- Amazon.co.jp ・本 (1182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488415044
感想・レビュー・書評
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矢吹駆シリーズ四作目。
今のところシリーズの中で一番好きです。駆の出自がほんの少しですが垣間見えてよかったと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
矢吹駆シリーズは大好きですがナチ物でした(二重に好みだな)
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駆シリーズ第4弾、長いけど、アドレナリン(文庫では1,100頁を超える)
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未読
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高校時代に購入
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矢吹駆シリーズ。カケルとナディアはダッソー家の3重密室殺人の謎に挑むうちに、第2次世界大戦ユダヤ人収容所で起こった3重密室殺人の謎にぶち当たります。ページ数は確かに多いですが、ぐいぐい読ませてくれる筆力は相変わらずです。カケルシリーズは必ず哲学と密接につながっています。今回はハイデッガー哲学への反論あり。でも哲学を知らない人でも大丈夫。ナディアが私たち一般読者の代表ですから。
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カケル&ナディアシリーズの第4作目。
この分厚さ(文庫本で1160ページ)は、30年前の事件を間に挟んでいたためだったのですね。
カケルやナディアたちが存在している「現在」で起きた密室殺人と、30年前、第二次世界大戦中にコフカ収容所で起きた密室殺人。
いままでのシリーズ作品同様、事件を解決してゆく推理小説というよりも、それを取り巻く人たちの人生、密室の謎を解いていく際に吐露される、それぞれの生死の捕らえ方、哲学論がこの作品の中心にあるように思います。
間に挟まれている30年前の収容所での出来事。
戦時中の、しかもユダヤ人虐殺に関する描写であるため、読んでいてツライ部分も多く、一体どこで「現在」の密室につながってくるのかと、その部分を読み始めた頃は斜め読みしていたのですが、次第にその雰囲気に心を捕らえられてしまいました。
吹雪の中、重々しい影を背負ったコフカ収容所、コンプレックスばかりでその身を包んだ、御山の大将・フーデンブルグ所長の哀しい虚勢。
彼とは対照的な、美しい外見と名誉を持ったヴェルナー少佐が訪ねてきて・・・。
ユダヤ人虐殺や、収容所で過ごした過去を持つ人たちの苦悩について、読み進めながら私もいろいろ考えさせられました。
人の生死に関する哲学的な議論も興味深かった。
そして事件の舞台となる30年前のコフカ収容所にせよ、現在のダッソー邸にせよ、そこの寒さや匂いを感じさせて、まるでその場所にいるように感じさせる筆者の描写力に、改めて圧倒されました。
次はついに、シリーズ最後の作品(現時点では。)。期待大です。 -
まず、本作品の長さに尻ごみしてしまいますね〜。今までのように哲学的なことがず〜っと書かれているんじゃないだろうか・・・と懸念して読み始めました。が、事件もこれこそ本格推理!っていう感じで、ちょっと違う感じがします。なので厚さはあまり気にならずにいましたが、どこも見逃しちゃいけないと身構えた為に読み終えるまで時間が掛りました。おまけにナチの戦犯のことやドイツ人哲学者(偽名をつかっていますが、あきらかにハイデカーのことだとわかります)などが出てきますから、余計に私には面白く読むことができました。前作までの三冊が三部作とされていますが、本作で「悪魔」的存在で駆のライバルが登場するのか?!とハラハラして読みました。もしかして対決するのかなぁ〜と期待していたんです。出てきたかどうかは内緒。笠井氏の今までの作品の中では1番読み易いですから、ゆっくり御読みくださいまし〜。