盤上の夜 (創元SF文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.81
  • (80)
  • (120)
  • (83)
  • (19)
  • (6)
本棚登録 : 1135
感想 : 109
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488747015

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 彼女がエスパーだったころよりちょっと話がかたかった。

  • このミス2013年版10位。チェッカー、囲碁、将棋等を題材としたSF連作短編集。あんまりSFって感じでもないけど、さらにミステリーの要素全くないと思う。なんでこのミスに選ばれるのか良くわからんです。
    表題作の囲碁の話は小川洋子のチェスの話と似た感じでどっちも設定が不自然でいやな感じ。麻雀でのエスパーっぽい戦いとか少し面白いところもあるけど、全体的に哲学おたくっぽく、難解で意味わかんないし楽しめない。数学的な話や人工知能についての話も先取って取り込んでるんだけどたんなるこけおどしの感もあるし理解不能。解説も何言ってんだかさっぱりわからないけど、第33回日本SF大賞受賞してときの審査員がみんな自分の好きな作家でこぞってこの作品を絶賛したとか書いてあって軽くショック受けた。

  • 人工知能がらみの本で取り上げられていて興味をもって手に取った一冊。一話に一つ、ボードゲームを題材に語られる連作短編集。囲碁盤を感覚器とする棋士、数学者によるチェッカーの完全解、麻雀で次に来る牌を推測するプログラム、すべての文献をスキャンし分析する量子歴史学などなど、興味深いトピックがうまく料理されていて興味が尽きない。/意に反して四肢切断され、生き延びるために囲碁を覚えた少女。囲碁盤を感覚器官として繰り出される打ち筋に魅了され、彼女をサポートするために引退したトップクラスの棋士。/双方が最善を尽くせば必ず引き分けになることが証明されてしまったチェッカー。/封印された麻雀のタイトル戦決勝、そこで行われていたのは、牌が見えているとしか思えない打ち筋、ありていなイカサマは見当たらず、そのカラクリは?そして、この一戦がそれぞれの人生に与えた影響は、と。/古代インド、将棋の原型、チャトランガの構想が頭から離れなくなってしまった、出家し出奔したシッダールタの息子ラーフラ。王として、政治、軍事に手腕を発揮しようとするが、いかんせん弱小国のためうまくいかず、窮余の一策は…。そして、彼の構想が残したものは。/将棋。ゲームを殺すゲームを発案した兄、ゲームを極め尽くそうとする弟。二人の人生を手のひらの上で翻弄する女性。/そして、また、最終章でまた囲碁の話に。「生きるってのは、どういうことだい? 記憶を積み重ねること。そうだろう? その点、おれはもう死者のようなもんさ。死者が、何かを怖いと感じることなんかあるか? おれは、死んでるから強いのさ!」(p.143)/完全解という形でチェッカーを葬られてから、彼は何をもって生き甲斐としたのだろうか。あくまで、チェッカーに固執したのだろうか。それとも、何か別の生き方を見出したのか。いや、語弊を承知で言ってしまおう。わたしはこう思ったのだ。この話の裏に今隠されているもの-それは、わたしたち皆にとっての問いなのだと。(pp.58-59)/

  • 短編6本どれも外れなし。どれもヤバい。
    読み終わったばかりなのに、また読みたい。

  • 実在の人物と創作の人物が交錯する囲碁将棋を始めとする盤上遊戯に関する連作。完全解をえたチェッカーの人間の覇者を書いた人間の王。将棋やチェスのもとになったチャトランガを作ったシャカの子ラヒールの物語。そして量子歴史学なる学説が飛び出す千年の虚空。
    どれもドロッと色濃い人生が横たわっている。対局する人間達が一心に打ち込むことで理屈を超える瞬間に見る景色についての物語だ。それは時には神と称される。

  • どの短編も面白かった。様々なゲームについて、歴史や偉人をよく調べ、それを絶妙に物語にまぶしている感じ。最終話は少し理解が追い付かない部分もあったが、全体を通してはとても面白く読めた。

  • 玉石混淆の感があるが、「象を飛ばした王子」はよかった。

  • 古今東西のボードゲームを題材にした連作集だがゲームのルールを知らないとどれくらい読み込めるのかな。特に麻雀の話なんかは結構分かりにくいかも。

  • 著者:宮内悠介(1979-)
    内容: ボードゲームがテーマの短編集。


    【目次】
    目次 [005]

    盤上の夜 009
    人間の王 051
    清められた卓 101
    象を飛ばした王子 169
    千年の虚空 223
    原爆の局 277

    解説(沖方丁) [326-333]
    初出一覧 [334]


    【版元の書誌情報】
    判型:文庫判
    ページ数:334ページ
    初版:2014年4月11日
    ISBN:978-4-488-74701-5
    Cコード:C0193
    文庫コード:SF-み-2-1
    装画:瀬戸羽方
    装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。
    http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488018153

  • 盤面競技をめぐる幻想譚。
    本物の人物も出てくる話があり、おそらくモデルとなる人が想像できるものもあり、どこまで本当の話なの?というコンフュージョン。頭がくらくらしてくる。盤上のカオス。
    井上隆太って井山裕太ですよね。

全109件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

1979年生まれ。小説家。著書に『盤上の夜』『ヨハネルブルグの天使たち』など多数。

「2020年 『最初のテロリスト カラコーゾフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮内悠介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×