サニーサイドエッグ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M お 7-1)
- 東京創元社 (2010年5月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488406110
感想・レビュー・書評
-
読了。
『ハードボイルド・エッグ』続編。
ハードボイルドの原点ともいわれるチャンドラーのキャラクター・私立探偵フィリップ・マーロウに憧れて、探偵になった主人公。しかし実際に入ってくる仕事のほとんどは、ペット捜索……。
マーロウ口調で話し、どんなに暑くても背広で決めて、敵を作ることを恐れず(あるいは恐れないふりをして)意地をはり、自分の正義を通そうとする。そんな主人公が、マーロウと違う決定的なぶぶんは、酒にも女にも喧嘩にも弱いということ。
美人で有能な助手がほしいと常々いっていたところ、知人から押し付けられたのは、アメリカがえりの十六歳、ド派手な格好をして、すぐ突飛な行動に出る、非常に口の悪い小娘だった。
主人公・最上俊平、情けないようで、すっごくカッコイイです。へたれ好きにはたまらない、おもわずにやにやしながら見守ってしまうようなキャラクターですが、決めるところでは決めてくれます。腕っ節は弱いのに、へたれなのに、足がぶるぶる震えているのに、女をかばう為になら、危険を承知でやくざの前に立ちふさがる。その女性が、自分のものにはならないとわかっているのに。
序盤のコメディシーンのインパクトは、前作を踏襲している形式の分、前作のときよりも薄かったですが、そのぶん中盤から、転がり落ちる石が勢いを増すように、面白くなっていきました。
荻原さんの描かれるちょっと情けない男の人(やオジサン)って、いつもすごく好きで、人の弱さがいとおしくなるような、そんな愛嬌があります。
おもしろかった!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2010年、やっと30冊目。
先日読んだ、「ハードボイルドエッグ」の続編です。
「ベタなハードボイルド風」という語り口にも慣れてきた
ような気がします……こういう回りくどい文章、私は
けっこう好きです。ペット探しのシーンも面白いです。
今回は、前作に輪をかけて、読み出したら止まらない
カンジになりました。続きがあったらまた読みたいなぁ~。 -
ハードボイルドエッグに続き、楽しく読めました。
ペット殺しの犯人、私も最上さんと同じ人物を想像してました・・・
違ってよかった。笑 -
<poka>
単純に楽しめました。
さすが荻原さん。
<だいこんまる>
おもしろかったぁ。
さすが最上さん。 -
面白かったこのシリーズすき!!
-
ハードボイルドエッグの続編。
もうもう鉄板。設定だけで十分食える。まあこれ更なるシリーズ化が続くのは厳しいと思うけど。
解説の言うとおり、最上俊平はかっこいい。 -
私立探偵の秘書にはやっぱり婆さんじゃなく「ブロンド髪で青い目の美人」じゃなくちゃ。
-
『ハードボイルド・エッグ』の続編です。待ってました! ハードボイルド小説を愛し、フィリップ・マーロウを我が心のヒーローとする人間にはたまらない小説です。読む所々で主人公・最上俊平の台詞にニヤリとさせられ、荻原氏との感性の共属意識にニンマリします。丁度、主人公・最上俊平とバー「J」のマスターとの会話で、あるいは県警一課の須藤刑事との会話の中でチャンドラーを引用し、お互いの波長が共鳴するように。もちろん本書の主人公が依頼されるのは猫探しであり、フィリップ・マーロウが殺人事件を解決するように渋くは無い。しかし、事件の解決にあたって安きに流されることなく、他に迎合せず、ここ一番でやせ我慢する主人公・最上俊平の生き様は、たとえそれが周りの者には滑稽に写っていたとしても、切ないほどにハードボイルドしている。
-
ハードボイルドエッグの続編ってことで購入。
最上俊平のキャラが大好きだからそこは満足!
でもストーリーは、、、
やっぱり何だか最終的にしっくり来ないんだけど、
まぁいっか〜って思っちゃう。
最上俊平のキャラだけ生かして、
ドラマとか映画とか出来たら面白いのになぁ。
大泉洋とか長瀬智也のイメージ?? -
前作「ハードボイルドエッグ」に比べて格段に面白い!相変わらずのダメっぷりに加えて超ぶっ飛んだ助手まで登場して、面白さ格別です