兜町コンフィデンシャル: 株式市場の裏側で何が起きているのか

著者 :
  • 東洋経済新報社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492732588

感想・レビュー・書評

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  • クレイフィッシュの元社長が書いた『追われ者』を読んで当時の株式市場に興味を持って調べた結果この本に行き着いた。

    話題が多いので話について行くのが大変な本。
    「前述の誰々が」と言われてもどんな人だったか思い出せないこと多数。

    しかし2000年代の株式市場がどんなだったか窺い知れる貴重な本。取材は大変だっただろうと推察される。

    余談だが本の中に登場するアイシーエフの佐藤克社長の当時のインタビュー記事がまだネットで読むことが出来た。
    上場企業の社長にしてはずいぶん軽いなと感じた。
    https://allabout.co.jp/gm/gc/291431/2/

  • 書いてることはナニワ金融道並に面白いけど、登場人物が多すぎる上に、話の並びがごちゃごちゃしているので、何がなんやらわからなくなるところが多い。でも、面白い。
    最後まで読んでみたけど、本当に話飛びすぎるのが残念すぎる。でも、面白い。
    医療機器は病院オーナー個人会社のMS法人をとおして納入するのが慣例。
    私費CB、MSCB→割当先が相場より安く仕入れて売り抜けて利ざやをとる。その後、割りを食うのは一般市場参加者。
    カランバーグ法人=壮大な仕手ゲームのため外国に登記した割当先法人。
    日本でこんなにも新興企業や死にかけ企業が弄ばれるのは、新株発行の決定を取締役会決議だけで可能なため。米国も原則は取締役会決議だけで可能だが、証券取引所の自主規制により、株主総会決議と求められる。
    アレンジャー=エクイティファイナンスのまとめ役。

  • 2015/07/25読了。

    株式市場における、私募CBや仕手筋に関する、ノンフィクションである。

    株式市場で、2000年~リーマンショックまでに起きた、私募CBや怪しい株価の動きをした企業について、さまざまな方面から取材をした結果が記されている。

    最終章にはリーマンブラザーズやBNPパリバの収益至上主義が引き起こした来月の例も記されている。

    取材の過程では十分な証拠が見つからず、状況証拠から類推している部分もあるが、おおむねしっかりとしたエビデンスをおさえており、大変興味深かった。

  • 前著の「粉飾の論理」がめちゃめちゃおもしろかったので期待して購入。前著でも、市場の裏側にうごめく不気味な人脈を活写していたのだけど、今回はさらにつっこんでいる。経営者側からの記述が多かった前著に対して、今回は裏側の人々の記述がとても多い。

    上場企業にまつわるわりと有名な事件からそうでもない小さな事件まで取り上げて、それぞれの事件の経緯をとても丁寧に描いています。そういうひとつひとつの事件はそれぞれ関係ないように見えて、少数の人物たちのつながりのなかで展開されているのを、丁寧な取材であぶり出している。そういう人脈を追っていくところなんて、ミステリー小説を読んでるようなスリリングさがあります。最後まではっきりしないつながりがあったり、あまりに複雑に入り組んだ関係でちょっと読んだだけじゃぜんぜん把握できなかったり、というのはミステリー小説とは違うところ。

    上場企業といったら一般にはそれなりに優良企業というイメージがあるけれど、そんなところにもこれだけの反社会勢力が食い込んでいるってのは本当に恐ろしい。そうした反社会的勢力が、時には合従連衡したり、時には追い落としや裏切りを画策したりという過程で会社が食い物にされていくのは、じつは僕たちが思っている以上に多いのかもしれない。

  • 株式市場にまつわる裏話という感じ。
    いくつかのケースを取り上げられていて、仕手筋というものがよくわかる。
    ただ、全体的にまとまりがない印象を受けた。
    想像していたのとは違って、ただひたすらに事件をレポートしているだけで、週刊誌の記事を読んでいる感覚だった。

  • 最近の株式市場でのスキャンダルを取材したもの。多くが実名で書かれており、ちょっと懐かしい感じで読める。私募CBに絡んだ話題が多く、いったん上場してしまうとほとんど紙幣を刷るのと同じ感覚で株券を刷り、後は野となれ、、、という事件が多いようだ。松島庸が株券紛失事件後、「胡散臭いというより、比較するものがなかったので、わからなかった」と言ったことが引用されているが、「ポッと出」の若者に群がってエクイティ・ファイナンスを繰り返させ、やがて「ハコ」企業(いいネーミングだなぁ。。。)と化してゆく様はどれも同じように見える。リキッドオーディオ、クレイフィッシュ、ファーネス工業、ゼクー、南の建設、プライムシステム(サンライズテクノロジー)、丸石自転車、ICF、梁山泊などの事例が載っている。

  • 実態に即した内容で、面白い。

    株屋の裏側がよく分かる内容でした

  • 図書館で借りた本

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。93年早稲田大学教育学部卒業。日刊工業新聞社を経て、98年から東洋経済新報社記者。2009年に同社を退社、現在はフリーランスのジャーナリストとして『週刊東洋経済』『文藝春秋』『FACTA』など各誌を中心に多数寄稿。
『ドキュメント ゼネコン自壊』『粉飾の論理』、新潮ドキュメント賞候補になった『凋落 木村剛と大島健伸』(以上、東洋経済新報社)、『創価学会秘史』(講談社)などの著書がある。

「2022年 『亀裂 創業家の悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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