メインテーマは殺人 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488265090

感想・レビュー・書評

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  • 端正な本格推理小説。前作に続き盛り込まれた業界ネタも楽しい。探偵役がざっくばらんで魅力的なんだけど、ラストはどう解釈すれば良いか? 次作に期待したい。

  • 〈惚れ惚れとするフェアプレイ〉この解説の最初の一文の通り、推理小説としてはかなりよく出来ていて面白かったと思う。
    ただ最大の特徴である「作者自身が語り手」という部分に関しては、ホロヴィッツという作家にさほど馴染みがないため面白くもなく、事件以外のエピソードは冗長に感じてしまった。

  • 「シャーロック・ホームズ」をオマージュしたと思われる、変わり者の探偵と平凡人の助手が事件を解決するという形式。
    さすがに「君はアフガニスタン帰りか」とは言わないが、それに近い推理力を発揮する。助手が物語を述べるという形もシャーロック・とホームズ同じ。
    作者ホロヴィッツは、ホームズ協会も認めた「絹の家」(この作品のことも作中には出てくる)を書いているから、それも踏まえた作品だと思う。

  • 正統、フェア、上手いーミステリー。
    前作のクラシカルで重厚な感じは無いが、
    章が進むにつれて事実が明らかになってくるところが見事。

  • 作家と元刑事の探偵がコンビを組んで連続殺人を解決していく、さらに最終的にはその過程を作家が本として出版するという設定が面白かった。
    解決していく過程で日本とは違う環境ならではの展開など、昔はそれも楽しく読めたが今は分かりやすい方(日本)が…とちょっと思った。

  • 作家のホロヴィッツが元刑事ホーソーンと一緒に殺人事件を調査し、それを本にまとめるというワトソンポジション。
    ホーソーンは癖が強いしイラッとさせられることもあるけど、このくらいキャラの立つ登場人物が必要不可欠だと思う。
    巻末の解説によると、10作か11作を予定しているシリーズとのことなので、これからどうなっていくのかも楽しみ。

    カササギ、ヨルガオ殺人事件のシリーズよりこっちの方が好きです。

  • カササギ殺人事件では、作中作でびっくりさせてくれたが、今回はホロビッツ自身がワトソン役で登場した。
    著者自身の名前の探偵はよくあるが、この本では、現実に存在する様々な小説、映画、テレビの作品名、人名が出てきて、現実の話かと錯覚させられた。
    本作では、ある交通事故が殺人の原因かと興味を引き付けておいて、実は全く別の事だったという展開がうまいなぁと感心した。

    ただ、探偵役のホーソーンのキャラはどうなのだろう?最初から最後まで、マイペースで秘密主義で本当に可愛げがない!エンディングでは、少し人間的な面を垣間見て、少しは良いところもあるなとは思わせてくれるが。
    このホームズにはとてもではないが、感情移入できなかった。
    次回作でも、同じコンビで登場するようなので、その印象がどう変わっていくのか楽しみではある。

  • 作家のホロヴィッツはドラマ制作で知り合った元刑事ホーソーンに自分を主人公に本を執筆してほしいと依頼される。
    最初は断ったホロヴィッツだが、老婦人の殺人事件の不可解さに次第にのめり込んでいく

    ○面白かった。ホームズ譚にならっているが、クリスティタイプのミステリー。
    ○ホーソーンはそんなに目立ちたいタイプに見えないのに、なんで自分主人公で本を書かせようとしたのかが不思議。生活費かな??
    ○いろんな作家や映画、ドラマ、俳優へのコメントが面白い

  • 物語の語り手は、著者アンソニー・ホロヴィッツ本人。
    途中でスピルバーグとピーター・ジャクソンが登場したり、ケネス・ブラナーの名前が出てきたり、そして刑事フォイルの話!
    登場人物の一人は、あのパイレーツ・オブ・カリビアンでオーランド・ブルームと役を争ったという。
    一体どこからどこまでが本当なの?この事件は実話?

    でもそんなことは気にしないことにする。
    だって、とても奇妙なタイミングの殺人事件が起きてしまうのだから。

    有名な俳優を息子に持つダイアナ・クーパーは、ある日自分の葬儀の手配を依頼しに『コーンウォリス&サンズ』という葬儀社を訪れた。そして彼女は用事を済ませ、家に着いた30分後に何者かに殺された。
    そんな偶然ってあるのだろうか。もちろん偶然ではないのだろう。
    事件を解決するのは元刑事のホーソーン。彼からこの奇妙な事件を本にしてみないかと誘われたホロヴィッツは、事件解決のため捜査に同行する。
    二人の掛け合いがいい。ホロヴィッツは極めて常識的な良い人間であるのに対して、ホーソーンは自分のことを一切語らず、謎が多い人物だ。何を考えているのかよく分からず、ホロヴィッツは常に彼に振り回され、苛々している。
    でもそのうちに気が付き始めるのだ。ホーソーンの本当の姿に。

    事件の奇抜さもさることながら、同時にこの二人のコンビの関係性の面白さがこの物語の魅力だと思う。『カササギ殺人事件』ももちろん文句なしの素晴らしさだし、読みごたえという点では勝るのかもしれないけど、個人的にはこっちのほうが好きかもしれない。

    装丁も好み。
    Will Staehleという人によるものらしい。


  • 主人公、作家ことアンソニー・ホロヴィッツは元刑事のホーソーンから、自分の葬儀を手配した老婦人がその日のうちに殺されたという奇妙な事件について本を書かないかと持ちかけられる。
    無愛想で型破りだが、鋭い推理力を持つホーソーンと行動を共にする………

    まさにシャーロックホームズとワトソンの関係!
    しかもアンソニー・ホロヴィッツは現実世界でも人気の作家さん。そのため、自分が手がけた作品について情報過多とも感じる説明が入ります笑

    物語の前半は多くの謎が残ったまま進みますが、後半から伏線を徐々に回収して鮮やかに全ての謎を解き明かしてくれます!
    心情や情景描写がとても上手なので、一度読んだからのめり込んでしまいます。
    翻訳もうまく読みやすいように言葉を紡いでるなという印象です。

    ややクセがありますが、慣れればすごく面白い!
    続編も読みたいと思います!

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著者プロフィール

Anthony Horowitz
イギリスの作家。1979年、冒険小説『Enter Frederick K. Bower』でデビューし、YA(ヤングアダルト)作品「女王陛下の少年スパイ!アレックス」シリーズ(集英社)がベストセラーとなる。ドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の「シャーロック・ホームズ」シリーズの新作『シャーロック・ホームズ 絹の家』(KADOKAWA)なども手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』は、日本でも「このミステリーがすごい!」「本屋大賞〈翻訳小説部門〉」の1位に選ばれるなど、史上初の7冠に輝く。続く『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『ヨルガオ殺人事件』(以上、東京創元社)も主要ミステリランキングで首位を取り、4年連続制覇を達成した。


「2022年 『ホロヴィッツ ホラー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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