飛蝗の農場【新装版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488235109

作品紹介・あらすじ

【ベスト1ミステリ・セレクション】ヨークシャーの荒れ野で農場を営むキャロルのもとに、奇妙な男が転がりこむ。不運な経緯から彼女は男に怪我を負わせ、回復までの宿を提供することにしたのだが、意識を取り戻した男は、過去の記憶がまるでないと言う。幻惑的な冒頭から忘れがたい結末まで、圧倒的な筆力で紡がれる悪夢と戦慄の謎物語。ミステリランキング1位に輝いた驚嘆のデビュー長編!

感想・レビュー・書評

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  • 大変に重厚な作品で、点でしかなかったものが線になり、全体像が見えてきてうほっ、となったものの、終盤明らかになるメインの仕掛けが個人的には興醒めする種類のものだったし、ラストが微妙な匂わせになっていたので、総合的には悪くはないけどなーという作品でした。
    文体とか雰囲気は好きだったのですがミステリーなのかサスペンスなのかどっちかに振り切ってほしかった感じです。モロ個人の感想ですが笑。

  • 謎の人物が名を変え環境を変えさすらっていく様を、一段階ずつ時系列を遡ってカットバックしていく構成はなかなか面白かった。
    が、肝心のプロットは、本来ここから期待に応えていってくれるだろうという後半から怪しくなっていき、ミスリードとしての位置付けではあるが○○○○の疑いが出てきたり、果ては言うに事欠いて○○だと…?
    そもそも主人公のキャラクターが不安定、思慮が浅く読者の共感を呼ぶとは言い難い上に、犯行のモティヴェーションや逃亡の背景に厚みと説得力を加える描写が皆無に等しいので、没入感も得られない。
    終盤のどんぱちも、凡庸なエンタメの文法をなぞって取って付けたかのようなB級アクションだし、ラストシーンの意味も意義もまったく分からない…と、気付けば悪罵ばかりが迸ってしまい申し訳ない限り、これぐらいに。

    英国小説なので精緻に組み上げられたミステリーを期待していたが、残念だ。

  • 訳者や解説でも書かれているが、何だこれ?って感じるのはラストのせいかも。
    ひさびさに再読したが、内容はきれいさっぱり忘れてた。これもひさびさのサイコものだったけど、犯罪者の異常さよりも被害者?の不安定さに、読む方も影響される。時間の流れも前後するし、主要人物が複数の名を使うので初めは何が何だか分からない。主要な登場人物じゃなくてもみんなどこかしらおかしくて、誰も信用できない。
    真実が徐々に明らかになる後半でようやくそういうことか!と思えるけど、そもそも犯人?がここまでする動機がよく分からないし、どうしてそこまでできたのか理由が何も書かれない。せっかくこんな凝った構成にしたのなら、最後はもう少しスッキリさせて欲しかった。

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