サニーサイドエッグ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M お 7-1)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488406110

感想・レビュー・書評

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  •  読了。

    『ハードボイルド・エッグ』続編。
     ハードボイルドの原点ともいわれるチャンドラーのキャラクター・私立探偵フィリップ・マーロウに憧れて、探偵になった主人公。しかし実際に入ってくる仕事のほとんどは、ペット捜索……。
     マーロウ口調で話し、どんなに暑くても背広で決めて、敵を作ることを恐れず(あるいは恐れないふりをして)意地をはり、自分の正義を通そうとする。そんな主人公が、マーロウと違う決定的なぶぶんは、酒にも女にも喧嘩にも弱いということ。
     美人で有能な助手がほしいと常々いっていたところ、知人から押し付けられたのは、アメリカがえりの十六歳、ド派手な格好をして、すぐ突飛な行動に出る、非常に口の悪い小娘だった。

     主人公・最上俊平、情けないようで、すっごくカッコイイです。へたれ好きにはたまらない、おもわずにやにやしながら見守ってしまうようなキャラクターですが、決めるところでは決めてくれます。腕っ節は弱いのに、へたれなのに、足がぶるぶる震えているのに、女をかばう為になら、危険を承知でやくざの前に立ちふさがる。その女性が、自分のものにはならないとわかっているのに。

     序盤のコメディシーンのインパクトは、前作を踏襲している形式の分、前作のときよりも薄かったですが、そのぶん中盤から、転がり落ちる石が勢いを増すように、面白くなっていきました。
     荻原さんの描かれるちょっと情けない男の人(やオジサン)って、いつもすごく好きで、人の弱さがいとおしくなるような、そんな愛嬌があります。
     おもしろかった!

  • 2010年、やっと30冊目。
    先日読んだ、「ハードボイルドエッグ」の続編です。
    「ベタなハードボイルド風」という語り口にも慣れてきた
    ような気がします……こういう回りくどい文章、私は
    けっこう好きです。ペット探しのシーンも面白いです。
    今回は、前作に輪をかけて、読み出したら止まらない
    カンジになりました。続きがあったらまた読みたいなぁ~。

  • ハードボイルドエッグに続き、楽しく読めました。
    ペット殺しの犯人、私も最上さんと同じ人物を想像してました・・・
    違ってよかった。笑

  • <poka>
    単純に楽しめました。
    さすが荻原さん。

    <だいこんまる>
    おもしろかったぁ。
    さすが最上さん。

  • 面白かったこのシリーズすき!!

  • ハードボイルドエッグの続編。
    もうもう鉄板。設定だけで十分食える。まあこれ更なるシリーズ化が続くのは厳しいと思うけど。
    解説の言うとおり、最上俊平はかっこいい。

  • 私立探偵の秘書にはやっぱり婆さんじゃなく「ブロンド髪で青い目の美人」じゃなくちゃ。

  • 『ハードボイルド・エッグ』の続編です。待ってました! ハードボイルド小説を愛し、フィリップ・マーロウを我が心のヒーローとする人間にはたまらない小説です。読む所々で主人公・最上俊平の台詞にニヤリとさせられ、荻原氏との感性の共属意識にニンマリします。丁度、主人公・最上俊平とバー「J」のマスターとの会話で、あるいは県警一課の須藤刑事との会話の中でチャンドラーを引用し、お互いの波長が共鳴するように。もちろん本書の主人公が依頼されるのは猫探しであり、フィリップ・マーロウが殺人事件を解決するように渋くは無い。しかし、事件の解決にあたって安きに流されることなく、他に迎合せず、ここ一番でやせ我慢する主人公・最上俊平の生き様は、たとえそれが周りの者には滑稽に写っていたとしても、切ないほどにハードボイルドしている。

  • ハードボイルドエッグの続編ってことで購入。
    最上俊平のキャラが大好きだからそこは満足!
    でもストーリーは、、、
    やっぱり何だか最終的にしっくり来ないんだけど、
    まぁいっか〜って思っちゃう。

    最上俊平のキャラだけ生かして、
    ドラマとか映画とか出来たら面白いのになぁ。
    大泉洋とか長瀬智也のイメージ??

  • 前作「ハードボイルドエッグ」に比べて格段に面白い!相変わらずのダメっぷりに加えて超ぶっ飛んだ助手まで登場して、面白さ格別です

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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