銀河英雄伝説〈7〉怒涛篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-7)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488725075

感想・レビュー・書評

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  • 個人の集合体として国家という群体が生成されるのではなく,国家とは国家という一個体としてのみ存在し,その中の個人が国家に含まれるかはその個々人に依る,また,その国家の存在は実時間上観測し得ず,後世においてのみ成し得る,という考え方なのか.実際国家の意思決定を個人が制御できない現状に鑑みると理解はできる一方で,その考え方は歴史家という存在を正当化するためのものともとれ,国家の理想的な有り様に思いが至る.

  • 日本史、世界史に匹敵するこの壮大な銀河史を、ぜひすべての人に学んでほしい。

  • 再びの直接対決に向けて物語がまた大きく動き出す。
    あんな言葉で宇宙の歴史が変わるとは。ヤンの想像力の一欠片でもあれば仕事もうまく回せる気がするのに。

  •  この巻ではイデオロギーについてまた考えさせられる。民主主義ってなんだろう。誰の為なのだろう。善悪についてもまた考えさせられるのだ。真面目だから迷い込む袋小路。そこに悪意はない。
     一番の見どころはビュコック対ラインハルトではなかろうか。そしてイゼルローン再び。
     よくもまあ、息をつかせず一冊読ませるものだと感心する。これでようやく7巻か!

  • 退役生活に別れを告げ、“不正規隊”を連れエル・ファシルの独立革命政府と合流したヤンは、二度目のイゼルローン攻略を目論む。一方、自由惑星同盟を完全に粉砕するべく、首都ハイネセンへ艦隊を差し向けたラインハルトに、同盟軍の宿将ビュコックが最後の抗戦を試みた。圧倒的劣勢のなか、護るべきもののために立ち上がった老将と若き皇帝の激戦は、英雄たちに何をもたらすのか。
    (1986年)
    --- 目次 ---
    第一章 黄金獅子旗の下に
    第二章 すべての旗に背いて
    第三章 「神々の黄昏」ふたたび
    第四章 解放・革命・謀略その他
    第五章 蕩児たちの帰宅
    第六章 マル・アデッタ星域の会戦
    第七章 冬バラ園の勅令
    第八章 前途遼遠
    第九章 祭りの前
    解説/久美沙織

  • 帝国軍・自由惑星同盟の戦いが終わったかとおもいきや。
    ヤンには平和な年金暮らしを送って欲しかったけれど
    運命がそれを許さない。
    怒涛篇というその名の通り、怒涛の展開と内容の巻。

    多くの女にとって戦争は当事者として立ち向かうものではなく巻き込まれるもの
    というのと、
    戦争はかっこいい。なぜなら、戦争なくして英雄たちは存在しえないからである
    というのが印象的だった。

  • 恐らく物語の最終章へこれから進むのだろうと予感させる。今回はあとがきも良かった。女性目線のこういう見方もあるのかと、読みごたえあり

  • 前巻でハイネセンを脱出したヤン一行は、先の大戦後に残存兵力を率いて別行動を取っていたメルカッツらと合流、その後、同盟政府からの独立を宣言したエル・ファシル星系政府に迎え入れられる。圧倒的に戦力が不足している状況下、ヤンは戦力基盤を固めるため、銀河帝国としては戦術的な価値が低くなったであろうイゼルローン要塞を再び攻略しようと目論む。

    一方、銀河帝国のラインハルトは、同盟駐在高等弁務官レンネンカンプの死を口実に、自由惑星同盟の歴史に幕を下ろすべくハイネセンへの侵攻を開始する。対する同盟側は、宇宙艦隊司令長官である宿将・ビュコックが、次代に希望を託すべく、艦隊を率いて最期の戦いに挑むのであった――――。


    自由惑星同盟が名実共に滅び、銀河帝国に対する抵抗勢力はヤンら"不正規隊"と、合流したエル・ファシル星系政府となる。ヤンに奪われたイゼルローン要塞取り戻すべく、そして最後の決戦を挑むべく、ラインハルトは艦隊をイゼルローン要塞へと進める。

    再び相まみえる"常勝"と"不敗"。戦力的に圧倒的有利である銀河帝国だが、ロイエンタールやオーベルシュタインといった軍幹部に立ち込める暗雲は、隠すことのできない状況。果たして戦いの行方はいかに。(次巻へと続く)

  • 全10巻の本編はいよいよ終盤へ。最後の盛り上がりに向けた各陣営の盛り上がりが楽しくもあり、物語に終わりがあることの寂しさも感じる。特にこの物語は過去回想の視点で描かれるのですが、終盤に入り歴史的な語りの中で伏線が語られることが増えて不安とワクワクが止まらない。

  • ついにフェザーンもそしてハイネセンも、宇宙の全てを併合したかに見えたラインハルト。ヤンは民主主義の精神を灯し続けることが出来るのか・・・

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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