バービーはなぜ殺される (創元SF文庫 ウ 5-6)

  • 東京創元社
3.81
  • (3)
  • (7)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 80
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488673048

作品紹介・あらすじ

ここ、月では、なんだって起きる。"花とギフトの店"バガテルの前では、一発の核爆弾が自爆するぞと叫び、みんな同じ顔かたち、"わたし"という概念さえない統一教徒のコミューンでは殺人事件が発生する。ニュードレスデン自治警察のアンナ=ルイーズ・バッハが遭遇する数々の奇妙な事件のほか、「ピクニック・オン・ニアサイド」「ビートニク・バイユー」など、"八世界"シリーズの傑作群を収録した、ファン待望の短編集。ローカス賞受賞。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第三十八回
     
    ・・・ 第三十八回 「バービーはなぜ殺される」 ・・・

    最近の化粧を見ていてそのあまりのうまさに驚く……。
    変身、通り越して別人じゃん!
    というわけでこの本を思い出しました。
    ジョン・ヴァーリィのSFミステリー短編集です。
    タイトルの“バービー”は、近未来世界で、競争に疲れはてた人たちが作り出した新興宗教の話です。
    その宗教では、差をなくすために、同じ身長、同じ顔になるように外科手術!!
    をする……。
    なので、そのエリアには同じ顔した人たちがうじゃうじゃいるのですが、そのなかの一人が殺される。
    しかし彼らは“私は”で話さない……必ず“私たちは”で話すので、まず、誰が殺されたのかすら突き止めるのに骨が折れることになって、担当した刑事は頭を痛める、というものすごく斬新で面白い話なのですか、初めて読んだ私が愕然としたのはそこじゃなかった。
    “外科手術で!?”
    アメリカ人は変身するのか……?
    しなきゃならないのか?

    だってだって、日本の若い子なら……手術いらないよねぇ、そんなことしなくてもそっくりだよね?!

    ということに気がついて、これって世界的には異質なことなのか?
    に愕然としたのです。

    でもって、なんで彼女が殺されることになったのか、はあーー、なので、気になった人は読んでみてね。
    たぶん今ごろは図書館の書庫だろうけど、探せばどっかにはあるよ。

    2018年11月06日

  • 余りに設定が凝っていて、面白いのに読むのが疲れる

  • バービーはなぜ殺されるのか
    考える、考える。
    バービーは「わたし」を持たない。
    「おんな」のような見た目に統一され、性を失い、ほぼ同じものとなる。
    そんな世界で起こる殺人。
    なんのため誰のため誰が誰を殺したのか。
    分からない。分からない。

    性を失ったバービーたちが
    淫部にカツラをつけ、SEXの真似事をする。
    そうした、「彼女ら」の日常からの逸脱、反逆といってもいいかもしれない行為が、性を失うという私(という読者)にとっての日常をより鮮明にしている。

    うーん分からないことばかり。
    また読む。

  • 麻宮騎亜のカバーイラストに惹かれて買った覚えがある。SFを読んだぞと満足できる短編集。「イークイノックスはいずこに」は、1977年の作品か。とてもそうは思えない。1987年12月18日初版。定価600円。
    収録作品:「バガテル」(大野万紀訳)、「びっくりハウス効果」(大西憲訳)、「バービーはなぜ殺される」(宮脇孝雄訳)、「イークイノックスはいずこに」(浅倉久志訳)、「マネキン人形」(大西憲訳)、「ビートニク・バイユー」(大野万紀訳)、「さようなら、ロビンソン・クルーソー」(浅倉久志訳)、「ブラックホールとロリポップ」(大野万紀訳)、「ピクニック・オン・ニアサイド」(大野万紀訳)、「ジョン・ヴァーリイ――未来の巨匠」(山岸真による解説)

  • やはりこの世界と自分が全く相関していない感覚がヴァーリィのモラトリアム系SFの根底をなしてる。それが恋人や友人や家族との触れ合いに行くのが特徴。サイバーパンク後はこの距離感は個と個の情報のやり取りに繋がる。その意味ではプレ・サイバーパンクと見るのも微妙かもしれない。
    ヴァーリィのモラトリアム系SFは、ポストヒューマン的な設定なのに、根っこの精神に残る人間らしさが気持ち悪くなっちゃう。時代の問題か。逆に有機的な設定と宇宙を結び付けた設定の話が好き。
    個々作では、「イークイノックスはいずこに」と「ピクニック・オン・ニアサイド」が良かった。

  • 八世界シリーズは良いなあ。壮大な背景、クローン、性転換、身体改造etcとアイデンティティーの問題、”ディズニーランド”に代表される情景の美しさが絶妙に溶け合っている。お気に入りは「さようなら、ロビンソン・クルーソー」。

  • 短編集。
    まあまあ面白かった。

全7件中 1 - 7件を表示

ジョン・ヴァーリイの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
グレッグ・イーガ...
ジョン ヴァーリ...
チャイナ・ミエヴ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×