地球の静止する日 (創元SF文庫)

制作 : 中村 融 
  • 東京創元社
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本棚登録 : 198
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488715021

感想・レビュー・書評

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  • ブラッドベリやスタージョンなど映画原作の以下6篇からなる傑作短篇集です。

    ・趣味の問題:レイ・ブラッドベリ
    ・ロト:ウォード・ムーア
    ・殺人ブルドーザー:シオドア・スタージョン
    ・擬態:ドナルド・A・ウォルハイム
    ・主人への告別:ハリイ・ベイツ
    ・月世界征服:ロバート・A・ハインライン

    例えばハリイ・ベイツの「主人への告別」は映画「地球の静止する日」の原作のようですが、残念ながらこれらの映画はどれも見たことがありません。とはいえ、映画を知らなくても楽しめる作品ばかり。
    「ロト」がとにかく傑作。主人公ジモンの最後の決断には正直驚かされました。確かにそれまでの経緯を踏まえると、その決断に至ることは予想できたのかもしれませんが、まさか本当にそうするとは…といった思い。結局ことの発端が何なのか、娘のエリカがどうするのか、その後の行く末にかなりの不安を感じるところも想像を掻き立てられておもしろい。読めてよかったと思える一作でした。
    他には「殺人ブルドーザー」が衝撃的。その名の通り、意識を持ったブルドーザーが人々を殺していくという作品なのですが、スタージョンが描いたというところにびっくり。これまで読んだ彼の作品には幻想的なイメージが強かったので、こんなB級映画というか、エンターテイメントな作品を描くとは思っていませんでした。

    古い映画も多いようなので中々みる機会はなさそうですが、とりあえず「地球の静止する日」ぐらいは見ようかと!

  • 1950〜60年代のSF映画原作を集めたもの。
    宇宙人との邂逅モノは、平和的な筋が特徴的。なかには殺人ブルドーザーのような、厄介なシロモノもあるが。
    冷戦期、せめて宇宙人は平和的であってくれ、という願いもあるのか。

  • [ 内容 ]
    綺羅星のごとき名作SF映画の数々の中から知られざる原作短編を精選した、日本独自編集によるアンソロジー。
    有数の名作として愛されている表題映画の原作に加え、ブラッドベリが近年初公開した短編、スタージョンの手による原作として伝説的に語られてきた中編など本邦初訳作を収録。
    また、やはり初訳のハインラインの中編には、著者自身が撮影の舞台裏を明かした顛末記を付した。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • SF映画原作のアンソロジー。ブラッドベリの未発表の短編"趣味の問題"、スタージョンの"殺人ブルドーザー"、ウォルハイムの"擬態"など初訳出作品が収録されているのが大きな魅力。"地球の静止する日"として知られている"主人への告別"も収録されています。個人的に本作で一番面白かったのは"「月世界征服」撮影始末記"です。これは、"月世界征服"の原作者ハイライン自らが映画のメイキングを執筆しているというもの。当時のハリウッドのSF映画に対する姿勢や苦労話などが満載でとても面白かった。もう一度映画を観たくなります。

  • SF映画の原作のみを日本独自に編集した短編アンソロジー。
    各作品のペーパーバック表紙や映画のポスターが扉絵に使われているのが良いです。

    収録内容
    ■レイ・ブラッドベリ 「趣味の問題 (A Matter of Taste)」
    映画『イット・ケイム・フロム・アウタースペース (It Came from Outer Space/1953)』

    ■ウォード・ムーア 「ロト (Lot)」
    映画『性本能と原爆戦 (Panic in Year Zero!/1962)』
    とても後味が悪く含みのある短編でよかった

    ■シオドア・スタージョン「殺人ブルドーザー (Killdozer!)」
    映画『殺人ブルドーザー (Killdozer/1974)』

    ■ドナルド・A・ウォルハイム「擬態(Mimic)」
    映画『ミミック(Mimic/1997)』
    この原作からどうしてあの映画に…どっちも好きだけど別物。
    原作短編は都市伝説的なもので「得体の知れない黒づくめの男が実は人間以外の(昆虫に似た)生物だった」という内容。虫と擬態をキーワードにしているほかは関連なし

    ■ハリィ・ベイツ 「主人への告別(Farewell to the Master)」
    映画『地球が静止する日(The Day the Earth Stood Still/1951)』
    この原作からどうしてあの映画に…

    ■ロバート・A・ハインライン 「月世界征服(Destination Moon)」
    映画『月世界征服(Destination Moon/1950)』
    原作はハインラインのジュヴナイル長編『宇宙船ガリレオ号』で、今回収録されたものは映画公開にあわせ新たをノベライズしたもの。
    オマケとしてハインライン本人による撮影舞台裏話「月世界征服」始末記の訳を収録。

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