- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488441029
感想・レビュー・書評
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人がお勧めしていたのを見て、手に取ってみた。なので、この作者さんの作品は初めて読む。表題作の鳥少年は、自分的にぐっとくるものは少なかったけど、どの短編も最後にこうくるか~~ってひっくり返される感じがたまらなかった。女の人の情念とか快楽への欲求とかそういうものがひたひたと感じさせられるような…淡々と静かに進むストーリーだけど、それが逆にじわりと空恐ろしさを感じさせる。ただ、読んでる時人や時系列が混乱する事があって判りにくい事もあったなぁ。今度は皆川さんの長編を読んでみたい。
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なるほどこれが皆川博子か…濃い作品ってこういうもののことをいうのかなあ、と思った
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作品のイメージや空気を感覚的に掴みづらい文章で、始終もやもやした感じが取れません。それが読後に感じるうすら寒さと相まって何とも言えない不快感があります(誉めてます)
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不快に後を引く人間の生臭い情念を描かせるとぴかいち。
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16編収録。どれも淫らだ、最近の皆川作品にはない臭気がある。女の深い情念を扱った作品が多く、背筋が凍る不快さが残る。それは無意識中に自分が秘め隠していた部分を露わにされたことへの不快さなのかもしれない。怖いけど病みつきにさせる魔力がある。これから読む人(特に女性)は、ちょっと覚悟した方がいい。嵌ったらおしまい、底なし沼。
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皆川さんの短編がピンとこないのか、もしくは初期作品?がピンと来ないのか。
このあたりの妖しさというよりうすら寒い感じはあまりです。ざんねん。 -
「火焔樹の下で」
「卵」
「血浴み」
「指」
「黒蝶」
「密室遊戯」
「坩堝」
「サイレント・ナイト」
「魔女」
「緑金譜」
「滝姫」
「ゆびきり」
「鳥少年」
「泣く椅子」
「バック・ミラー」
「沼」
やはり文体。
そしてこの作品集では、昏い情念や執着のようなものがじっとりねっとりと。
特に中年女性の年下の青年に対する、それが。