経済危機のルーツ ―モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか
- 東洋経済新報社 (2010年4月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492395325
感想・レビュー・書評
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製造業に従事する人間としてかなり驚きの内容!筆者は手帳のおじさんとしか認識なく、ダブルで驚きだった。。。
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時系列に書かれていて、内容もわかりやすい。
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学者がその専門分野で書く本は、当たり前だけど凄みがある。
超◯◯シリーズでオチャラケてるのとは訳がちがうw
70年代から現在までの(主に金融)経済の歴史がこのこの本のテーマだ。
以下、印象的な箇所をいくつか.....
・証券化は個別リスクには機能するが市場リスクに対しては機能しない(P180)
・ウィンブルドン減少は、イギリス経済を活性化させた(P228)
・90年代における「「英語不適応大国の凋落」は、必然の減少であった(P252)
・中国の工業化によって、中国と同じことをやている国が没落し、中国では出来ないことに転換した国が成長した(P257)
今後の提言については、金融が専門の学者さんなので、やや金融に偏った主義主張がなくもないが、一読の価値はあると思う。 -
買ってから読み終わるまでどんだけかかったことか…
内容は一年前に書かれた本だけど結構正確に今の状況言い当ててると思う。日本は、そして自分はこれからどうしたらいいんかな? -
世界金融・経済危機を
壮大な選別過程と捉え、
世界経済の歴史を振り返る本。 -
日本のGDPが伸びなかった理由は、90年代以降の世界経済の大変化に、日本が対応できなかったことである。
①冷戦終結と中国工業化という変化が生じた。これは、製造業の労働力が急増したのと同じことであり、製造業を中心的な産業とする日本経済に本質的な影響を与えた。しかし、日本はこれに対応できなかった。
②金融とITの面で、大きな変革が生じた。ITは個々の産業に限定されない一般的な技術であったが、日本は対応できなかった。また、新しい金融技術も、アメリカやイギリスの経済活動を一変させた。しかし、日本は受け入れなかった。
③新しいグローバリゼーションに対応できていない。これまで日本がおこなったきたことは、製造業の製品を輸出することだ。しかし、21世紀の世界においては、資本と人的資源に関して、新しいタイプのグローバリゼーションが進展している。しかし、日本はほぼ鎖国状態を続けている。
----------以下感想----------
製造業に関わる私にとって耳の痛い話になってしまった。
会社のメンバーは「危機感」は持っているだろうが、
「自社の戦略や市場に対する危機感」であって、
「世界における日本の構造上の危機感」
ではない。
会社生活残り30年。 -
しばらく前から、
一次・二次産業が、一部の独占欲によって、IT、金融業に遊ばれている、
この情勢はもうどうしようもないものなのか?
と思っていたときに偶然に目にして
きっとこの辺の流れが書いてあるものだと思い、手にとって見た。
なんといっても今のこの世の中。世界北朝鮮状態が進み続けている。
映画、ウォールストリートでも、
「今まで違法であるものを、合法にしてしまう」
という姿が描かれているようだが、誠にその通りの世の中だと思う。
で、この本だが、私の年齢では、読む価値は全くありませんでした。(苦笑)
前半戦は1970~1990年の世界経済の復習。
後半の8割は、それ以降の「語句解説」。
残りの2割は、(つまり、全体の1割)民主主義万歳、と書いてあるだけ。
全然本質を見ることが出来ていない。。。
駄本というか、紙の無駄です。
今の世の中、「物の移動を伴う商品」が基本的に追いやられています。
流通が大手を振るか、投機対象になるか。
つまり、モノを作る人は、流通も抑えないと、ちゃんと利益が上げられない仕組みになってきています。
今は商品価格の下落が止められている車も、電気自動車の出現で、えらいことになるハズです。
これを防ぐには、許認可を賄賂で抑える(これを、権民主主義とよんでいます。)ことが、
今までの世界の常識でしたが、今後はこの手を使うことは、なかなか難しくなるでしょう。
にしても、意味の無い本でした。
あ、そうそう。
装丁はしっかりしてましたよ。。。
押し花作りにはいいかもしれません。(苦笑)
http://uchidashin1.blog117.fc2.com/blog-entry-18.html -
経済危機のルーツ
著者 野口悠紀雄
1970年代からリーマン破綻後の2010年までの世界の変遷を経済を中心にまとめた本。繰り返し読みたい良本。
80年代の日本は、自らの強さを過信した。アメリカのバブルが、IT業界に資金を投入したのに対して、日本のバブルは、金の余った銀行が投資先を見つけられず、不動産に投資しただけというのが何とも皮肉である。 -
自分史の歴史より経済を語る一冊。
他国から学ぶ謙虚さ。
ハングリー精神から生まれる脱却と渇望を本書で改めて感じとった。