- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488441029
作品紹介・あらすじ
人間に巣喰う狂気と業が織り成す、妖艶な背徳の世界。初文庫化に3篇の単行本未収録作を附した、魔と奇想に彩られた16編の傑作を収めたミステリ短篇集。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
揮発するほどの色香が目に沁みる。皆川沼に貴女も溺れましょう。
-
ジャケ買い。表紙の絵が良い。
短篇16篇のうち、特に印象的だったのは、恐るべき子供たちな『サイレント・ナイト』、あきの夕暮れの魔力『ゆびきり』、なんとなく青頭巾味のある『沼』。 -
人生経験が少ないせいか、十分に理解出来なかったです・・・。
しかし、『火焔樹の下で』や『血浴み』、『密室遊戯』など印象に残る作品ばかりでした。
ただ、解説に「簡単に読み捨てられる物を書いてくれ」と出版社に言われていたとのことで、私にはあまり世界に入り込むことが出来ませんでした。 -
狂おしいほどの情念と欲望と罪悪渦巻く、脅威の短編集。
「火焔樹の下で」何を言ってもネタバレになるのだけれど、こんなにも残酷で恐ろしい恋物語があっていいのでしょうか…。
「卵」男と男。男の嫉妬はかくも醜く、後悔も外聞もありはしない。
「血浴び」生まれてから死ぬまで、私たちは皆。
「指」化粧をする指先と、それを施される顔は命の有無など関係なく美しく、そして冷たい。
「黒蝶」嫉妬と愛欲に絡む情念は、男と男であっても変わりなどしない。
「密室遊戯」本当にのぞかれているのは、その心は、その傷口は。
「坩堝」一昔前の皆川先生の短編っぽいあるある…って雰囲気。さばさばしてそうに見えた女が一番陰湿なんだよ、みたいな。
「サイレント・ナイト」子どもたちの目に映るのは、辛い真実か、恐ろしいまぼろしか、それとも。
「魔女」皆川先生はいう、美しい男はただそこにいるだけで周囲を狂わせると。
「緑金譜」姉の執着し続けた老人の計画的犯行。
「滝姫」姉に執着し続けて壊れた男。弟二連発。どう足掻いても地獄って感じがめちゃ好き。
「ゆびきり」いとしい男のためなら何もかも背負うのが皆川作品の”女”の真骨頂。
表題作は、いつ自分がそちら側に行ってしまうのか分からない系ホラー。ゾゾゾと終わるのが流石の一言。 -
70年代から90年代に書かれた短編集。
皆川ワールド炸裂で、
全然時代を感じさせない。
心地良い余韻の残る作品たち。 -
面白かったです。
主に幻想の、皆川ワールド。
不穏で昏く妖しく、ひたひたと染み込んでくる残酷な世界に浸りました。
頭のどこかで、「この感情、知ってる…」ってなるのが恐ろしいですが辞められません。 -
精神病院で受けた絵画療法によって絵の才能が開花した青年を巡る、病院関係者たちの心の闇を書簡形式で綴るミステリ「火焔樹の下で」、隣室をのぞき見た孤独な娘を誘う異様な遊戯とその結末を語る「密室遊戯」のほか、初文庫化に際し、閉鎖的な地方に生きる少年少女の倦怠と残酷を幻視的な筆致で描き出した「バック・ミラー」など3篇の単行本未収録作を附した16篇を収める。(表紙裏)
火焔樹の下で
卵
血浴み
指
黒蝶
密室遊戯
坩堝
サイレント・ナイト
魔女
緑金譜
滝姫
ゆびきり
鳥少年
泣く椅子
バック・ミラー
沼
これまで読んできた作者の方の短編集の中では、最も、わかりやすい結末が提示されていました。初手はここからのほうがいいのかなぁ。
初出はいずれも70~80年代ですが、もとより時代感覚の薄い作風なので、違和感はありません。
幻想短編に触れてみたい方に是非とお勧めできる一冊。 -
うーん。
世界に入り込めなかった。