- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492534090
作品紹介・あらすじ
不確実性の高いビジネス環境に〝計画〟はいらない!
世界最強組織のアメリカ海兵隊が行動の基本原則とするOODAループが、
いまアメリカの優良企業に広がっている。
OODAループとは何か? PDCAサイクルと何が違うのか?
OODAループの提唱者であるジョン・ボイドの愛弟子である著者が、
ビジネスを事例にOODAループを解説した古典的名著、待望の翻訳!
***
◆OODAループとは?
観察→情勢判断→意思決定→行動という4つのフェーズを
サイクルではなく、ループさせることで、
目の前で起こっている環境に合わせた判断を現場レベルで下し、
組織で目的を達成するための意思決定スキルです。
◆AI時代に求められるスキル!
ここ数年、急速に発展している、
AI、IOT、ビックデータ、ソーシャルメディアという流れのなかで、
リアルタイムにデータを収集し、即座に判断して行動に移すという
OODAループが競争優位を築くための鍵になります。
◆勝つべくして勝つ組織に変わる!
OODAループを高速で回すためには、組織文化が基礎となります。
チームメンバーが同じゴールを目指す組織が共通して持つ組織文化です。
・相互信頼を醸成している
・直観的能力を活用している
・リーダーシップ契約を実行している
・焦点と方向性を与えている
OODAループを取り入れることで、
この組織文化を生み出すことにつながります。
◆不確実性の高い環境で活躍する変革型リーダーになれる!
OODAループは変革を求めるリーダーに必須のスキルです。
変革型リーダーは、目標達成のために権限を現場に委譲します。
重要な役割は、チームメンバーに同じゴールを目指させることです。
そのために必要なことは、既存のPDCAサイクルを見直し、
OODAループを回すための仕組みづくりから着手することです。
◆日本語版オリジナル! 充実した訳者解説!
本書の原書は出版後すでに20年近くが経過しているので、
最新の事例が書かれていません。
また、ビジネスパーソンには馴染みがない軍事的は内容にも触れています。
それを補うために、日本語翻訳版のオリジナルとして、
各章末および巻末に、最近の事例をふまえた訳者解説を掲載しています。
感想・レビュー・書評
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【感想】
うーん。
OODAループについては、「PDCAの方が絶対にイイ」という一言に尽きる。
そもそも本書自体が、良くも悪くも「文献」という感じの1冊だった。
そもそも「OODA LOOPとは何か?」に行き着くまでに100ページもかかるとは、、、余談が多すぎる。
要するに、「PDCA」が演繹的なアプローチであるのに対し、「OODA」は帰納的なアプローチで解決へ導くという事らしい。
PDCAにおいて、「Planの構築に時間がかかる」という欠陥を指摘し、より迅速な「観察」⇒「情勢判断」⇒(「意思決定」⇒)「行動」というサイクルで回すとの事。
と、いうようなアジリティ(機敏性)を重視した思考法らしいのだが、アジリティという面を考えると、確実に普通の思考法がイイのでは?と思った。
迅速さを優先するにあたり、「観察」と「情勢判断」というプロセスは遅くなる要因だし、「そもそも慣れてなくちゃOODAの方が遅くなるでしょ」と、読んでいてツっこみそうになった。
ダラダラと長いわりに蛇足が多く、メインテーマであるOODAもツッコミどころが満載だったかなぁ。
正直なところ、実用性の小さい思考方法だなと思いました。
【内容まとめ】
1.OODA LOOPとは何か?
敵よりも迅速で作戦を遂行し、心理的影響を及ぼせば、「戦わずして勝つ」。そんなアプローチ法
2.OODAのサイクル
Observe「観察」
→環境を観察する。環境には自分自身、あるいは物理的・心理的・精神的状況、潜在的な敵味方が含まれる。
Orient「情勢判断」
→観察したものすべてが何を意味するのかについて情勢判断し、自らを方向づける。
Deside「意思決定」
→ある種の決定を行う。
Act「行動」
→その決定を実行に移す。
3.情勢判断
OODA LOOPの中で最も鍵となるプロセス。
観察して得た情報を、過去の経験やアイデア、情報、推測など色々な要素と組み合わせて「多面的で暗黙的な相互言及」をつくりだす。
4.勝利する兵は、最初に勝ち、それから戦場に赴く。
負ける兵は、最初に戦場に行き、そこで勝利を模索する。
【引用】
Observe「観察」
Orient「情勢判断」
Deside「意思決定」
Act「行動」
p54
・アジリティ(機敏性)
何が勝利へと導くのだろうか。
この問いは本書の大半で取り上げるものであり、その答えはアジリティ(機敏性)という概念で知られるものを基礎としている。
アジリティとは、外部の世界で起こっているめまぐるしい環境変化に即応して、自らの方向性を変化させることのできる能力を意味する。
p89
・相互信頼
一体感、結束力を生む相互信頼はすべての基礎になる。
部下一人一人をチェックし、コントロールしようという衝動に負けてはならない!
しかし、その信頼は望んで得られるようなものでは決してない。
win-winの関係というだけでもない。
同じ釜の飯を食い、体験の共有を促進することが、相互信頼につながる!
危険と苦難に満ちた過酷な条件の下で何年も戦うことで、お互いを愛することができ、苦難と喜びを分かち合えるのである。
p106
・OODA LOOPとは何か?
敵よりも迅速で作戦を遂行し、心理的影響を及ぼせば、「戦わずして勝つ」。
Observe「観察」
→環境を観察する。環境には自分自身、あるいは物理的・心理的・精神的状況、潜在的な敵味方が含まれる。
Orient「情勢判断」
→観察したものすべてが何を意味するのかについて情勢判断し、自らを方向づける。
Deside「意思決定」
→ある種の決定を行う。
Act「行動」
→その決定を実行に移す。
p108
・情勢判断
OODA LOOPの中で最も鍵となるプロセス。
観察して得た情報を、過去の経験やアイデア、情報、推測など色々な要素と組み合わせて「多面的で暗黙的な相互言及」をつくりだす。
p128
勝利する兵は、最初に勝ち、それから戦場に赴く。
負ける兵は、最初に戦場に行き、そこで勝利を模索する。
p179
相互信頼は共通の体験から生み出される。
信頼は人々に所属意識を与える。
会社の将来に関心を持ち、帰属意識を持ち、自分の時間と才能を惜しみなく捧げるようになる。
相互信頼を構築することにより、OODA LOOPを高速で回すことができ、顧客や競争相手に戦略的効果、インパクトを及ぼすことができるようになる。
p313
OODA LOOPは「観察」→「情勢判断」→「意思決定」→「行動」ではない。
理想は「観察」→「情勢判断」→「行動」のサイクルである。
p320
・日本企業にはびこるPDCAサイクルの呪縛
Planが重視され、そこに時間をかけるあまり、適切なタイミングを逸するという弊害が生じる可能性がある。
また不確実性が高く、データもあまりない状況ではPDCAは生きない。。。
その場合に活きるのは、「観察」という仮説思考的なアプローチである。
事態の流れ、特に潜在的な流れを的確に掴み、小刻みな実験や検証を積み重ねる事で不確実性を削減していく。
PDCAが演繹的なアプローチであるのに対し、OODA LOOPは帰納的なアプローチ。
状況に応じて使い分ける事が大切。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一通り読んだが、ほとんど内容が頭に入ってこな買った。。。
とても読みづらく、途中から何の話しを書いてるのかがよく分からなくなって、まだ自分には早かったかも。
最後の訳者の後書きが一番分かりやすかった。 -
OODAは、それが必要な場合の手順であり、理想はOOAということをしった。使う場面を考えれば、たしかにそうなのだろうと思う。
PDCAとどちらが優れているというものではなく、状況によって使い分ければよい。どちらかというと、PDCAを使う場面のほうが多いんじゃないか。
ベンチャー企業や障害対応など、開発・対応に一刻を争うような場合は、OODAをベースに回すのかもしれない。暗黙知、阿吽の呼吸がものをいう世界。
反対に、平常時の仕事でそこまで必要になるかと言われると、そうでもないと思ってしまう。 -
最近バズワード化しているOODAループの原典翻訳本。PDCAサイクルとの対立構図で(ともすると煽り気味に)紹介されることが多いが、ITエンジニア的にはアジャイル開発の文脈で語られてきた話と近く、別にPDCAを否定する概念ではないと思った。安易に乗せられず、かといって斜に構えすぎず適材適所で使い分けるのが大切だなと。暗黙的コミュニケーションや直観的能力が重視されているのは意外。原書がそうなのか文章がやや難解なのは欠点かな…
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2004年に原書が発表され、2019年に日本語訳ということで、本書は翻訳者の原田氏が各章のサマリーと最後にまとめて解説というアップデートした内容になったことで、怪我の功名か、より理解しやすい内容となっている。
忙しい人は、各章のまとめと最後の解説だけ読んでも大筋の理解は可能。しかし、経営コンサルタントでもある著者の分析手法も素晴らしいので読んでおいて損はない。
例えば、戦略モデルにおけるハードとソフトの決定的な差異の指摘(P74)、電撃戦における成功の4つ要因のビジネスへの適用(P88)、OODAの神髄は以心伝心であること(P124)など興味深い示唆に富んでいる。
そして、巻末の訳者解説は必読です。
アップルの幹部が「当社では3か月計画を事業計画と言い、1か年計画を中期計画と呼びます」「日本では、3か年計画や5か年計画を中期計画と呼んでいますが・・」「それは、ドリームといいます」というネタ話から始まり、成功した日本のPCDAサイクル(トヨタ)には暗黙の裡にOODAが組み込まれているという指摘、雪の中で遭難した偵察隊がいかにして帰還できたのかという事例やPCDAサイクルとOODAループの比較図(とてもわかりやすい)など本書を理解するうえで優れた手引書となっている点は高く評価したい。
以下は本書PRから。
不確実性の高いビジネス環境に〝計画〟はいらない!
世界最強組織のアメリカ海兵隊が行動の基本原則とするOODAループが、いまアメリカの優良企業に広がっている。OODAループとは何か? PDCAサイクルと何が違うのか?OODAループの提唱者であるジョン・ボイドの愛弟子である著者が、ビジネスを事例にOODAループを解説した古典的名著、待望の翻訳!
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◆OODAループとは?
観察(Observe)→情勢判断(Orient)→意思決定(Decide)→行動(Act)という4つのフェーズをサイクルではなく、ループさせることで、目の前で起こっている環境に合わせた判断を現場レベルで下し、組織で目的を達成するための意思決定スキルです。
◆AI時代に求められるスキル!
ここ数年、急速に発展している、AI、IOT、ビックデータ、ソーシャルメディアという流れのなかで、リアルタイムにデータを収集し、即座に判断して行動に移すというOODAループが競争優位を築くための鍵になります。
◆勝つべくして勝つ組織に変わる!
OODAループを高速で回すためには、組織文化が基礎となります。チームメンバーが同じゴールを目指す組織が共通して持つ組織文化です。
・相互信頼を醸成している
・直観的能力を活用している
・リーダーシップ契約を実行している
・焦点と方向性を与えている
OODAループを取り入れることで、この組織文化を生み出すことにつながります。
◆不確実性の高い環境で活躍する変革型リーダーになれる!
OODAループは変革を求めるリーダーに必須のスキルです。変革型リーダーは、目標達成のために権限を現場に委譲します。重要な役割は、チームメンバーに同じゴールを目指させることです。そのために必要なことは、既存のPDCAサイクルを見直し、OODAループを回すための仕組みづくりから着手することです。
◆日本語版オリジナル! 充実した訳者解説!
本書の原書は出版後すでに20年近くが経過しているので、最新の事例が書かれていません。また、ビジネスパーソンには馴染みがない軍事的は内容にも触れています。それを補うために、日本語翻訳版のオリジナルとして、各章末および巻末に、最近の事例をふまえた訳者解説を掲載しています。 -
ビジネスにおいても、様々な情報か膨大に入手できる今の時代にこそフィットする考え方かなぁ。個人的には汎用性高い好きな思考方法でした。
ただPDCAとの比較論で語るのではなく、OODAとPDCAの両方に良い面があり、局面やレイヤーごとに使い倒せる技量で差がつくのだと思う。