れんげ野原のまんなかで (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488482022

感想・レビュー・書評

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  • 立地条件のゆえんか、利用の少ない秋葉図書館。ススキ野原に囲まれた静かな図書館で、日々起こる謎を解明していく連作ミステリー(?)。
     殺人事件や誘拐が起こるわけではなく、日常業務の中でおこるちょっとした謎解き。
     ありそうでなさそう、なさそうでありそうなエピソード。このまんまではないけれど、似たようなエピソードは市立図書館レベルでは多発しています。
     共感をおぼえつつ、わが身を振り返る図書館羊です。

  • 四点にしようかひどく迷った。理ではなく、情で読むミステリ。解説が大崎梢さんなのが、いかにも適任。

  • 図書館でおこる日常ミステリー!!
    舞台が図書館ってだけでももう大好き。(笑)
    http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-768.html

  • ミステリとしての仕掛けは面白かったし、人物も甘過ぎず辛過ぎずで良く書けていて、面白い。ノスタルジックな秋葉図書館も秋庭市もいい雰囲気。
    …しかしなんかこう優等生的というか。うん。面白かったけど。

  • のどかな場所に建てられた図書館が舞台。
    新米司書の文子や先輩司書(推理力抜群だったり知識豊富だったり!)たちが
    仕事中に遭遇した日常の謎を紐解いていく。
    坂木司さんや大崎梢さんに近い感じかな。

    全体的に謎そのものや展開が地味である程度想像がついてしまう上に、
    登場人物たちの個性もあんまり出ていないかなー。
    「司書」という仕事についてももっと知ることができるかも!
    と思ったが、期待ほどではなかったな。残念。

  • 秋葉図書館の四季シリーズ3作目が出ていることを知ったが、1作目である本書を読んだのがもう6年前だったので、まずはおさらいと思い、再読。

    表紙が変わったのかな?

    子供の頃は、春になると近所の田んぼが、一面レンゲ畑になっていた。懐かしいなぁ。
    もう一度見たいなぁ。

    ──────
    れんげ野原のまんなかで
    花野に眠る
    星合う夜の失せもの探し

  • 閑古鳥鳴く秋葉図書館が遭遇する謎に文子たち司書が向き合い先輩の能勢が解き明かし穏便に解決する。おおらかで世話焼きの大地主秋葉さんや有能な先輩司書日野さんも楽しい。いやー、本好きにとってはハズレなしってお話でしょう。

    /北小学校の子どもたちが閉館後の図書館に隠れて居残る冒険が流行中。
    /図書館の本を利用した暗号が仕掛けられているようだ。誰がなんのために?
    /本人が作った覚えのない図書カードで多数の豪華本が借りられていたことが発覚、どこから個人情報が漏れた? そして本は戻ってくるのか。
    /大雪の日、図書館前に建つ秋葉家に泊めてもらった文子に秋葉氏は、子供の頃やはり大雪だった夜中、妹とともに雪女を見た話を語り聞かせる。
    /能勢の娘あずさと妻登場。突如出現した『床下の小人たち』のおそらくは岩波少年文庫の初版本は今はなき阿伎葉中学の蔵書だった。そして不穏な存在である誰か。

    ■秋葉図書館についての簡単なメモ

    【秋葉】図書館用の土地を寄贈してくれた地元の名士。ちょいちょい図書館の状況を確認しにくる。お土産にありがた迷惑の農産物など持って。近所で唯一のコンビニを経営している。海坊主のような外見と豪放磊落な性格。
    【秋庭グリーンニュース】園芸や植物全般を扱う情報紙。
    【秋庭市立秋葉図書館】秋葉市のすすき野原のまんなかに建つ二階建て地下一階の図書館。地元の名士である秋葉さんから土地の寄贈を受け設立した。来館者ははほとんどなくとてもヒマ。開架の本だけなら六万冊。
    【あずさ】能勢の娘。重度の喘息。能勢の全行動はあずさのためにある。
    【今居文子/いまい・ふみこ】→文子
    【工藤】事務員。
    【クローディアの秘密】カニズバーグ著。図書館員で読んでいない者はいないらしい。
    【佐竹】「秋庭グリーンニュース」の記者。
    【市内循環福祉バス】市内の公共機関を回るバス。運賃は一律百円。その停留所のうちのひとつに秋葉図書館が入り来館者が20パーセント上がった。バスの名前は市花から取った「やぐるまそう」。
    【寺田斧太/てらだ・おのた】ほぼ毎日来館する初老の紳士。日野の大学時代の恩師で専門は図書館経営。引っ込み思案で穏やかだが、ペンを取ったら別人のように辛辣。
    【能勢逸郎/のせ・いつろう】ぼさぼさ頭の小動物めいた顔のおじさん。いつもパーテーションの影で眠りこけているが、仕事はでき、全蔵書の動態状況まで頭の中で把握しているフシがある上、情報通で人脈も広い。どうやら娘のあずさが重度の喘息持ちで私生活は大変なようだ。
    【日野】ベテラン司書職員。理系出身の司書で専門知識はもちろん、県内の図書館全体から頼りにされているのは語学力が凄いので。英独仏は人並と謙遜しているがアジア系、非アルファベット系のハングル、広東語、中国普通語、ペルシャ語、タイ語までそこそここなす。
    【平野進】本好きの小学生。
    【文子/ふみこ】主人公。今居文子。秋葉図書館の司書。けっこう気が強く強情。
    【深雪/みゆき】市内循環福祉バスで来るようになった老女。病気が末期になっておりこの世から離れるまでの間好ましいものに触れたいと考え図書館に通うようになった。
    【やぐるまそう】市花。市内循環福祉バスの名前ともなっている。
    【れんげ】図書館は元々はすすき野原のまんなかだったが、秋葉氏が鬱陶しいと言って刈り取り、れんげの種を播いた。すすき野原かて悪うないもんやけどなあ…

  • 暇な図書館のわりに毅然とした誇りを持った司書たち。終始ほのぼのとしているかと思ったら、けっこうシリアスな謎もあってびっくり。台詞回しに時々躓いてしまうのが残念。

  • 収録作品:霜降―花薄、光る。 冬至―銀杏黄葉 立春―雛支度 二月尽―名残の雪 清明―れんげ、咲く。

  • 前の学校でお勧めされたのに、
    読まなかったのか、
    途中でやめてしまったの。

    可愛い表紙に反して、
    なかなかシリアスなネタを扱ってる。
    世の中、簡単じゃないよねと
    思わず考えさせられる短編集だった。

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著者プロフィール

1969年静岡県生まれ。日本画家・屏風作家。筑波大学大学院芸術研究科美術専攻日本画分野修了。渦巻きをモチーフにした屏風制作を行う傍ら、神社、寺院,協会への奉納絵画をライフワークとして続ける。 主な奉納・収蔵作品大徳寺聚光院伊東別院 墨筆による「千利休座像」軸一幅/駿河総社静岡浅間神社四曲一双屏風「神富士と山桜」。主な出版物 絵本『おかあさんはね、』(ポプラ社)/絵本『メロディ』(ヤマハミュージックメディア)/絵本『サクラの絵本』(農文協)/詩画集『国褒めの歌巻一』(牧羊舎) 
自身の日本画制作に加え、寺社奉納絵画、絵本制作、コラム等の執筆、講演会等を行う。人と人、人と自然、人と宇宙が穏やかに調和する日本文化の特質を生かし、新しい世界に向けたパラダイムシフトを呼びかけている。静岡ユネスコ協会常任理事。

「2020年 『ジャポニスム ふたたび』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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