ナラティブ経済学: 経済予測の全く新しい考え方

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492315330

作品紹介・あらすじ

人々の語る「物語」がいかに経済に影響を与え、経済を動かすかを分析した画期的な本。

世界を変えるニューテクノロジーに取り残されるわけにはいかない(ビットコイン)
ニューテクノロジーは雇用を破壊する(AI)
チューリップが売れるには合理的な理由がある(金融ウバブル)
銀行は大きすぎて潰せない(金融規制)
住宅価格は決して下がらない(不動産バブル)

本当か嘘かわからないけれど、ある物語は根拠なき熱狂となって人々の信念を変え、人々の行動を変えて、マクロ経済を大きく動かしてきた。

どうしてある物語だけが繰り返されて、神話となるのか?
どういうメカニズムで、神話化していくのか?
過去に、どのような神話が語られてきたのか?
脳科学的に、人々はなぜそうした神話を創り出したがるのか?

アニマルスピリット、それでも金融は素晴らしい、不道徳な見えざる手、と、現実経済を理解する上で
深い洞察を示してきたノーベル賞経済学者が、新しい経済学の方向を示す。
物語、という視点から現実経済を捉えなおす試みで、学者だけでなく、マーケット関係者や経済学の入門者まで、幅広く読者を獲得する可能性のある本。

感想・レビュー・書評

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  • 著者も未完成だと書くナラティブ経済学については頷ける部分も首をかしげる(山形浩生が指摘するようにナラティブの事例の引っ張り方について恣意的なモノを感じる)ところもあるが、ナラティブ―物語によって事物の因果を理解してしまうという―は人間の業ではないか。

    ミクロ経済、マクロ経済に限らず人は常に合理的な判断(だけ)を基に行動できるのではないし、合理的判断を下すのに十分な情報を手に入れられるわけでもない。

    なぜ人は特にインテリと呼ばれる人ほど陰謀論にはまっていくのか。これも本書の論旨で説明できるのだろう。

  • 20230324-0503 ノーベル経済学賞受賞者で、恐怖指数など様々な経済分析の手法を
    提唱しているロバート・シラー教授による新たな経済分析手法についての紹介本、といえばよいのだろうか。人々の語る「物語」=ナラティブに人々は魅了され、熱狂し、経済を動かし時にはバブルも生じさせるということか。訳はこなれていて読みやすいが、自分の読書速度が著しく遅いので大変時間がかかってしまった。筆者の提言にすべて納得できるわけではないが、日本のバブル経済の熱気を思えばそうなのかもしれない。

  • はじめに

  • ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
    https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/322131

  • その時代に人口に膾炙するナラティブが経済に影響を与える。それが本書のシラー教授の主張だ。
    銀行の取り付けなんて確かにそうだ。土地や住宅、株式市場のバブルもナラティブに多大な影響を受けていそうだし、長く続く日本のデフレを見れば物価だってそうかもしれない。
    それでもマクロ経済に与える影響はどうなんだろう。消費者や企業経営者の心理の変化は景気変動の要因の一つではあろうが因果関係はグルグル回っていそうで、原因を探すのは難しそうだ。ロボットやAIに仕事を奪われるというナラティブはなんども起こるが、それで消費を控えて景気後退、と結びつくわけではないだろう。
    ナラティブ経済学は示唆に富むが、人の心理と経済の間にはもっと複雑な関係がありそうだ。

  • ナラティブに注目して経済を語る。
    定量が難しいなか、Nグラムをもとに分析。
    しかし、未完成というか中途半端な内容。
    事例歴史はそのとおりだが、株の短期的なサプライズで十分検討できる内容。
    ビットコインもナラティブなのは違いなく現代の株価はナラティブ依存にも思う。

  • 前半部分でそのコンセプトは理解できる。その後は事例で反復しているように見えたので読み進めていない。

  • 面白いとは思うが、定量的研究を行うには、あまりにもプリミティブ。
    ブレークスルーを期待します

  • ノーベル賞学者、ロバートシラー教授の本なので、期待して読んでみた。

    ナラティブ経済学、物語経済学による「全く新しい経済予測の考え方」ということだったが、、、

    グーグルNグラムという過去の文献のテキストマイニングデータを使った、経済史とキーワードの振り返りが主で、少し冗長だった。

    あれ?経済予測は??補遺の数式を解けってこと??

  • ★ 「ナラティブ」とは語り手自身が紡ぐ物語 ストーリーとは意味の異なる新たな概念 ナラティブとは直訳すると「物語」という意味。 物語の筋書きや内容を指す「ストーリー」とは意味合いが異なり、ナラティブは私たちが一人ひとりが主体となって語る物語だ。
    ★ 「バイラル」とは英語で「ウィルス(virus)に関係する」「ウィルス性の」という意味を示す語である。 あたかもウィルス性の感染症のように、じわじわとユーザー間で口コミが広がっていく、という含意がある。
    ●しばしばビットコイン批判者たちは、それが投機バブルでしかないと述べる。バフェットはそれを「ギャンブルの装置だ」と述べた。支持者に言わせると、投機バブルと呼ぶのは侮辱の最たるものだ。

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