- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488451066
作品紹介・あらすじ
ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど…ほんの少しずつ、しかし確実にエスカレートしてゆく連続放火事件に対し、ついに小鳩君は本格的に推理を巡らし始める。小鳩君と小佐内さんの再会はいつ-。
感想・レビュー・書評
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★5 小鳩君と小山内さんの一年間の軌跡、これからの互恵関係はどうなるか… #秋期限定栗きんとん事件
上巻のレビューはこちら
https://booklog.jp/users/autumn522aki/archives/1/4488451055
●小市民シリーズにはなかった情熱
今回、小市民たちと対比で登場した瓜田君。本シリーズには無縁だった「情熱さ」に溢れていて名脇役でしたね。序盤からずっーーと走り回っているのですが、何から何まで空回りしている彼。本シリーズの読者としては、若干興醒めキャラな感じもするのですが、成果を出したいという若い気持ちにほだされてしまいますね。私はこれからの彼を応援したいですね。
●カッコイイー! 堂島部長
本作では狂言回し役の堂島健吾くん、部長として大活躍ぶりが超クール。きっと社会に出たら頼りになる上司として、部下に頼られる存在になるに違いない。
彼は小市民の二人を一番理解しているし、さらに二人の幸せを一番願っている存在。普段は多くは語らないけど、発言するときは本質をついてくる。こんな友人がいたら、悩んでいる人も満たされた人生を送れることができるんでしょう。
●謎解き
連続放火事件の犯人、その背景は何だったのか… 読み進めていくうちに、なんとなく犯人像は見当がついてくるのですが、決め手になるロジックがわからない。
さすが小鳩君、思った以上にスケールが大きく、もちろんロジカルな解法で納得感が満載。そして小山内さんの狼っぷりも健在で、したたかさと意志の明確さには感服いたしました。
●美味しいスイーツ
今回はあまりスイーツ三昧ではないですが、マロングラッセと栗きんとんのくだりは痺れましたね~ 序盤で小山内さんと瓜田で語られたとき、彼らがどこまで美味しいマロングラッセに変化できるのかと思ってましたが… 期待していた通りの結末で良かった。やっぱり栗きんとんがイイね。
■ぜっさん推しポイント
どうすれば恋人をつくることができるのか?いま思い出すと恥ずかしいことばかりなんですが、若かりし頃の私は、いろんな雑誌を読んでモテるのに必死でした。優男にも関わらず強引にアプローチしたり、たいしてお金も持っていないのに見栄を張ったり。でも無理したアプローチではモテることはなく惨敗ばかりで、なにより自分に嘘をつくのは楽しくないんですよね。
本作を読んでいると、自分がうまくいかなかった若い頃を思い出しちゃう。自分の本性を出せて、言いたいことを言って、それでも一緒にいて楽しい人なんてなかなかいません。結局は本質は変わらないし、強いところがその人の一番の魅力なんですよね。 -
上巻で溜まったフラストレーションを
見事に爆発させてくれました!
常悟朗の推理力も、
小佐内の復讐とその原因も、
健吾の献身も、
上下巻に分けた事すら全てが
ハマってたました。
まだまだこの世界に浸っていたいけど、
高三の受験が始まってしまうんだね。 -
小市民シリーズ終了。
他人に知られないように才能を隠していた二人が、最後に覚醒したかのように力を発揮する。別々な人と付き合っていたのが、ともに隠した才能により別れることになり、又、元の鞘に戻る2人。
内容も復讐の仕方もダーク過ぎて、個人的にはあまりハマらなかった。放火犯を追いかける瓜野君の独り善がりの言動、陰から見え隠れする小山内さんの言動、長期に亘る放火犯の不可思議な犯行。これが高校生向けになるかというと、どうだろう。
親友と思った小鳩君の友人からも厳しい一言。基本的な言動がダークなので、小市民を目指したというところが最大の問題なような気がする。 -
放火犯の追及に小鳩くんや小佐内さんがなんやかやと関わっていくのはお約束の感じ。2人が、ただの小市民でいるわけがないのだ。新聞部の部長になった瓜野がどんどん深みにはまっていくようで不穏な雰囲気になっていく。まあ、放火事件は結局小鳩くんの工作で解決するのだが、この推理力や細工の手際よさは尋常じゃないよね。仲丸さんと上手くいくわけがない。小佐内さんも瓜野に痛烈なしっぺがえしをして別れることになる。これも小佐内さんお得意の復讐だ。えぐい、本当にえぐい。本当の小市民たちがかわいそうだ。
小鳩くんと小佐内さんは、元の鞘に収まるしかないんだよね。やっぱりこの2人は異常だよ。普通の人間はついていけない。まあ、筋をばらしてしまったが、細かいところの推理とか動きとかの機微が面白いので問題なし。その辺がこのシリーズの読みどころかも。 -
小市民シリーズ3作目(の下巻)
結局は、⚪︎⚪︎君の空回り。
分かってはいたけど、
小っ恥ずかしい…
でも、こんな青い高校生もいるよねって、
頷いてしまう。
次はようやく冬期限定。
シリーズものは1作目から読まなければ
面白さは半減ですね -
新聞部の新部長となった瓜野の暴走は止まらず、哀れな結末を迎える。犯人は予想通りの人物だったが、やはり小山内さんの掌で転がされている感は拭えない。どんな復讐が待っているのか恐る恐る読み進めたが、先が気になる展開で楽しめた。
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2020/07/22読了
#このミス作品36冊目②
柔らかいストーリーが良かった。
犯人探しがどうとか頭を捻らず
ホッコリした気分で読める。
とはいえミステリ要素もしっかり。
春季限定、夏季限定もぜひ読みたい。 -
立場の異なる2人の視点が入れ替わりながら話が進む
そのため、見えないところ、読者が認識できないところが存在する。
裏を書かれたというべきか…いやそんなの知らないし…と言うべきか…モヤモヤとした感覚は残ったミステリーだった。
犯人も広い視点で言えば、可能性があったが…
えっ?と思う人であり、なんというか…動機も…ちょっとな〜と思うものだった。
ただ、解決後に残る後ろ暗さは米澤さんのらしさがみえる
そりゃもう必死でしたよ、若いときは経験も知識も乏しいから、
とにかく自分に自信がな...
そりゃもう必死でしたよ、若いときは経験も知識も乏しいから、
とにかく自分に自信がないんですよね。そして空回りばかりでした。
ちなみに今でも余裕はないですよ>< ひぃ
ひぃってさせてごめんなさいっ笑
昔好きだった人に振り向いて欲しくて頑張っておしゃれしてた頃を思い出しました〜(^...
ひぃってさせてごめんなさいっ笑
昔好きだった人に振り向いて欲しくて頑張っておしゃれしてた頃を思い出しました〜(^^)