吊るされた女 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488195137

作品紹介・あらすじ

キャシー・マロリー、ニューヨーク市警刑事。完璧な美貌の天才的ハッカー、他人に感情を見せることのない氷の天使。相棒の刑事ライカーの情報屋だった娼婦が吊るされた。美しい金髪は切られて口に詰めこまれ、周囲には虫の死骸。臆測を巡らす他の警官を尻目に、マロリーは事件を連続殺人鬼の仕業と断定する。だが…ミステリ史上最もクールなヒロインが、連続殺人鬼に挑む。

感想・レビュー・書評

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  • マロリーの過去も少しわかるシリーズ第6弾
    現場の描写がハードにグロテスクだったりもするけど、一気読みせずにはいられなかった。



    チャールズには未来がありそうで少しε-(´∀`*)ホッ
    でもマロリーは???

  •  マロリーが、キャシーで子供だった頃の生活が明かされます。その辺が気になっていた読者は必見です。

     スパローの優しさ、キャシーが求めた母親のぬくもり、切なくなります。

  • ミステリーが苦手なのは、人が死ぬから。けれど、かなり貪るように読んだ。
    このシリーズを読むのは初めて。それでも十分楽しめた。

    これは因縁物といってよいのではないか。謎そのものの良し悪しは私にはよくわからない。作中のモティーフの使い方とか、可能な限り肉付けされたキャラクターとか、そこで繰り広げられる人間関係だけでも引き付けるものがある。
    ただ、場面がころころ転換するので、これを訳すのは大変だろうなと。扉に書かれた登場人物紹介表を何度も見ながら読み進めた。苦労したけど、その甲斐はあったかな。

    追記:私的に事件そのものは救いがなくて嫌だった。
    追記:この題名を好きじゃないタイプの人が読むと、よい意味で裏切られる。

  • お帰り、マロリー。
    待っていたよ。

  • おもしろかったー!このシリーズは未読なので、お話についていけるか不安だったのだけど、ほとんど問題なし。丹念に作り上げられた物語に圧倒された。それでもやっぱりシリーズ当初から読んでる方がずっと楽しめる内容だろうとは思った。遅ればせながらこれは読まなくちゃ!

    オコンネルのことだから、すごく読みやすいというわけではない。特に最初の方はちょっととまどうことも多い。それでもストーリーの吸引力がすごいのでどんどん読んでいけるし、中盤からはもう一気読み。さすが!の一冊。年末のベストでも間違いなく上位に来るだろうな。

    • そよかぜさん
      シリーズ物なんですね。オコンネル、ちょっと調べてみたら面白そう。要チェックです!

      最近本を読む時間が減っていて、その分外れたくないので...
      シリーズ物なんですね。オコンネル、ちょっと調べてみたら面白そう。要チェックです!

      最近本を読む時間が減っていて、その分外れたくないので皆さんの感想を参考に選ぶことが多くなっています。
      たまもひさんの感想も大いに参考にさせていただいています。(ありがたいことです)
      今は「カラーひよことコーヒー豆」を読んでいますが、私も涙してしまいました。
      どうしたことか・・・
      2012/09/13
    • たまもひさん
      そよかぜさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

      オコンネルは「クリスマスに少女は還る」がとても面白かったです。ちょっと独特の...
      そよかぜさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

      オコンネルは「クリスマスに少女は還る」がとても面白かったです。ちょっと独特の癖がありますが。マロリーシリーズはなぜか未読で、これから第一作の「氷の天使」を読む予定。

      小川さんのエッセイ、いいですよね!泣いちゃうのは私だけではないんですね。なんか嬉しいなあ(^_^)
      2012/09/14
  •  マロリーシリーズ。
     娼婦が殺される。それは、昔の殺人と同じ手口だった。事件は、マロリーの過去をあぶりだす。
     
     とはいえ娼婦がライカーの情報屋だったので、主観はライカーが主なのである。
     そして、周りからどんどんマロリーをあぶりだすというか、描きだそうとするところが、オコンネル一筋縄ではいかないですねって感じ。
     
     が、故に、チャールズのへたれっぷりが堪能できなくて残念。
     このシリーズ、マロリーの完璧な美貌とチャールズのヘタレが魅力だというのに…。

     そんでもって、油断してたら最後に泣かされました。
     やっぱ、オコンネルは上手い。
     人の感情の起伏を、読み解くのが最高に上手いんだろうなぁ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「やっぱ、オコンネルは上手い」
      「吊るされた女」を読む前に、読み返したくなっている。だから手を付けられない←読まない言い訳?
      「やっぱ、オコンネルは上手い」
      「吊るされた女」を読む前に、読み返したくなっている。だから手を付けられない←読まない言い訳?
      2012/08/28
  • マロリーのシリーズ第6弾。

    キャシー・マロリーは、ニューヨーク市警ソーホー署の巡査部長。
    金髪に緑の目の誰もが一目見たら忘れない美貌だが、本人は全く意識していない。
    組織には馴染まない天才ハッカーで、市警のコンピュータも担当しているため、独自の行動を半ば黙認されていた。

    女性が部屋で吊されているのが発見される。
    元娼婦のスパロー。マロリーの相棒ライカー刑事の情報屋だった。
    たまたま駆けつけた元警官の消防士が現場をぐちゃぐちゃにし、新米警官が蘇生しないようにという指示を無視して、植物人間にしてしまう有様。

    ライカーが現場で何かを拾い上げて隠したのを見て驚くマロリー。
    ライカーは妻には逃げられ服装はだらしないが、正しい事しかしないと信頼されている男なのだ。
    スパローのことは、マロリーも子どもの頃によく知っていたという因縁があった。

    マロリーは9歳の頃はストリートで生きていた浮浪児で、その悲惨な体験から人間を信じず、ほとんど表情も動かない。
    ルイ・マーコヴィッツ警部に引き取られ、その妻ヘレンだけを実母のように愛した。
    ヘレンは若くして死に、マーコヴィッツも近年亡くなってしまったため、大きな歯止めがなくなっている。

    ライカーが隠したのは、とある古い雑誌。
    マロリーが子どもの頃に、続きを読むのを楽しみにしていたらしい奇想天外な冒険小説シリーズの最終巻だった。
    そこには、マーコヴィッツの書き込みが…?

    女性が吊された事件は、20年前にもあったことがわかる。
    当時の捜査に当たった警官は、引退後もこだわりを抱いていた。
    娼婦を蘇生したドジな警官も送り込まれ、仕事が出来ないのを呆れられるが、実は事情があるらしい。
    様々の思惑を抱えた警官が入り乱れることに。

    マロリーが副業にしている会社の仲間チャーリーは、本物の天才。
    怖がられるほどの大男だが、笑うと間の抜けた顔になる。
    マロリーに片思いのチャーリーも、捜査に協力する。
    スパローのことをマロリーが恨んでいるのではと心配する周囲だが…そこはマロリーもそれほど単純ではないのでした。

    幼かったマロリーの孤独がしだいに浮き彫りになって、切なくなります。
    何かを感じ取ったヘレンに初めて会うシーンは、胸が痛くなりました。
    2002年の作品。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      キャシー・マロリーが、どう落ち着くのか愉しみ。
      キャシー・マロリーが、どう落ち着くのか愉しみ。
      2012/08/27
    • sanaさん
      nyancomaruさん、
      キャシー・マロリー、いろいろな面を見せてくれますよ!
      浮浪児時代が前よりもわかると同時に、頑なな幼さを核に抱...
      nyancomaruさん、
      キャシー・マロリー、いろいろな面を見せてくれますよ!
      浮浪児時代が前よりもわかると同時に、頑なな幼さを核に抱いたまま、それなりには成長しているのも…♪
      2012/08/27
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「それなりには成長しているのも…♪ 」
      おー
      「マロリーは…拒絶されそうだから」
      それは、ありますね。
      「それなりには成長しているのも…♪ 」
      おー
      「マロリーは…拒絶されそうだから」
      それは、ありますね。
      2012/08/29
  • マロリーと会うのは何年ぶりだろうか。最初に読んだのは竹書房文庫の『マロリーの神託(Mallory's Oracle)』というタイトルだった。後に『氷の天使』というタイトルで創元推理文庫から再刊されたのだから、ややこしい。『吊るされた女』の原題も〝CRIME SCHOOL〟(犯罪学校)、こちらの方がしっくり来るかな。

    連続殺人事件を通して、マロリーの過去を抉る。ミステリーというよりもマロリーの謎の一部分に迫るマニアック的な作品のようだ。シリーズ最初の作品から読まないと面白さが分からないと思う。

    それにしても、第一作から第六作が刊行されるまで時間空き過ぎだ。

    • まーうーさん
      こちらこそ有難う御座います。
      最近ずっとかぶっていたので気になってました(笑)今はこれ読んでます。
      岩手に祖母がいるので、そんな縁もある...
      こちらこそ有難う御座います。
      最近ずっとかぶっていたので気になってました(笑)今はこれ読んでます。
      岩手に祖母がいるので、そんな縁もあるのかなと思いフォローさせて頂きました。
      10,000冊とかすごいですよね!このペースやと60歳になっても4,000冊もいけないです..頑張ります。
      宜しくお願い致します。
      2012/07/06
  • キャシー・マロリー・シリーズ 第6作目
    (ミステリー史上もっともクールなヒロインです)

  • シリーズ6作目ということなので状況説明があまりないからかもしれないが、著者の主人公賛美的描写が鼻につくので読み続けるのが辛い(1-5作目を読んだら見解が変わるかもですがファンの方はすみません)

    例えばあらすじにある『(主人公マロリー刑事は)完璧な美貌の天才的ハッカー』→ハッカー描写はない。ネット検索が早いのかなーという感じ。『他人に感情を見せることのない氷の天使』→イライラしたり物に当たったり嫌味を言ったりします。『ミステリー史上最もクールなヒロインが、連続殺人鬼に挑む』→相棒のライカー刑事やチャールズの方がよっぽどクール。何かマロリーは余裕がなさそうで女性扱いされると嫌がる割には格好も行動も女性的でイヤ。ホミサイドのハワード刑事の方がクールでかっこいい。

    その翌日読了した『ゆがんだ正義感で他人を支配しようとする人』に出てきた「危険な隣人」カテゴリの「サイコパス」タイプがマロリーぽくて笑った。

    頭が切れ仕事ができるが共感性はゼロ、仕事ができない人、理屈に合わないことを嫌う。レベルの低い質問をすると「こいつバカ?」と上から目線。相手がダメージを受けそうな攻撃を冷静に考えた上で巧妙に仕掛けてくる。完全に一致である。

    この本では基本的に『「危険な隣人」には関わるないのが1番。その時間がもったいない』というスタンスの上で、職場や近所にいて関わらざるを得ない場合の対策など書かれているので、重大犯罪課の皆さんにはぜひ読んでほしい。

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