- Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488178062
作品紹介・あらすじ
撲殺された美術品ディーラーの持ち物だった黄金製の箱に残されていたのは、パガニーニ宛の古い手紙だった。名ヴァイオリン職人にして名探偵が天才演奏家をめぐる謎に挑む!
感想・レビュー・書評
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ヴァイオリン職人が探偵役のミステリ、シリーズ2作目。
ヴァイオリンをめぐる事件や、音楽がらみの薀蓄が新鮮でした。
初老のジャンニ・カスティリョーネは、名ヴァイオリン職人。
200年前に活躍した天才ヴァイオリニスト、パガニーニが愛用した名器が修理のために持ち込まれます。
コンサートを前にした若きヴァイオリニストとのふとした出会いに、父親めいた感情を抱くジャンニ。
ジャンニも知るディーラーが事件に逢い、金庫には黄金のヴァイオリンが残されていた。
友人のクレモナ警察の刑事アントニオに協力を依頼されたジャンニは、事情を調べ始めます。
若い友人のアントニオは、ジャンニの薀蓄と推理を頼りにしているんですね。
枯れた雰囲気のジャンニですが、一人暮らしでも料理はてきぱきと。しかも実は知的な美女と、大人の関係に。
さすが、イタリア☆
パガニーニのパトロンだった女公エリーザは、ナポレオンの妹。悪魔のような才能に溢れたパガニーニの、きらびやかだが不安定だった生涯。
心の交流がうかがえる歴史の一こまに思い馳せたり。
渋いようで、味わい深い、なかなかの佳作でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。
シリーズ二作目はパガニーニについて、
殺人事件と若手音楽家とパガニーニを絡めての進行ですね。
どんな曲だっけ?ってYouTube見たりした。
主役の弦楽器職人が名器を手にするところや、見てはいけないけど見たい衝動を我慢できないところ、同じようなな気持ちにさせてくれる。 -
読んでいて気持ちの良いシリーズ
イタリア男が必ずしもジローラモさん的な野獣派ばかりではなく穏やかな紳士もいる(まあ当たり前やな)のだとわかる。
今回焦点が当たるのはパガニーニとグァルネリ。
パガニーニは割とキワモノ的な扱いを受けがちだと思うし、実際自分もどちらかと言えば「職人」と思ってきたが、違う側面もあるのだと、やはり「芸術家」なのだと思わせてくれる作品。 -
イギリスの作家ポール・アダム、2009年発表の小説。初老のイタリア人ヴァイオリン職人が主人公の歴史ミステリー2作目。前作より物語としての面白さは大きく劣り、ちょっとがっかり。蘊蓄は相変わらず興味深いですが。
今作は18~19世紀に活躍した天才ヴァイオリニスト、パガニーニにまつわる秘宝探しのお話し。音楽家の人生を調べ、消えたお宝の行方を探すわけですが、しょうもない伝記的物語の羅列が多く、正直うんざりします。
何人かの伝記を切り貼りすることでうまいことお宝探しのストーリーを捻出した、ということなのかもしれません。
主人公周辺の魅力的なキャラたちも今作ではあまり生かされていないし、新たに登場した新人ヴァイオリニストをめぐる騒動もまたしょうもない話で・・・。 -
精巧に良く出来ている、淡々と進みながら山場も何度かあり、何度も感心させられる。なんと言っても、主人公のバイオリン職人のジャンニが、思慮分別があり、思いやりもあり、人柄も良いので、安心して読み進められる。それでいて二転三転と事態が変わり読む者を飽きさせない。
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読了。ヴァイオリン職人探偵のシリーズ2作目。
読み終わってパガニーニが聴きたくなった。
パガニーニの遺産をめぐる殺人事件に、悩める若き天才ヴァイオリニストがどう絡むのかを気にしながら読む。
パガニーニの生い立ち、恋愛、ロッシーニの妻の話を描きながら話に引き込まれる。
伏線と名前がややこしくて途中誰だかわからなくなるので、たびたびページをめくり返した。
どこまでが史実に基づいているのかわからないけれど、推理小説としても、ヴァイオリンの歴史や知識としても面白く読める。 -
『ヴァイオリン職人の探求と推理』に続くヴァイオリン職人が主人公のミステリー第2弾。殺人事件の謎解きよりも、作曲家や演奏家の私生活の話などの詳細な解説に興味をそそられる。
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主人公がヴァイオリン職人だけにあり、ヴァイオリンについて、しっかり書かれている。音楽を読んでいるような感覚に陥った。
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ヴァイオリン職人のジャンニがパガニーニ愛用の名器を修理する栄誉に浴した翌日、美術品ディーラーの撲殺死体が発見される。
さらに新進気鋭のヴァイオリニスとが失踪し…。
ヴァイオリンに関する知識がなくても楽しめるシリーズ。
ジャンニ爺さんが元気でがんばっていて楽しい。
読後感がいいのも⚪︎
そして読んだ後シンプルなパスタが食べたくなってくるw