのうえ犯人なのです。

    私は4人全部なのです。

    いったい私は何者でしょう?」

    億万長者、遺言書、
    金持ちの娘と、そうでない娘、
    美しい二人の娘は火事にあい、
    一人の娘は死に、
    一人の娘は顔と手に大やけどを負いショックで記憶を失うが、
    顔は手術で美しくよみがえる(←ここが最大のポイント!)

    一体、生き残った私はどちらの娘なのか…

    いかにも絵に描いたような
    中二病の女子版と言う感じで、
    笑っちゃう、笑っちゃうんだけれど、
    やっぱり楽しいわ!

    出てくる人出てくる人奇人変人ばっかりだけど
    美男美女ばっかりだからそんなに気にならないなー。

    読みながら、「へー、じゃ、そうなんだね」
    「ふーん、だったらそれじゃ、やっぱり、そうなんだね」
    の繰り返しでひたすら感心して読んでいる
    最高の読者となってしまったわたしだけれど、

    最後も「なら、そうなんだ」と思ったけれど、

    色々な方の感想をみていたら「あれれ?」
    その方のおっしゃった箇所に戻ったら「あれ!?」

    へー、じゃあ、ほんとのところ、どうなの??

    『東西ミステリーベスト100』の
    1986年版では67位、2013年版では順位を上げ41位。

    この順位が上がった理由について
    新訳となり、また翻訳者の綿密な解説により真価があらわれた、
    と分析されている。

    よって、近日中に新訳の方を読む予定!
    (図書館で取り寄せ中)

    前回読んだ「新車の中の女」、最高に楽しくて
    古い翻訳の方もう探して買っちゃった程はまったけど、
    こっちも面白いかも。

    新訳の感激具合によっては、やっぱり購入するかも!

    私が図書館で借りていたのは
    とっても古い本でカバーなんて白黒で
    包帯グルグル巻きの人の写真がのっていたり、
    とても怖いの。

    電車で読んでいて、
    前に小さな女の子が来た時は
    包帯グルグル巻きの部分を
    手のひらで隠して読みました!

  • とんでもなく読みにくい。この本の魅力の半分も味わえていない気がする。誰の発言なのか、どこにかかった形容詞なのか、分かりにくくてスラスラ読めない。長文をとりあえず訳した受験生みたい。
    そういうわけで、一人四役の衝撃もあまり感じない。そりゃそうだろうな、としか。新訳にすればよかった…。

  • 古典の名作とのことで読んでみました。
    旧訳で読んだのでなんとも言えない表現が理解を難しくしているきらいがありますが、後半からの畳み掛けは引き込まれました。ミステリーというよりサスペンス要素が強いかな。各章ごとにストーリーが起承転結しており、感覚としては洋物ドラマシリーズを鑑賞したのと似てる。

    何にせよ、入り込むには時代背景もお国も違うし辛いものはあったのは仕方ないが、このプロットを作品にまとめ上げてしまうのはすごい。そういう意味で感動的な一品。ある意味ではどんでん返し要素もあるんだろうか。ふーむ。

  • 燃えた屋敷から発見されたのは遺体となった少女と顔面が焼き爛れ記憶を失った少女。わたしは一体誰なのか?

    混沌と妖しさに呑まれる作品。
    散文的で詩的で少女の日記を生読みしてるような文体なので、するすると読むことは難しいが、プロットは見事だ。
    わたしは一体誰なのか=死んだのは誰なのか。この問題はオーソドックスな首なしトリックと同じである。幻想的な世界観でありながられっきとしたミステリだった。

    残酷でありながらもどこか切ない結末に酔う。

  • 途轍もなく読みにくい訳で、途中で読むのをやめようかと思ったが、我慢して何とか最後まで読み切った。これまでに読んだ翻訳作品で、最も読み進めていくのに苦痛を感じた作品。会話文で誰の発言なのかがわかりにくかったり、代名詞が誰を指しているのかがわかりにくかったり、展開が唐突なのは原作者の責任だと思うが、直訳調で文章がこなれておらず、書いてある内容が頭に入ってこないし、意味が理解できない箇所もあった。

    一人四役を実現させた手法や、主人公にとって皮肉な結末、主人公の正体に関する曖昧な終わり方は面白いが、登場人物の関係などを示した中盤は中だるみで退屈。犯行計画には無理があり、自分自身が死んでしまう危険性が高いし、入れ替わりは声の違いでばれてしまう可能性が高いのではないだろうか。

  • 終わりかたがすきです。でも訳がいまいちかな?と。最後の行が新装版ではどう訳されているか気になります。

  • さて、どうしよう。
    魅惑的なプロローグ、全体を覆うサスペンス。引き込まれた。
    ただ、なんとなくもやっとする。

  • 新訳も読みたいな

  • 3 

    読み終わった後、ああフランスっぽいなあと。プロットにアイデアはあるけれど、物語としてはだからなんやねん的な。アルレーとかカレフとかでも感じたモヤッと感。もう途中からはミでもドでもどちでもいいよと、どちらでも驚かないし、更に別の誰かだとしても驚きもしないよと。どうオチをつけてくれるのか、その確認作業。つまらないわけでもないけれどのめり込むこともない。まあぐだぐだと進んで行ったところの最後の一行でハッキリさせてるのは良心的なのかな。タイトルに絡めたりしてるところもセンスあるし。

    それにしてもちょっと訳がカチコチで古くさすぎる。これから読む人は新訳版が出ている今、あえて旧版のこちらを選ぶ理由はないだろう(新訳版の表紙がいいなあと思う自分は手袋フェチなのかもしれない…)

  • 「さよならドビュッシー」の元ネタだ、というコメントを見たりしたので、読んでみた。
    揺れ動く展開、不思議なムードで楽しめたけれど、翻訳のせいか、とても読みづらかった。新訳の方が読みやすいらしいけど・・・。

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