ぬいぐるみ警部の帰還 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 280
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488438128

作品紹介・あらすじ

殺人現場にぽつんと遺されたぬいぐるみ、いったい何を語る? 美形の警部・音無美紀の密かな楽しみは、ぬいぐるみを愛でること。愛するぬいぐるみから優れた洞察力で、手がかりを発見する。そして、男勝りの言動の一方で音無にぞっこんの則竹女史、ミステリおたくの江角や若手の桂島など、個性派刑事が脇を固める、〈ぬいぐるみ警部〉シリーズ連作集第一弾。ファン待望の文庫化。著者あとがき=西澤保彦/解説=霞流一

感想・レビュー・書評

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  • ぬいぐるみをこよなく愛するキャリアの音無美紀警部(男、イケメン)だが、一応公にはなっていなくて、注意深い部下の桂島刑事だけが気付いている。その音無を密かに恋していろいろと脳内で妄想にふける則竹佐智枝主任も気づいていない。桂島刑事は則竹主任の気持ちにも気付いている。心の中ではいろいろあっても表面上は何事もない、このあたりの描き方が面白い。周りの人間がいいんだよね。どの事件でもぬいぐるみをきっかけにして、音無は鮮やかに事件を解決してしまう。音無警部が事件を解決したらディナーに誘おうと密かに賭けをしていた則竹主任はどうしたのかなあ。めでたく誘ったのか、それとも…。

  • ぬいぐるみ警部より、妄想女刑事さんやミステリオタク刑事さんの方がキャラが濃い。むしろ警部、さっさと事件解決してるのにサラッとしてます。

  • さすがトンデモミステリー!!
    ただ登場人物の性癖だけがトンデモであって、内容は王道!
    そこが面白い!
    イケメンなのにぬいぐるみが大好きとか、笑わせてもらいました。
    さすがにぶたぶたシリーズの解説を書かれて、モン・スイユのショコラを始めとしたコレクター!!(いまぶたぶたさんのモデルのショコラって手に入らないのよねぇ)

    面白くて、でもそれだけじゃないミステリー。読書の秋にぴったりです。

  • さらっと読めそうな文庫本をと、シュッとしたイラストが目を惹いたこちらを購入。

    「難事件に挑むイケメン警部+個性派刑事」
    「ぬいぐるみを偏愛する警部の華麗な推理」

    なんてベタに書かれたら、手にとってしまうじゃないですか。でもまあ西澤さんなのでそこまでキャラ小説みたいにはなってないだろうなあと。
    結果的には確かに登場人物それぞれが、個性的な特徴を擁してはいるものの、いまいちその個性が小説自体の本筋というか事件自体に必要性を持って絡んでいるかというと、そうでもないんじゃないかと…。
    本筋にいまいち絡まってこない故か、いまいちその個性すらも印象が薄く、この人がどういうキャラクターの人であったかがすぐには思い浮かべられない。主役の警部さえも「イケメン」で「ぬいぐるみ好き」なのはわかるけど、それ以外のところがどういう人物なのかよくわからず、いまいち感情移入ができない。

    サラリと読めるという点ではこのくらいが良いのかもしれないけれど、ちょうど同シリーズの2冊目単行本が出ていてこれも読むかというと、絶対読みたいというほどの吸引力が無く。

    散々なこと言っていますが、どちらかというとあざといまでにキャラクターのたったミステリに偏って読んでいるせいで、多少のインパクトじゃ物足りなくなっている自分に問題があるとは思うので、普通はこのくらいで良い気もしますが。
    あざとすぎると引くくせに、我ながらやっかいな好みで申し訳ない。

    でも短編とはいえ、事件解決のくだりはもう少し納得のいく流れが欲しい…けど短編にそこまで鮮やかな華を求めるものでもないのか。うーむ。

  • 元々が単発の予定だった短編作品から始まってるせいか、西澤作品にしては微妙に各キャラの立ち位置がフワフワしてます。警察側の登場人物全員が皆それなりに優秀なので、これだけ複数にキャラが存在してる必然性がない印象を受けちゃうのもそのせいか……。
    軽くさくっと読める短編集になってますので、気楽に読める1冊ということでw

  • 西澤保彦の探偵もの短編集。
    あとがきでは、10年前のノンシリーズ短編で使ったキャラクター、とされているが、その作品集は文庫化がつい先日で、特に感慨や違和感なく入れた。
    書き口はライトでユーモラスだが、ミステリとしての純度み完成度も高い。
    別にぬいぐるみ要らない、という点と、どうも犯人や被害者の心情が理解できないのが、難点といえば難点。
    「レイディ・イン・ブラック」がマイベスト。
    3+

  • Kindle版もあったのか。しまったー。
    続編が今月出ますが、単行本ですし、Kindle化するまで待とう。

    っと、この本自体は5編の短編集で気軽に楽しめます。

    なんか秋山、西澤 保彦のミステリーをいち推ししているなぁ、試しにどれか読んでやるか、、、とお思いの方がいらっしゃいましたら、新シリーズで短編かつ軽い話ばかりなのでご一読をお勧めします。

  • 主人公の音無警部ですが、ぬいぐるみ好きである必要性がないです。ぬいぐるみを見て過剰反応してるけど、ただそれだけ。上辺だけの設定でキャラの掘り下げ方が浅いです。推理も通り一遍で普通でした。

  • 主人公の音無警部を筆頭に、色んな個性もった登場人物が出て来るのに、イマイチ設定が生かし切れてない気がする

  • ぬいぐるみ警部シリーズの第1作。
    シリーズ自体は『赤い糸の呻き』にも『お弁当ぐるぐる』が収録されている。
    個性的な登場人物が事件の謎を解く短編集は著者の他シリーズでも見られる構成だが、本作の登場人物はややキャラが薄めで、他シリーズの登場人物が初登場時からはっきりと個々の特徴を持っていたのとは対照的。
    この先、シリーズが続くともう少し濃いキャラを持つようになるのだろうか……。
    収録作の中では『サイクル・キッズ・リターン』と『類似の伝言』が好みだった。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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