- Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488423117
作品紹介・あらすじ
ポチこと須川くんが一目惚れしたクラスメイトの女の子、不思議な雰囲気を纏う酉乃初は、凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』で腕を磨く彼女は、学内の謎を抜群のマジックテクニックを駆使して解いていく。それなのに、人間関係には臆病で心を閉ざしがち。須川くんは酉乃との距離を縮められるのか-。"ボーイ・ミーツ・ガール"ミステリの決定版。第19回鮎川哲也賞受賞作。
感想・レビュー・書評
-
酉野初シリーズ二作品の一作目。
ライトな日常ミステリー×学園恋愛モノという建付けで、まさにボーイミーツガールであった。探偵役のマジックを得意と女子高生の酉野初と、彼女を好きな主人公の須川くんの物語。
ミステリーとしての歯応えはそこまでではないものの男子高生の恋を描くという点では面白かった。酉野さんが好きという気持ちが精妙に書かれている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公がキモい(笑)
幽霊なんて怖くないんだから。ホントだよ。
みたいな行でオエッとなった(笑) -
ラブコメ要素多めだったけど、細かい伏線が散りばめられて最後に回収されるのが面白かった!
-
そう来たかーーー!っていうクライマックスはさすが!!どうしても翡翠ちゃんのイメージが強い作者さんだけれども、そのいしずえは既に固められていた。
舞台は埼玉県の私立共学。
はっきり言おう。
埼玉県の公立女子高出身の私からすると母校の女子生徒をすべて敵に回すかのような甘酸っぱい青春ストーリーである。こんな感じでデートしたいなー(埼玉の高校生ver)を見事に演出してくれてるくっっっっっそ!!!
というのは置いといて、やはりマジックを取り込んだミステリーというのは面白い。私はどう足掻いても見破れない。悪意を全面にぶつけられて胸がはりさけるシーンもあるが、それも乗り越えないといけないのだと思い知らされた。
所詮、他人。でも、手を差し伸べる行動は嘘偽りなんてないと思うんだ。表面のウソばかり見るのは、やっぱり浅ましい。 -
短編四篇からなる物語。マジック×謎。
個人的に主人公が途中まで苦手だった。好みが別れそう?
でも、やっぱり山場の文章力と勢いが凄くて惹き込まれました! -
ライトな小説のフリをして謎の立て方・解き方が
計算されたコージーミステリで、探偵役の女子高
生が不安定・不完全な精神なのに、マジシャンを
身にまとった途端、ロジカルに謎を紐解く(´・ω・`)
サンドリヨンがシンデレラだと知ったのは今です -
本格ミステリにマジックの要素を合わせた日常の謎。マジックは人を驚かせるエンタメであり、同じく驚かされるミステリととても面白くなる。一話ごとに提示される謎が面白い、そしてリアルな高校生の青春。最後に連作短編の、物語が一つに収斂する伏線回収も鮮やかだった。
-
初コメです。
最後にアレを首に付けてあげる場面は、なんか青春だなぁ〜恋愛だなぁ〜と胸キュンでした♪初コメです。
最後にアレを首に付けてあげる場面は、なんか青春だなぁ〜恋愛だなぁ〜と胸キュンでした♪2023/05/01
-
-
鮎川哲也賞を受賞した、相沢沙呼さんのデビュー作。
マジシャンである女子高生を探偵役に、彼女に恋する同級生の男の子を語り手に据えた、日曜の謎系ミステリの連作短編集です。
ミステリにマジックの要素を加える、そのアイデアが面白いですね。
前半に張り巡らせた伏線を、終盤で一気に回収するのは連作短編集の王道ですが、その手腕がとても鮮やかで、細かいところにも配慮されていると思います。
ただ、語り手である主人公の恋する気持ちは理解出来るのですが、何かにつけてヒロインに強要するような言動にはイライラすることが多々ありました。
語り口の軽さとは対照的に、謎の背後にあるものは重く、学校という狭い世界で生き抜くことの大変さをつい思い出してしまう、そんな一冊です。