歯と爪 (創元推理文庫 163-2)

  • 東京創元社
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488163020

感想・レビュー・書評

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  • 再読。タイトルと袋とじと面白かったという記憶だけで内容を全く覚えておらず忘れてた自分が信じられない。過去と現在を交互に描きながら驚きの結末。ミステリー部分の面白さはもちろん、主人公のマジシャンの思い出語りがとても美しい。

    • 111108さん
      akikobbさん♪

      またもや『煙の殺意』の『歯と胴』再読しましたよ!これも内容や言葉づかいを原作にかなり寄せたオマージュ作ですね。気がつ...
      akikobbさん♪

      またもや『煙の殺意』の『歯と胴』再読しましたよ!これも内容や言葉づかいを原作にかなり寄せたオマージュ作ですね。気がつかなかった〜ありがとうございます!恩田陸さんの『象と耳鳴り』も『歯と爪』オマージュ作ですけど、内容は寄せてなくてこれはタイトルと装丁オマージュみたいです。
      実は私のレビューもakikobbさんはじめアワツマ好きを意識して書いたので反応嬉しいです♪プロローグ読んですぐになんだかアワツマっぽい!と思って。
      袋とじはあとがきによると出版社と作者の戦略みたいです。そもそもプロローグである意味ネタバレてますし、二つの話がどう収斂していくかが見どころなので袋とじてなくても問題ないです。
      2024/04/06
    • akikobbさん
      返信ありがとうございます。
      つながりますねえ!さっそく探してみます♪
      「忘れてた自分が信じられない」との言葉に、期待が高まります。でも、そう...
      返信ありがとうございます。
      つながりますねえ!さっそく探してみます♪
      「忘れてた自分が信じられない」との言葉に、期待が高まります。でも、そういう再読いいですよね。
      2024/04/06
    • akikobbさん
      返信ありがとうございます。
      つながりますねえ!さっそく探してみます♪
      「忘れてた自分が信じられない」との言葉に、期待が高まります。でも、そう...
      返信ありがとうございます。
      つながりますねえ!さっそく探してみます♪
      「忘れてた自分が信じられない」との言葉に、期待が高まります。でも、そういう再読いいですよね。
      2024/04/06
  •  交互に語られる、一見無関係に思われる二つの物語。これがどうつながっていくのかが見どころ。ちょっと出来過ぎ感はあるけれど、そんな野暮なこと言わせないだけのパワーがあった。
     一方は刑事裁判の公判シーン。いちおう検事側が優勢のようではあるが…。もう一方では、とあるマジシャンの男性が主人公。ひとりの女性と出会い、彼の人生は新たなステージに…。はじめのうちは、二つのパートがあまりにかけ離れているので、下手すると読む意欲を失ってしまってもおかしくないものだが、幸せなことにどちらもそれぞれに読み応えがあり、そんな心配はなかった。
     公判シーンは、エンタメの世界では十分おなじみ。お約束の安定感あるフォーマットの中での丁々発止のやりとりを堪能。そしてマジシャンパートでは、華やかなようでいてどこか哀愁もただようショービズの世界、そこにおけるひとりの男性の人生の行方を、固唾をのんで見守る。別々の連載漫画でも読むように、続きを、続きを、と読んでいくと、中盤から一気に両者が絡み出す。「残り何分の一の時点で徹夜してでも読み切りたいモードになるか」、というミステリー小説終盤力選手権があったら、堂々エントリーできる作品だと思います。
     ところで、マジシャンでミステリーといったら我らがアワツマこと泡坂妻夫。未読の曾我佳城シリーズ、読みたいリストの中でじりじり順番待ち。そして短編集『煙の殺意』に収録の『歯と胴』、再読したが本作オマージュと思われる。
     そしてアワツマ作品との共通項として、本書も袋とじ製本で売られていたということがあるが、これはもう圧倒的にアワツマ氏の勝ち(?)で、返す返すも、『生者と死者』は袋とじ芸術の極致だったなあと再確認。

     本書は111108さんのレビューで知りました。ありがとうございます!

    • 111108さん
      akikobbさん♪

      「ミステリー小説終盤力選手権」あったら楽しそう〜私この本推します!
      アワツマの『歯と胴』まで再読していただき嬉しいで...
      akikobbさん♪

      「ミステリー小説終盤力選手権」あったら楽しそう〜私この本推します!
      アワツマの『歯と胴』まで再読していただき嬉しいです♪『歯と爪』いいなぁやりたいなぁってアワツマさん書いちゃったのかな?短編にしたところがさすがですね。
      それにしてもこの本の袋とじは微妙ですね。袋とじだけでいえばアワツマの勝ちだと思います!

      なおなおさん♪

      やっぱりアワツマ匂ってきちゃいましたか(๑˃̵ᴗ˂̵)
      袋とじの方、まだじっくり温めてください♪
      2024/04/23
    • akikobbさん
      111108さん、
      『歯と胴』も読みました〜
      マジシャンものという意味では、『歯と胴』だけではなくて(あれはマジシャン出てきませんし)、もし...
      111108さん、
      『歯と胴』も読みました〜
      マジシャンものという意味では、『歯と胴』だけではなくて(あれはマジシャン出てきませんし)、もしかして泡坂さんにもっと大きな影響を与えた作品だったのかも…、と妄想しました。

      なおなおさん、
      いつ読んでも楽しめると思います!
      とっといてください笑
      2024/04/24
    • akikobbさん
      111108さん、
      『歯と胴』も読みました〜
      マジシャンものという意味では、『歯と胴』だけではなくて(あれはマジシャン出てきませんし)、もし...
      111108さん、
      『歯と胴』も読みました〜
      マジシャンものという意味では、『歯と胴』だけではなくて(あれはマジシャン出てきませんし)、もしかして泡坂さんにもっと大きな影響を与えた作品だったのかも…、と妄想しました。

      なおなおさん、
      いつ読んでも楽しめると思います!
      とっといてください笑
      2024/04/24
  • ミステリである以前に、これは小説。もちろん良い意味で。

    解説の一文をもじって引用したが、本当に面白く、ぐいぐい読まされました。
    とある殺人事件の裁判と、一人の奇術師の半生が交互に描かれる。
    スリリングな法廷ものとしても楽しめるし、奇術師のストーリーも先が気になって仕方がない。しかし結末部分が袋とじに。

    もちろん袋とじは開封しました。
    最後の一ページの驚くべき大トリック! ってのは少々煽り過ぎだと思うし、結末は予想がついた方もいるでしょうが、それでも大満足。極上のエンタテインメントでした。

  • いまでこそこの種のミステリは大量に(しかも低い質で)書かれているけれども、それらの作品の先駆であると同時に、とても高い完成度を有している。トリックありきではなくて、物語としておもしろい。ただ袋綴じの位置がなぜそこ?という感じなのと、裏表紙の煽りがよくない、けど作品自体は文句なし。

  • 面白くなければ返金します!袋とじを破らないで出版社にどーぞ!!←これをやって見せた本作。1955年に出版されたものと考えると余計に感動しました。それだけ著者自身が自信を持ってこのトリックを仕掛けたんでしょうし、出版社もよく手間のかかる売り出し方を了承したな、っていうことを想像すると、なんだかすごくほのぼのしました・・・。大の大人達が、「返品するやついるのかな?!ドキドキ!」とか膝を突き合わせて話し合ったんだろうなと考えると、かわいいですよね・・・←

    ただ、今となっては作者が仕掛けたトリック自体に真新しさはありません←

    当時はカットバック手法(一見関連性のない複数の物語を交互にはさんでいく手法らしいです^^)が斬新だったり、トリック自体も驚きをもって迎えられたようですが、物理・叙述両トリックが飽和状態の今となっては・・・「どこかで似たような話見たことあるな」と感じざるをえないトリック。

    ミステリスキーが永遠に抱える宿命ですね・・・先達の開拓した「当時は新鮮な」ミステリが今読むと使い古されたネタという・・・。

    それでも、半世紀前にこんな推理小説を書く作家がいたのか!と驚くに足る一冊です。文章も読みやすいし、登場人物も少ないし、オススメです(*^^*)


    今回はプロローグをそのまま抜粋した裏表紙の概略が秀逸なのでそのまま抜粋↓↓
    彼の名はリュウ。生前、彼は奇術師だった。彼はフーディニやサーストンすら試みなかったような一大奇術をやってのけた。まず第一に、ある殺人犯人に対して復讐をなしとげた。第二に自分も殺人を犯した。そして第三に彼は、その謀略工作のなかで自分も殺されたのである――奇才バリンジャーが仕掛ける驚くべき前代未聞の大トリック。

  • それほど凄いとは思わなかったな。捜査側と犯人側との叙述の交差はなかなか面白かったが。

  • 3-

  • 裁判シーンと主人公の動きシーンが交互に書かれており、徐々にそれらが融合して行く流れが面白い。
    トリックも奇抜であった。
    でも、あの銅板は何処に行ってしまったのだろうか?

  • 袋とじで有名なミステリです。週刊ポストじゃありません。
    ヘアヌードが隠してあるわけじゃナイス。
    話のネタばれが書いてあるのです。
    なんでも、つまらんかったら返品してもいいとかで・・。
    中古の紫陽花堂で(我が家の近くにある)見かけたことがあります。
    どうしているんだろと興味あったので・・。
    普通に切って何事もないような顔で置いてありました。

    ネタバレ書評で描いたやつ営業妨害な

  • ミステリ。サスペンス。
    『森博嗣のミステリィ工作室』から。
    法廷パートと、魔術師パートが交互に進行していく構成。カットバック。
    裏表紙の"驚くべき大トリック"という表現は、いまとなっては誇大表現。似たようなトリックを使った作品はたくさんあるでしょう。
    1955年の作品ということで時代の流れがあり、全く同じトリックは、現代では成立し得ない、というのも残念。
    それでも読み終わってみれば、非常に楽しめた一冊。単純に主人公のストーリーが面白い。読みづらさもなく、スイスイ読み進めることができた。
    完成度の高い作品として、この種のトリックを用いたミステリの先駆的作品として、評価されるべき名作。

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