SFベスト・オブ・ザ・ベスト 下 (創元SF文庫)

著者 :
制作 : ジュディス・メリル 
  • 東京創元社
3.18
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本棚登録 : 80
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488613099

作品紹介・あらすじ

SF作家であり卓抜なアンソロジストでもあるジュディス・メリルが『年刊SF傑作選』からさらに27編を選りすぐった傑作中の傑作。この贈物に、読者はSF世界を心ゆくまで逍遥できるにちがいない。

感想・レビュー・書評

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  • SFアンソロジー編集の名人、ジュディス・メリルによる「年間SF傑作選」の中から、彼女自身が傑作中の傑作を選び抜いて編纂した1950〜1960年代の決算短編、全27編!SF入門編として超おすすめ!!
    ・・・と紹介してもおかしくない位置づけの作品だとは思うのですが・・・如何せん、古い。古すぎる(^_^;
    かつ、各作品にメリル自身が附している作者紹介にムラがありすぎて、創元文庫の古いフォントの小ささもあってまぁ読みづらい読みづらい(^_^;
    手練れのSF者ならともかく、SF初心者には相当きついですね、これは。

    とはいっても、傑作選ですから、ゼナ・ヘンダースン「なんでも箱」やコードウェイナー・スミス「夢幻世界へ」などの、今読んでも十分傑作と呼ぶに値する名作も複数所蔵されていますし、フリッツ・ライバー「跳躍者の時空」のような珍品も楽しめます。でも、繰り替えしになりますがとにかく古いので、そこは大前提として読む必要がありますね。イメージ的には、ハーラン・エリスン編「危険なヴィジョン」に近いですね。あそこまで暑苦しくないけどヽ( ´ー`)ノ

  • 収録作のロバート・シェクリイ「危険の報酬」面白い。日本のSFの原点といわれるだけのことはある。

    Twitterで薦めていただいたロバート・シェクリイ「危険の報酬」を読みたいという思いで読みました。

    ロバート・シェクリイの「危険の報酬」は、シェクリイの短編集「人間の手が触れない」の解説によると、「SFマガジン」創刊号の巻頭を飾った作品らしく、その創刊号を準備していた当時の編集長の福島正美はこの作品を読んだとき、「これで(SFマガジン創刊号の準備)は出来た」と思ったと言うし、その創刊号のこの作品を読んで、小松左京はSFの可能性に開眼したということです。
    また、筒井康隆による朝日新聞の「人間の手が触れない」についての書評によると、「危険の報酬」は、「...当時まだ新鮮だったマスコミ批判をテーマにしていて面白く、ファンの間でも大評判だったからだ。「SFマガジン」創刊号の成功はこの短篇ゆえ、などとも言われていたのである。」と書かれています。
    正に日本におけるSFの原点のひとつですね。

    「危険の報酬」のユーモア溢れる風刺やドタバタで滑稽なストーリーは、今でも十分楽しめました。
    シェクリイの作品を読んで思うのは、滑稽さや風刺も最高ですが、ストーリーの中での情報の出し方が匠だなあと思います。そしていつも最後にはシェクリイに「一本取られた」と感じるのです。「危険の報酬」は主人公が殺し屋に追い詰められ絶体絶命の状況から始まります。主人公って何者なのか、何故殺し屋に追い詰められているのか、といった疑問が初っ端から沢山湧きます。更にTVショーの司会者の声が流れて”何じゃそりゃー”な疑問が増えていきます。その後も”何じゃそりゃー”が続きますが、それらに対する答えを出すタイミングと次から次への”何じゃそりゃー”な疑問を出すタイミングが絶妙で最後の最後までワクワクさせてくれます。トータルでは同じ内容の情報でも、情報が流れてくる順序によって受け止め方が全然変わると何かの本で読んだことがあります。何の裏付けも無い全くの想像ですが、シェクリイは、読者が一番面白がることを念頭に、話の順序を何度も思考錯誤しながら綿密に策定していたんじゃあ無いかなあと思いますし、短編を1編書くのも実は他の作家よりも結構時間が掛かっていたので無いかと勝手ながらに想像します。

    「危険の報酬」以外にも結構面白い作品があったことは記憶していますが、読んで2ケ月程度経った今は失念してしまいました。4,5年くらいたったらまた再読してみたいと思います。

  • 2006/8/10購入

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著者プロフィール

1948年、福井県に生まれ、新潟県・富山県で育つ。1973年、岩波書店入社。長く編集に携わり、同社取締役(営業担当)をへて2013年退任。著書『伝える人、永六輔 『大往生』の日々』(集英社、2019年)。

「2021年 『渡された言葉ーわたしの編集手帖から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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