月蝕の夜の子守歌 (大正浪漫 横濱魔女学校2) (創元推理文庫)
- 東京創元社 (2020年7月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488588069
作品紹介・あらすじ
わたし花見堂小春、横濱仏語塾三年生。うちの学校は、実は魔女学校なの。おまけに生徒の半分は妖魅(うちの学校では妖怪のことをそう呼ぶ)。ね、変わってるでしょ。今夜は寮で月蝕観察、なのに透子さんが到着していない。折しも横濱では子供の連続誘拐事件が発生。さすがに誘拐されたりはしてないだろうけど。みんなで探していたら、透子さんったら小さな女の子の手を引いてる。それが今回の騒動の発端で……。好評シリーズ第二弾。
感想・レビュー・書評
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横濱魔女学校シリーズの2。どうやら3冊完結の中巻に当たるらしい。
前のお話で、魔女学校の生徒達に助けられた千秋くんは、どうやら聴講生として女学校に通うことになった。無論男の子は彼だけ。けれど小春・宮さん・透子の三人娘とは気が合うようで、楽しい学校生活のよう。そんな折、横濱天狗団なる、人攫いの噂が喧しくなり、資産家の子である千秋も被害を受けてしまう……。といった導入。折しも異人さんの迷子を助けた小春達。天狗団を警戒しているところへ、南米から千秋の叔父さんが訪ねてきて…というふうに展開していく。
私、一巻目の『シトロン坂』の感想の時、吉屋信子さんとかお好きな作者では?と書いたのだけれど、それだけではないらしい。ご自分の読まれたものが,素直に作品の血肉になる方のようだ。この感じだと、乱歩とか、あとがきにもあったけど香山滋とか。世界少年少女文学全集だと、『ジャングル・ブック』とか…男の子たちの胸を熱くして来たものも、お好きではなかろうか。
一貫して『緑の館』がモチーフに使われているが、私はオードリー・ヘプバーン主演の映画の方でイメージがある。白い表紙の文庫が、家にあった気がするけど、惜しいことに処分してしまった。それも読まないで。こんなことなら見ておけば。後の祭りである。
今回も、不思議な異国情緒と、日本の古来の妖怪譚が不思議に混ざり合う。原色の絵のイメージが、ぐっと強さを増すのは、独特の面白さ。そう、まるで当時の紙芝居の描く秘境の匂いがするのだ。いい男だけれどややこしい、千秋の叔父さん、最後の謎がとける場面で、ぐっと来る。このひとと、全体のトーンが南米っぽい。
少年の大冒険ものを思い出させるのだ。小春達の言葉遣いが、目下の男の子やアナにも端正なのは、このあたりの影響なのか。作品の格を上げている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハリポタ大正女学校版。
もうちょっと授業の様子が見たかった。
一応事件は起こるけれど、前ほどの冒険もなく、ふわっとさらっと。 -
図書館で。
日本の妖怪で、ジョロウグモが化けているとか(反対なのかな?)、首が飛ぶとかそういうのは知らなかったな~
そしてとんだ頭が鳥になるってのも。
外国の絵だと、頭だけで羽が生えてる天使とかいるからそういうものなんだろうか。 -
シリーズ第2弾
魔女見習いたちの前に現れた迷子の幼女
その子や千秋君は、今話題の誘拐事件に巻き込まれてしまう
そしてそこに現れる別の影
幼女は何者なのか
誘拐犯の目的は?
別の影の正体は?
テンポよく進む物語に飽きることなく読み進めてしまう
夜空を飛行する魔女見習い
飛びゆく場所には騒動の兆しありし
空を見上げたら、袴姿の少女の影が見えるかもしれない -
2020/10/15 読了。
図書館から。
2巻目ー。
透子さんかわいい。 -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50206756 -
ぬばたまおろちの五作目、というか横濱魔女学校二作目。
ティグレこと若槻千秋は聴講生として魔女学校に通うことに。
ダンス(飛行)のレッスンを受けたり、
薬草学の授業を受けたりと小春たちと仲良くやっている。
その千秋が誘拐にあったり、迷子がきたり、
千秋の叔父がペルーが来たり、
絵からイグアナが出てきたりとどたばた。
ペルーの呪術師が使う葉の臭いが強烈で
小説家の幸さんが狸の姿にもどってしまったのが、
かわいかった。 -
大正時代の妖怪も通う魔女学園が舞台。難を言えば、キャラクターの幅が狭いことですが、なんとなく楽しい。私の好きなジャンルの話を読んできたひとなんだろうなと思います。
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小春も宮さんも透子さんも大活躍でしたね。お疲れ様。
箒にまたがって飛ぶためには人外の者にならないとダメか。魔力を持つ方法を見つけられれば…… ムリそう。せめて夢の中では飛べるように。アナちゃん無事でよかった。