野兎を悼む春 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488245078

作品紹介・あらすじ

シェトランド署のサンディ刑事は、帰省したウォルセイ島で、祖母ミマの遺体の第一発見者となってしまう。ウサギを狙った銃に誤射されたように見えるその死に、漠然とした疑惑を抱いた上司のペレス警部はサンディとふたりで、彼の親族や近くで遺跡を発掘中の学生らに接触し、事情を探ることに……濃密な人間関係を有する小さな島で起きた死亡事件の真相は? 現代英国ミステリの珠玉〈シェトランド四重奏〉第三章。解説=三橋曉

感想・レビュー・書評

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  • 今回はペレス警部の部下サンディの成長ぶりが面白かった。ウォルセイ島に帰省したサンディが事件に遭遇、捜査に奮闘する。家族や親類という人間関係から逃れられない狭い世界が陰鬱な事件を招く。フランへの想いを馳せるペレスかわいい。

    • fukayanegiさん
      111108さん、おはようございます。

      着々と進んでいますね!
      自分は3作目は遠い昔に読んだきり、再読しないままフィナーレに向かってしまい...
      111108さん、おはようございます。

      着々と進んでいますね!
      自分は3作目は遠い昔に読んだきり、再読しないままフィナーレに向かってしまいましたが、これはサンディの事件だったのですね!
      完全に忘れてました。

      今思えばシェトランド四重奏ってサンディの成長譚でもあるなぁと感じるところがあるので、再読しとけばよかった。。。

      ペレスがかわいいw
      2023/09/03
    • 111108さん
      fukayanegiさん、おはようございます。
      コメントありがとうございます♪

      前の二巻まではサンディはダメな部下でモブキャラだとw思って...
      fukayanegiさん、おはようございます。
      コメントありがとうございます♪

      前の二巻まではサンディはダメな部下でモブキャラだとw思ってたので、今回の展開にはびっくりしました。はじめてのおつかいの場面ではすっかりサンディ応援側になって読んでましたよ!

      どなたかのレビューで、このシリーズの心の声が面白いって書かれてたんですが、あの字体を変えてある部分を私も本当に楽しんでます。今回フランがロンドンに帰省してて離れてる中、「こんな事言うとフランに笑われそう」とか「重く思われるんじゃないか」とか捜査の合間にめちゃ悩むペレス乙女なんですw
      2023/09/03
  • シリーズ3作目。
    これまでで一番おもしろかった。
    今回の主役はなんと言ってもペレスの部下、サンディだ。

    上司であるペレスの評価は毎回かなり低めで、
    けっこう辛辣な言われようをされてきた、この頼りなげな青年。
    その彼が生まれ故郷で起きた連続殺人事件の目撃者となり、被害者のうちひとりは彼の祖母だった。

    これまでの印象は、ちょっといい加減で適当で、いいところなしな感じだったのが、今作では心優しく気遣いができ、家族思いで、ちょっとうぶな所もかわいくて、
    一人きりでの出張シーンではまるで彼の母親にでもなってしまったかのように心配してしまった。

    また、他のキャラクターも魅力的に描かれていて、
    特に被害者となってしまったふたり、
    自由奔放で快活な祖母や、その祖母と心を通わせる大学院生のハティもとても気になる存在だった。
    登場したそれぞれの家族の人間模様もおもしろく描かれており、結末に驚きはそれほど感じられなかったものの、全体的としてはとても良かった。

    いよいよラストの次巻も楽しみ。

    • ちぃさん
      今回でサンディ株がググッと上がりました。島時間も心地良く、ようやく慣れてきたところなんですが、次回、きっと何かすごいことが起こるんでしょうね...
      今回でサンディ株がググッと上がりました。島時間も心地良く、ようやく慣れてきたところなんですが、次回、きっと何かすごいことが起こるんでしょうね。何も知らない状態で臨みたいと思います!
      2023/12/16
    • 111108さん
      そうそう!みんなのレビューも見ないか、薄目で切り抜けて読んで下さい!
      そうそう!みんなのレビューも見ないか、薄目で切り抜けて読んで下さい!
      2023/12/16
    • ちぃさん
      はい!そうさせていただきます。
      第4作目のみなさんのレビュー、気になってしまって、時々開いてみるものの、ああ、いかんいかん…と閉じて…を繰り...
      はい!そうさせていただきます。
      第4作目のみなさんのレビュー、気になってしまって、時々開いてみるものの、ああ、いかんいかん…と閉じて…を繰り返してます。
      2023/12/17
  • シェトランドシリーズ第3巻。
    じわじわと、このシリーズの良さ、アン・クリーヴスの良さがわかるようになってきている、気がする。

    今回は春。
    いつものシェトランド本島ではなく、ペレス刑事の部下のサンディ刑事の故郷、ウォルセイ島が舞台。
    シェトランド本島よりさらに閉塞感が強いウォルセイ島でサンディが祖母の死体を発見する。サンディの従兄弟がウサギ狩りをしていて、誤って殺してしまったらしいが。。。

    終盤まで、この事件が事故なのか、殺人なのか、そこすらわからないまま進む。はっきり言って、非常に地味な話。ただ、相変わらずのペレス刑事の手堅い捜査が面白い。ゆっくりではあるが一歩ずつ、確実に真相に迫る。この辺りはシリーズを追うごとに面白くなってきている。

    次作でとりあえず第一部完らしい。楽しみ。

  • 終わってみれば犯人自体は至ってシンプル、動機はやや強引さを感じるもので新しさやすっきり感は少ないのだが、事件解決に至るまでの人間模様の描き方が秀逸。

    特に複数視点で語られていく物語の中で、微妙に広い空白の時間を忍ばせながらのカット割がくせになる。最初は唐突に場面転換するので、違和感を感じたが、慣れてくるととても技量を感じさせる味のある書き方だと思った。

    期待以上におもしろかった。

  • シェトランド島、ペレス警部シリーズ3作目。
    あらすじ
     ペレス警部の部下、サンディは別の島の出身。今、祖母の家の敷地で発掘調査が行われいる。祖母は派手で、今も昔も島の噂のたね。しかし、調査にきた女子学生とは気が合う。あるとき、害獣のウサギと間違えて、祖母が猟銃で撃たれた。ペレスはその話を聞いて疑問を持つ。さらに、女子大生は敷地内の穴で自殺した。両方に関連があるらしい。

     落ち着いた雰囲気の作品。小さな島で、第二次大戦からの歴史や、一族間の因縁が関係している。ドロドロしすぎないのは、島出身だけど、別のところで働いているサンディの視線が多いところや、事件捜査してるのに、夢見がち?なペレスがいるからかな。今回はほんのちょっと成長したサンディが主役だな。楽しかった。

  • シェトランド四部作の三作目。今回フランはロンドンヘ行っていてほとんど出てこない。テイラーも出番なし。代わりに出ずっぱりなのがサンディ。前作までは幼稚で浅はかなお荷物くんという描かれ方でしたが、今回故郷の島で祖母の死んでいるのを発見し、事件の当事者関係者がみな自分の近親者であるというむつかしい立場に身を置くことになり、ペレスだったらどうふるまうだろうかと想像しながら対応しているうちに身の処し方がわかってきて、ペレスをして「新しいサンディ」と言わしめる成長を見せます。一度も島を出たことがないが個性的で発展的だったサンディの祖母ミマと、ミマの敷地で遺跡の発掘作業をしていた内向的な本土の学生ハティの二人の女性の対比が印象的。人間ドラマが相変わらず読み応えがありましたが今回謎解きはやや後味が良くなくて残念でした。

  • ペレス警部シリーズも三作目。ペレスとの付き合いも深まってきました。
    今回は前半かなりゆっくりじっくり進むので、最後の加速が印象的。
    ところで、このシリーズの心の声が好きなんです。みんな、なかなか辛辣で、ニヤリとするところも。
    シェトランドへ行ってみたい。

  • 構成や描写が巧みで、早々に物語の世界に引き込まれた。
    登場人物が魅力的なだけに犠牲になってしまったのが辛くなったり、サンディの成長が嬉しかったり、最後の展開におお!と思った後になんとなく嫌な予感がしたり…
    犯人は最後まで分からず、予想外の展開に驚きました。

  • いくつもの家族の因縁がからまって、今にいたる。
    じっくりじっくり読みました。このシリーズ、なんとも言えない、惹き付けられる感じがあります。あと1冊かぁ。

    サンディの成長ぶりがいちじるしい!

  • シェトランド署のサンディ刑事は、帰省したウォルセイ島で、祖母ミマの遺体の第一発見者となってしまう・・・。ウサギを狙った銃に誤射されたように見えるその死に、漠然とした疑惑を抱いたペレス警部はサンディ刑事と共に彼の親族や近くで遺跡を発掘中の学生らに接触し、事情を探りだす。果たして小さな島で起きた死亡事件にはどんな真相が隠されているのか?本当にウサギを狙った銃に誤射されたのか?それともそれはカモフラージュで大きな闇が隠されているのか?


    現代英国ミステリー珠玉「シェトランド四重奏」第三弾!とのことですが、私は初めてこの作品を読みました。読んだのは第三弾ですけど、これだけでも十分面白いです。


    私は英国ミステリーの雰囲気が何故か好きなんですが、この「野兎を慎む春」にも英国風を強く感じました。また展開もミステリーらしい展開の仕方なので、推理系やミステリー系が好きな人には是非お勧めしたいですね!


    個人的に魅力はやはりサンディとべレスの捜査でしょうか。ミステリーでは捜査は一番大事な点だと思いますし、捜査の部分がぴんとこなかったら作品の魅力が減るとも思います。ですがこの作品における捜査とそれを行う刑事は非常に読者をひきつけます。


    この第三弾を読んで前2作も読んでみようと思わせる作品でした。

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