正義の裁き 上 (創元推理文庫 M ケ 1-11)

  • 東京創元社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488282110

感想・レビュー・書評

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  • デッカー&リナのシリーズ、8作目。
    ここから上下分冊になっています。
    なるほどのボリューム、筆も乗ってます☆

    再婚したリナとの間に幼い娘も生まれ、和やかに暮らしているピーター・デッカー。
    前妻との間の娘がニューヨークで大学生になっていて、近辺でレイプ事件が起きているのが一番の心配事だ。ニューヨークへ行って事件を解決しちゃいそうな勢いだけど、さすがにそこまでは‥

    ホテルの一室で若い娘が発見され、プロム(高校の卒業パーティ)の夜に羽目をはずしたらしいとわかってくる。
    高校生仲間は嘘をついたり、親がかばったり。
    交際相手だったらしい少年クリスは美形で才能もあるが、まったく物に動じないのが異様なほど。

    複雑な背景を持つクリスと、生真面目な少女テレサとの高校生活もたっぷり描かれていて、青春物が一本入っているよう。
    これまでの作品とは一味違う魅力があります。
    若い二人が思いつめていく世界の深みに引き込まれるようでした。

  • ピーター・デッカー&リナ・ラザラス・シリーズ第8作。

    高校の卒業パーティの夜に女生徒が殺された。捜査線上に浮かんだのは、被害者と付き合いのあった美少年クリス。はたして彼は犯人なのか、そしてその正体とは?

    いままでの作風とは異なり、若者たちの恋愛が露骨に描かれているのが気になった。しかし、サスペンス要素あふれるストーリー展開は秀逸で、薄気味悪い雰囲気がうまく表現されている。ピーターの相棒マージが休暇中という設定のために、登場しないのが寂しい。

  • リナ&デッカーシリーズ8作目!相変らず面白い。違う世界の二人が惹かれあう、という主人公達とはまた別のパターンがクリス&テレサかな。テレサの今後はどうなるのか。次作とかで出てきてほしい。シンディもな!

  •  リナ&デッカー シリーズ。

     高校の卒業パーティの夜、その女の子はベッドで縛られ殺された…。

     リナは、子育てに忙しくて、ほとんど活躍しません。
     デッカーが、おとーさんとして色々苦悩してますww

     導入が、デッカーの先妻の間の娘、彼女が通う大学で連続レイプ事件が起こっている、っていうので、それに悶々とするデッカーが描かれていて、おいおい、ニューヨークまでいって捜査するつもりなのか? とどうなってるんだよぉと思わせられます。

     と、女の子が、一人の魅力的な同級生にひかれている様子が、綿々とつづられてます。

     この一見ばらばらなものが、最後にきちんと集約する。
     と、えーーーー、そうなるんですかぁ、と驚愕の結末。

     やっぱ、上手いです、フェイ。
     なんつーか、心の襞ってもんがすごいわかってる作家だと思う。

     冒頭の娘を心配しているデッカー、っていうのは、最後になっても直接結びつく伏線ではないのだけど、ある意味、とても象徴的なのだ。
     うん、読んでしばらくして、胸にずしんとくる感じ。

     派手さはないけど、とても印象的な1作です。

  • リナ&デッカーシリーズ。シリーズ最初のころは、リナの属する敬虔なユダヤ人コミュニティの話がすごく興味深かったんだけど、今回はそういうのはまったく出てこなくて、リナの出番もほとんどなく、独立したミステリとして読めそう。驚くほど、ものすごーくサスペンスフルで、おもしろかった。事件の主役となる高校生の男の子のことがだんだんわかってくるのがすごくスリリングで、上巻は一気読み。でも、だんだんショッキングなことがわかってきて、描写もどんどんハードになっていって、下巻に入るとなんだか読むのがつらく……。結末もすっきりはせず、読後感もあまりよくなかった。でも、とにかくページターナーで、どきどきする読書がひさびさに楽しめた。……しかし、だんだんもうハードなミステリは読むのが苦しくなってきたなー、と実感。コージーなものしか読めなくなってきた……。

  • デッカー刑事第八弾。

    ニューヨークの大学に通う娘の周囲で犯罪が続き、
    心配するデッカー刑事。

    しかし、娘を訪問はしたものの、
    地元のプロムクイーンが殺された事件を捜査することに。
    事件前からのティーンエイジャーの恋愛要素が多くて、
    ちょっと辟易する。

    (下巻へ)

  •  本当は、私は海外の小説が苦手なのです、実をいうと。

     理由は簡単。登場人物がカタカナだと、誰が誰だかいまいち覚えられない(笑)。それに、当然日本とは文化が違うので、イメージがしにくいというか、感情移入がしづらいところがあるのです。

     だから、物語の世界に入っていくのに時間がかかってしまうので、苦手、ということになっていました。

     でも、この本はいいですね。すっと、作品の世界に入っていけます。読みやすいというか、文章から映像が、ぱっと頭の中に浮かんでくる感じがします。もちろん、ミステリーとしての部分はイージーということではなく、次から次へと話が展開していきます。

     読み進めないと、一人称が誰なのかわからないような書き方も実にうまくて、あとからなるほどという場面も何度もありました。

     上巻では、嘘発見器すらパスしてしまうクールな男クリスが、テリーと出会い、恋に落ち、我を失うほど取り乱す場面が描かれています。そのことが、容疑者としての彼の立場を、より悪いものにしてしまいます。

     こう説明してしまうと、実に平凡なストーリーのように思えますが、それは私の文才がないからで、実際は、緊張感のある展開で、読み手を飽きさせません。

     刑事のデッカーは、他の容疑者の存在を疑いながらも、あまりにも状況証拠が揃いすぎているクリスを疑い、家宅捜索の中で追い詰めていきます。

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