図解 安岡正篤の行動学

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492092330

作品紹介・あらすじ

歴代総理のご意見番が説いたリーダーの条件、組織のあり方とは。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史学者の武田氏による安岡哲学の入門書。

    安岡正篤氏の行動哲学が基礎としている陽明学の解説とともに、それ以外の思想的エッセンスを、時代背景と ともに説明してくれています。

    ワタシが安岡氏の思想に最初に出会ったのは、2,3年くらいのこと。致知出版社が毎日発行するメールマガジンを何かのきっかけで知ったことがスタートでした。

    そのメルマガの中に、「今日の一言」というのがあり、そこに毎日安岡先生の名言が掲載されているのですが、これを読むのが毎朝の楽しみになり、そこから、自然に安岡正篤とは何者なのか、という興味を持ったということです。

    安岡哲学は、いくつかチャレンジしていますが、解釈するのが精一杯で、なかなか味わうところまでは至らないでいましたので、そういう意味では、よいガイダンスになりました。

    陽明学とは、別名「実践の学問」と言われ、とにかく、知識を持っていてもそれを実践できなければ、ホンモノではないという基本思想があり、その点において、他の学派と一線を画していたようです。

    また、逆を返せば、実社会での成果を出せなければ、学問としても意味がない、ということになるわけで、戦乱の世においてもその戦乱を平らげ、治世においても有効であることを示すことができた、本物の学問であったということです。

    安岡氏は、この陽明学を基本としながらも、東洋思想を幅広く吸収された上で、独自の観点から行動哲学を組み立てていた、日本が誇るべき思想家であったと思います。

    これは初めて知った話ですが、安岡氏は、「昭和20年8月15日の終戦の詔勅に点検を加えた」のだそうで、その後の春の園遊会で、昭和天皇に「安岡、終戦の時には苦労をかけたね」と御言葉をかけられたという逸話の持ち主なのだそうです。

    凄い人なんですね。改めて、その凄さを知った気がします。

    この本で知った「恩田木工民親」なる人物の「日暮硯」という本と、安岡氏の著作のうちの「東洋宰相学」については近いうちにチャレンジしたいと思いました。

  • 内容の良さには申し分ないのだが、ご本人がまとめた内容ではなく、しかもとりあげている内容が一応テーマごとにはなっているものの、点でばらばらの印象を受ける。
    ただ、どのような人が陽明学を支持していたのかという歴史や陽明学の要点はまとまっており、図も多いため容易に理解できる。
    安岡先生亡き今、長きにわたって受け継がれてきたこの考えを体得し、次につなげていかなければならないと思わされる。

  • 人生の先輩に勧められた本。
    「「忙しい」と決して口にするな」
    「定見があっても臨機に応変すべし」
    「家法は守るが、因襲にとらわれるな」
    。。。深い。自分、まだまだだなって思える本。
    でも、これからは追求していきたい領域。

  • 心の修養を基礎とした人間精神の再形成。
    知行合一:心と身、認識と行動を一体化すること。
    知者はなんの惑うところもない。
    仁者はなんの憂うるところもない。
    行動はなにによってするかといえば、いかに動くことが利かという原理、原則で動くのだ。
    忙しい時ほど沈静であれ。
    苦労することの楽しみを知る。
    やるぞ!という気持ちを切り替える。
    他人を羨まず、嫌わず。
    読書の心得を会得せよ。
    人生の難問をあまり難しく考えるな。

  • 【目的】
    人間とはいかに生きるべきかを知る

    【引用】

    【感じたこと】
    近くのブックオフで正月休みに購入。

    【学んだこと】
    嫌な相手は感情的にならず、笑って受け流せ。
    言葉をよくかみ締めて読書せよ。
    他人を羨まず、嫌わず、自分を信じる。

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著者プロフィール

武田 鏡村(タケダ キョウソン)
歴史家
日本歴史宗教研究所所長、歴史家、作家。
1947年新潟県生まれ。1969年新潟大学卒業。長年にわたり、在野の歴史家として、通説にとらわれない実証的な史実研究を続ける。教科書に書かれない「歴史の真実」に鋭く斬り込む著書が多数ある。浄土真宗の僧籍も持つ。主な著書に『決定版 親鸞』『藩主 なるほど人物事典』『新時代の幕開けを演出した龍馬と十人の男たち』『坂本龍馬の行動学』『幕末維新の謎がすべてわかる本』などがある。

「2017年 『薩長史観の正体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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