世界は危機を克服する: ケインズ主義2.0

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492444115

作品紹介・あらすじ

なぜ、大停滞から抜け出せないのか
世界の経済学者たちは何を議論してきたのか

1930年代の大恐慌から今日に至るまで、経済不況をめぐる論戦は、つねに「ケインズ主義対反ケインズ主義」の図式で争われてきた。21世紀の世界経済危機においても、反ケインズ主義陣営は「不況下の財政引き締め」を主張し、それに対してケインズ主義陣営は「超拡張的な金融政策とマイルドな財政政策のポリシー・ミックス」を主張してきた。日本の「アベノミクス」も後者の陣営に位置づけられる。本書は、大恐慌以来80年の経済論戦を展望し、世界の経済学者たちは何を議論してきたのか、世界経済はどこへ向かうのかを明らかにする。アベノミクスによって注目を集める「リフレ派」。野口旭教授はその代表的な論客の一人であり、本書は、野口教授の知的格闘を集大成した待望の書き下ろしである。

「この財政政策積極主義と金融政策消極主義によって特徴づけられる初期のケインズ主義は、現代の地点からは『ケインズ主義(I)』と呼ぶことが可能であろう。それに対して、今回の世界経済危機を経て浮かび上がってきた新しいケインズ主義は、いわば『ケインズ主義(II)』とでも名づけられるべきものである。本書の副題にあるように、これを『ケインズ主義2.0』といってもよいだろう。その本質は、赤字財政主義と金融政策積極主義の統合である。」──「終章」より

推薦の言葉──イェール大学名誉教授 浜田宏一
「今日の世界を眺めると、アメリカ経済は絶好調のようだが、FRBの金融緩和政策の「出口」を心配する人たちもいる。日本ではアベノミクスは大成功だったが、消費税増税の副作用が現れている。ユーロ圏はようやくアベノミクスに学んでデフレ退治に乗り出そうとしているが、ドイツはかつての日銀のように金融緩和政策に抵抗していた。中国の将来にもたくさんの不安定要因がある。このような時代にあっては、一人でも多くの国民が、経済メカニズムとその思想的背景を正しく理解することが重要である。
 私の共同研究者である野口旭教授は、国際経済学の専門家であると同時に、経済思想と現今の経済政策との関連の研究では、日本の第一人者である。アベノミクスの神髄を理解している数少ない経済学者の一人でもある。
 一人でも多くの読者が本書を熟読し、古いマルクス主義的思考の影響や、官庁の言いたいことを代弁している経済学者・エコノミストの影響を脱して、自分たちの生活を改善するのに役立つ経済学に目覚めてほしい。」

感想・レビュー・書評

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  • 2015年発行

  • マクロ経済・金融政策について、日米欧の変遷から現状まで分かりやすく解説。

  • 読了。世界の金融政策はこの一冊でほぼ説明されている。ただ、僕の読解力では読み終わるのに1ヶ月。長いし難しいし。。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:333.6//N93

  • 東2法経図・開架 333.6A/N93s//K

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著者プロフィール

[現職]専修大学経済学部教授。[専門]国際経済,経済政策,経済理論史。
『経済政策形成の研究―既得観念と経済学の相剋』(編著)ナカニシヤ出版,2007。『グローバル経済を学ぶ』ちくま新書,2007。『エコノミストたちの歪んだ水晶玉―経済学は役立たずか』東洋経済新報社,2006。『昭和恐慌の研究』(共著)東洋経済新報社,日経・経済図書文化賞,2004。『経済論戦―いまここにある危機の虚像と実像』日本評論社,2003。『ゼロからわかる経済の基本』講談社現代新書,2002。『構造改革論の誤解』(共著)東洋経済新報社,2001。『経済学における正統と異端―クラシックからモダンへ』(共編)昭和堂,1995。

「2012年 『変貌する現代国際経済』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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