シンプルな戦略: 戦い方のレベルを上げる実践アプローチ

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492533413

作品紹介・あらすじ

マッキンゼー在籍25年、パートナー経験20年のトップコンサルタントが教える
マッキンゼー流 至高の教科書

その戦略は一言で言えるか?

優れた戦略=シンプルな戦略を生み出す道筋がわかれば、戦い方のレベルアップが図れる。

優れた戦略は本来シンプルなものである。
戦略は考え抜き、大胆な判断を下すことで、
シンプルになるまで作り込み、磨き上げるものなのだ。

マッキンゼーにおいて、後進を指導する立場にある著者によれば、「戦略とは何か」の基本を理解しておらず、「戦略の作り方」の基本がわかっていない若手が多いという。

本書では、マッキンゼーならではのフレームワークを随所で紹介、わかりやすい事例もふまえて、現状分析からシンプルな戦略の構築、実行までの基本が学べる。

戦略構築の基本となる6つのステップ
 ステップ1:戦略目的を設定する
 ステップ2:境界条件を再確認、再定義する
 ステップ3:環境を認識し、自社独自の洞察を導く
 ステップ4:課題を抽出し、構造化する
 ステップ5:戦略的方向性を創出、選択する
 ステップ6:戦略としてまとめ上げる

基本の6つのステップをやりぬくことで、特にステップ4~ステップ6は行ったり来たりして質を高めることで、シンプルな戦略ができ上がる。

マッキンゼー日本支社において最も豊富なコンサルティング経験を有し、日本企業に対するコンサルティングをリードしている著者が、日本企業の潜在力を引き出し、戦い方のレベルを上げる実践アプローチの方法を指南する。

感想・レビュー・書評

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  • 『シンプルな戦略』マッキンゼー
    1.シンプルな戦略。3つの要素とは?
    ①勝てる
    ②儲かる
    ③顧客が喜ぶ

    2.1のメリット
    シンプル、ひとことでいえれば社内から支持されやすく、実行しやすいこと。

    3.策定方法のポイント
    帰納法アプローチの場合は、最新のFACTでやること。
    演繹法アプローチの場合は、自社が5、10年後なりたい姿から逆算する。
    そして、仕上げは絞りこみ。

    これは、論点思考と同じく、実行できる、かつ利益が実現しやすい方法を選択するである。

    4.最後に
    大切かつ漏れているのは、過去の戦略の実行、未実行、結果の原因のなぜの洗い出し。
    やりっぱなしは、もったいない。
    原因を蓄積するはブランドを強くするに必要だ。

  • (再読)
    やっぱり名著!
    ・シンプルに次の質問に答える
     – 顧客にとって嬉しいことかどうか(顧客価値)?
     – それは他社は違うのか(差別化)?
     – 自社は儲かるのか(収益性)?
    ・そして、それぞれ3つ(くらい)の理由がある
    ・環境変化に合わせて消費者や競合はどう変わるのかを考える?
    ・”努めて”境界条件(前提条件)を外す
     – 「前提を外すと?」
    ・分析は洞察を導くためのもの
    ・コインの裏返しではなく、A、B、Cという課題を組み合わせて、ひねって、貫いて解決
     – 「その下に隠れている本当の課題は何か?」
    ・ユニークな洞察こそがユニークな戦略を生む
     – 洞察を人前で言う

  • 優れた戦略はシンプルな ものである。

    1 なぜシンプルな戦略が必要なのか
    2 そもそも戦略とはなにか
    3 シンプルな戦略の3つのパターン
    4 シンプルな戦略で成功するためにもとめらるもの


  • 戦略論の良著。具体例も豊富でわかりやすい。
    また読みたいと思える一冊。

    <メモ>
    ・典型的な悪例①具体的な目的、達成する明快な方向性、整合する一連のアクションが備わっていない②顧客、競合、自社という3要素をバランスよく捉えていない③網羅しているが複雑すぎて、要はどんな戦略なのか判然としない。④あれもこれもで的が絞られていない⑤隣の会社にもっていっても通用する、10年後も通用する、独自性・具体性がない
    ・シンプルな戦略とはどのようなものか①目的や達成したい目標が明快かつ具体的、戦略としての方向性が絞り込まれている②戦略が有効であるか明確で説得力がある。③戦略全体を一言で言え、わかりやすく伝えやすい。④戦略の3大基本要件を満たしている。顧客に喜ばれ、競争に勝て、儲かる⑤ぶれない継続性や組織の一体感とエキサイトメントを生み出し、現状打破、難題解決を促進できる。
    ・トップは戦略を作り、徹底させ、デボトルネッキングする三つの意味でリーダーシップが必要。
    ・課題をうまく構造かすることによって、二つか三つのの答えで解決すること
    ・シンプルな戦略構築の6つのステップ
    ①戦略の目的を具体的に明文化する
    ②戦略の策定・実行における境界条件を極力広く再定義する③経営環境を多面的に捉え、独自の洞察を創出する
    ④目的達成に向けた重要課題を抽出。構造化し真の重要課題を絞り込む
    ⑤方向性のオプションを導出、選択、方向性に沿ったアクションを設計する。
    ⑥戦略全体を所定のフォーマットにまとめ上げる
    ・戦略構築、実行における境界条件を明白に。網羅的に書き出してみることが効果的。価値感、戦略方向性、事業モデル、事業領域、経営資源、ビジネスプラクティス
    否定をなくすことによって、解決策の選択の幅が広がる。新しい視点や斬新な発想が出やすくなる。
    ・SCP分析 業界構造、企業行動、結果
    ・重要課題とはすべての課題から4つか5つに絞り込んだもので、それらを解決すれば目的の8割か9割を達成しうるものをいう。
    ・構造化とはある特定の視点から複数の課題をまとめて本質的な課題としてくくりなおすのである。
    ・コインの裏返し的な解決策ではいけない。
    ・他業界からの発想。食品でipodのアイデアを活かす。食品でナイキになる。など
    ・戦略構築チェックリスト①戦略目的の設定→目的は明文化され、共有されているか。十分にチャレンジングかつ具体的か②境界条件の再定義→すべての境界条件の候補を網羅できているか。なるべく否定して、境界条件を最小にしたか③環境分析と洞察→環境分析は最新のファクトに基づいて体系的に行ったか。他者ともこれまでとも違う独自の洞察を導出できたか④課題の抽出→戦略課題を構造的に捉えているか。十分に絞り込まれており具体的化⑤戦略的方向性の創出→複数オプションを創出できたか。明確な基準に基づいて1つを選択しているか。重要アクションを絞り込めているか。⑥まとめ上げ→戦略は顧客に嬉しいか、競合と差別化されて、競合に勝るものか、自社に継続的に利益をもたらせるか。
    ・シンプルな戦略の代表的なパターン①何かを広げることで成長や深化を目指す。できるできないより、どうやるかという発想②目指すゴールからスタートする長い時間軸に適した戦略。
    ・どんな商品、サービスにもあてはまる顧客ニーズ
    ①経済性②利便性③ソリューション④品ぞろえ⑤人間関係⑥楽しさ
    ・3Cで市場、競合、自社に対する意味合いを3つ引き出し、9つの意味合いを組み合わせて新たな3つの意味合いに昇華させる。
    ・成長の軸 市場(地域)、顧客、商品、チャネル、用途、バリューチェーン、提供物、顧客ニーズ、
    ・想像と創造の源になるリソースは他業界や他事業、ビジネスの外にいろいろある。自社にあてはめて活用できないか発想するなど
    ・シンプルな戦略の要件①手法やフレームワーク等に支えられた思考とスキル:論理、分析、洞察、アイデア創出②考え抜き、議論しつくし、腹をくくる③無理だと思われるストレッチゴールと無茶だと思われる境界条件の広さ④トップのビジョナリーで前向きで直接的なリーダーシップ⑤組織全体を巻き込むエキサイトメントやわくわく感
    ・同じファクトをいかに多面的に見ることができるかが重要。
    ・洞察は事実や論理に基づいて本質を究めるインサイトと直感的に将来を見通すフォアサイトの双方が重要。
    ・インサイトはロジカル。自分への問いかけを重ねていく
    ・洞察はユニークさが大切。人と同じものをみていかに人と違う意味を読みとることができるか。それによってイノベーションや差別化された戦略が導き出される。自分の洞察を人前でいってみること。
    ・高い目標と境界条件の開放は相互関係にある。片方が高ければもう片方も広くなる。目標を高くすれば境界条件を開放することにつながる。

  • ケースを交えてわかりやすく戦略立案の基本を学べる良書。

    戦略とスローガンが、混同しがちな企業において目的に対しwhy?、how?を繰り返して戦略に落とし込むことは当たり前のように見えて見落とされがちであり、その落とし穴にハマる企業が多いと感じる。

  • 戦略が分かりにくい=戦略として伝わらない
    つまりは立てたはいいけど無意味な戦略。
    分かりやすい戦略とは考えに考え抜かれた結果、
    一言で言い表すことが出来、結果として浸透し、
    実現に向かって邁進していくことが可能となるもの。

    そういった戦略は残念ながら少ないのが実情。
    では、どうすれば分かりやすい戦略が立てられるか?
    について論じられています。

    が、正直なところ、突き詰めて考える=経験するしかなく、
    本書でも半ば経験しかないみたいな結論になっているのは、
    本として果たして意味があったのだろうか?と思う。

    とはいえ、駄目なポイントは散りばめられていたので、
    反面教師として学ぶのは良いかなと思いました。

    【勉強になった内容】
    ・シンプルな戦略とは、次の3大要件を満たす戦略
     ①顧客にとって、うれしいことか?
     ②それは他の会社とは違うのか?
     ③自社は儲かるのか?

    ・戦略は目標を立てるだけではなく、
     それをどのようにして実現するのか?といった
     筋道しかもかなり現実的な筋道を示されなければ、
     戦略として意味を成さない。

    ・トップの役割
     戦略を作る、徹底させる、問題発生時に解決する
     といった3つの視点でのリーダーシップを発揮すること

    ・アイデアは組み合わせによって出来るもの。
     無から生み出すのではなく、組み合わせることが重要。
     そのためにも日頃から情報収集を怠ってはならない。

    ・自社を客観的に認識するために必要なポイント
     ①売上や利益をはじめとした数値や顧客サーベイの結果など
      自社を客観的に捉えるハードファクト
     ②独りよがりにならず、自社の強みも弱みも
      第三社的に受け入れるマインドセット

    ・戦略にはチャレンジが盛り込まれている必要がある。
     チャレンジなくして成長、発展は望めないため。
     そのため、1つや2つの足りない要素があっても
     気にする必要はないが、足りない要素が10あった場合は、
     戦略を見直すべきである。

    ・シンプルな戦略に求められる思考
     ①論理力、構造化
      いわゆるロジックツリーが書けること
     ②分析力
      Why, Howを何度も繰り返す能力
     ③洞察力
      ユニーク(自分の考え)を持って、入手した情報を
      正しい目的に使用すること。
      そのためには、言われてやるのではなく、
      自分の視点で考え、その考えを発言することが重要。
      自分の意見が無い時点でユニークではない。

    ・意思決定とは、捨てるべきことを決めることである。
     特にトップは下からの提案の承認ではなく、
     自分自身で判断することが能力として求められる。
     そのためにも、「みんなで」や「会社として」ではなく、
    「自分が」こうしたいと自分がやりたいと発言することが重要。

  • 戦略が簡単につくれるという話ではない。当然ながら。
    突き詰めて考えられた戦略は結果としてシンプルであるという話。

    本書を読む限り、戦略をつくる作法は、システマティックにやれる部分とアーティスティックにやる部分があることが分かる。

    システマティックにやる部分に関しては、非常に分かりやすく書いてあると思ったし、M社がこういうことを標準化してやっているのだとしたら、中々凄いなと思った。

    アーティスティックな部分に関しては、ヒントはあるものの、やはり試行錯誤するしかないのかなという感じがした。
    要は、とある事象から何をイシューとして抽出するかや、イシューに対する打ち手を出す(イシューの単なる裏返しではない)ところというのは、こう大局的な視点に立って、グワッとまとめ上げることが必要で(そうじゃないと各イシューの裏返しの羅列になるので、)そこはちょっとジャンプが必要だなと。

    ただ、システマティックな部分だけでも本書に倣うことで、かなりスピードや精度は上がるのではないかと思った。

  • 目的や達成したい目標が明確かつ具体的なうえ、戦略としての基本的な方向性が絞り込まれている。
    戦略を明文化する。
    説得力がある。3大基本要件は、顧客に喜ばれ、競争に勝てる、儲かる。
    ぶれない継続性や組織の一体感とエキサイトメントを生み出し現状打破、難題解決を促進できる。
    考え抜き、議論し尽くす

  • ビジネス戦略を作るためのアプローチが整理されており、参考になった。課題の形成の仕方はもちろん、課題を導いて、それを個別に対策するのでなく、包括的に見てクリアできる策を考える、など。読むだけでなく、自分のことを考えてみなくては。

  • シンプルに戦略をかたることができるか。
    そのためには、どこまで考えて絞り、また考えて絞り、と繰り返すことが大事。
    しかも、俯瞰してみると言うか、ただこの戦略が足りないから、足そうという単純なことでは、解決しない。全体をまとめて解決する方法が大事。
    戦略を正座のように見る。

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著者プロフィール

山梨 広一(ヤマナシ ヒロカズ)
1954年東京生まれ。東京大学経済学部卒業。スタンフォード大学経営大学院(経営学修士)修了。富士写真フイルムを経て、90年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。95年からパートナー、2003年からシニアパートナー。小売業、消費財メーカーおよびその他業界の企業の戦略構築や組織変革、マーケティング、オペレーション改革など、マッキンゼー日本支社において最も豊富なコンサルティング経験を有する。2010年から2014年まで、東京大学工学部大学院TMI(技術経営戦略学専攻)で「企業戦略論」の講座を指導。2014年、マッキンゼー退社後、イオン株式会社執行役を経て顧問。2016年から株式会社LIXILグループ取締役、東京都顧問、マッキンゼーシニアアドバイザー。著書に『プロヴォカティブ・シンキング 面白がる思考』、『シンプルな戦略 戦い方のレベルを上げる実践アプローチ』(以上、東洋経済新報社)、『マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力』(ダイヤモンド社)、『3原則 働き方を自分らしくデザインする』(SBクリエイティブ)などがある。

「2017年 『必ずできる。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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