秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488451059

感想・レビュー・書評

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  • 『小市民』シリーズ第3巻。女性版半沢直樹こと、小佐内 ゆきの『やられたらやり返す』という策略はまだ明らかになりません❗

    前半の高校生らしいほのぼのとした明るい男女交際とは打って変わって、後半の何やら不穏な雰囲気は、ミステリーというよりも少しホラーチックな感じさえします❗

    好きな話しは、『第二章 あたたかな冬』です♫謎解きは、誰が何処のバス停で降りるか?ぐらいのライトミステリーの方が個人的には好きなのですが、ちょっと『小市民』シリーズが、癖になってきている自分がいます❗

  • 小山内さんと距離を置いた小鳩君に、彼女が出来た。
    そして小山内さんも、年下の男子から交際を申し込まれたらしい。
    絵に描いたような、高校生の男女交際イベント。
    けれど2人の住む町では、連続放火事件が。
    ついつい、また謎解きで頭がいっぱいになりがちな小鳩君。
    そして、間違いなく、既に何かに気付いてしまっている小山内さん…


    『夏』からのこの展開。
    ふたりとも『一見平凡な高校生』ともなれば、イケメンや美少女ではなくても、こういうことは起こるのだった。
    それどころか、相手がイケメンすぎたり美少女すぎたりすると気後れするようなタイプの高校生からは、隠しきれないふたりの何かが、スパイスのように謎めいて魅力的にうつるのだろう。

    読んだのに登録し忘れたシリーズ、ようやく『秋』まできた。

  • 前巻で互恵関係を解消した二人が早速、新たな関係を構築するところから始まる。小山内さんの言葉の節々に凶暴性が見え隠れするのが恐ろしい。危なっかしい瓜野には下巻で辛い結末を予期してしまう。健吾だけが本作の良心ではないかと思えてくる。

  • おー、なんだか人間関係が混み入ってきたなあ。
    小市民を目指す2人にそれぞれ異性のパートナーが出現。
    日常生活ミステリーからその範囲を広げて謎解きは犯罪にまで広がっていくようだ。

  • 小市民シリーズ、三冊目。
    前の話で関係を解消した二人に、それぞれ新たなパートナーがつく。
    小鳩君はクラスでも目立つほうの女子仲丸さん(名前も覚えていなかった)からの告白で、小山内さんは新聞部の部長の堂島君に夏の事件について記事を書かないようお願いに行った時にたまたま同席していた一年の瓜野君に告白されて、互いに小市民を互いのパートナーと志そうとする。そんな二人の周りでは最近連続放火事件が起こり始める。
    新聞部で一旗挙げたい瓜野君は放火事件を追いかけていく。その中で浮かび上がる小山内さんの不可思議な行動。
    小鳩君も数件目の放火された車があの夏の事件で使われた車であることからもしかしたら、と知恵働きを開始する。果たして放火魔に小山内さんは絡んでいるのか。
    というところまでがこの巻の話。
    やっと二人のキャラが好きになってきた。小鳩君のように知恵が働くわけではないけれど、きっと仲丸さんとの付き合いの中で私も同じ気持ちになりそうだ。そして小山内さんを“スウィーツ好きなただの可愛い女の子”と扱う瓜野君にひやひや。

  • それぞれのやり方で小市民を目指す、小鳩くんと小佐内さん。地元でおきる連続放火に、船戸高校の新聞部が関わろうとするとき、2人はどう動くのか?いや、動かないのか?
    見事、小市民になれるのか?
    下巻に続くっ!

  • 無限に一を足しても無限であるように、今日のデートもまた[たくさん]に内包される。
    いい。幸せ感じる。わたしもワクワクしたい。

  • 「春」でただのおとなしい子でないとわかり、「夏」で危ねぇやつだとわかった小佐内さん。
    「秋」の上巻では「絶対に何か裏でやっている」と読者がわかっているだけに、そんなに登場しなくても、その存在だけで物語が引っ張られていくから、続きが気になりスピーディーに読める。そのまますぐに下巻へ。

  • 途中で入ってくる小さな謎解きが好き。

    なんか小鳩くんの人間性がよくわかる

  • 「小佐内さんが火をつけてまわってる可能性があるのに,じっとはしてられない」

    たしかに,あの小佐内さんならやりかねない。

    春期・夏期を経て,彼女の狼としての習性を知っている読者なら,
    たとえそれが連続放火という大きな事件であっても小佐内さんが黒幕に思えてくる。

    しかし,

    「やり方が露骨だ。小佐内さんのやり方じゃない」

    彼が言うなら,きっとそうなのだろう。

    『秋期限定栗きんとん事件 上』。

    事件の表面だけが提示されて,中で何が起こっているのか全然わからない。

    ぼくが思うに,これは下巻を読むことで片がつく。
    (そして,下巻へ)

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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