若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492761649

作品紹介・あらすじ

やりたいことができないのはあたりまえのことなのか、休みがほとんどゼロなのはどれくらい異常なのか、給料は他社と比べて高いのか・安いのか、実力主義でない人事制度にみんな満足しているのか…。客観的に会社の位置づけを分析できたなら、余計な不安に陥ることなく、もっと合理的なキャリア判断ができたのではないか-第一線で活躍する社員200人に、500時間徹底取材。「3年で3割辞める時代」の幸せなキャリアづくり。

感想・レビュー・書評

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  • 若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか 単行本(ソフトカバー) – 2007/2/23

    CMなどで有名企業だからと言って働く場としてふさわしいとはかぎらない
    2010年10月3日記述

    「CMなどで有名企業だからと言って働く場としてふさわしいとはかぎらない」これは皆がうすうす知っていることではあると思う。

    しかし実際に働いていた人々からの丹念な取材をもとに書いた就職活動指南の書籍はそれほど充実していない意味から言ってもこの本に書かれている事は貴重である。

    また2007年2月出版であるので少し情報が古くはなっている。しかし、それまでの企業社会で起きていた一部を知る手がかりになる。また著者が新聞社出身であることから新聞社の労働環境の過酷さを知ることになった。なぜマスコミが世間一般とやや違う感覚で報道してしまうのかという事を少し理解する手がかりになった。

    特にマスコミ関連については相当なまで信頼できると言えるのではないか。

    ただ上にも書いたようにリーマン・ショック以降の就職前線は一変しておりそのことは理解した上で就職活動をする学生は読むべきだろう。

    もちろんマスコミ内部や他業種の構造がどうなっているのかなどを知りたい人にとっても参考になる良い本だと思う。


  • コンサル経験がある筆者だけあって、カテゴライズはなるほど。既に退職した弊社も、当てはまる部分があったので確かになと思った。ただちょっと環境も変わってきて、今と違うかも、と思う部分はあった。多分この10数年で色々人事制度や経営方針が変わったのかと。

    なぜ若者が会社選びに失敗するか、については言及ほぼなかったのでそこはまあ…。

  • 大手企業にフォーカスした内情をかなりぶっちゃけレベルで書いている本。これを学生時代に読んでいたら正直就活が少しは変わっていたのかと思う。

    特に免許産業である新聞(テレビ局も含む)業界については、著者の出身業界ということもあるだろうが「職がなくなっても転職や食っていけるだけのスキルを身につけている人間などほとんどいない」という痛烈な批判をしている。

    確かに日本の労働市場というのはいわゆる外資系企業と比べると流動性が非常に低く、大手企業であればあるほど(さらに業界にもよるだろうが)新卒で入った人材以外を中途で新規に雇い入れようとはしない。

    労働人口が減少していくのが目に見えている中で、大手企業といえども、日本の労働市場は流動性を高めることを余儀なくされていくと思う。

    また、これは学生時代から思っていたことだが、日本の国力の源泉ともいえる製造業については給与が低すぎるのではないかと思う。この「低すぎる」というのは、上述した免許業界(いわゆる規制産業)だったり、戦後からの歴史の流れでビジネスモデルを作り上げ、現在までその構成を保ち続けている大手商社、金融などと比べるとという意味である。これについては著者も同様の見解を述べており、製造業での平均給与を上げていかなければ、理系の人間がどんどん製造業から離れて行ってしまうのではないかと個人的には危惧している。

    ユニクロの柳井氏の言だが、若手の人間が働く中でモチベーションを保つために必要なことは「給与」「自己の成長」「周りの称賛」だそうだ。個人的にこれは非常にうなずける。この給与の部分の業界間格差を埋めていくことも、日本国内での優秀な人材確保のた目には必要なのではないか。

  • 『企業ミシュラン』
    転職力をつけたい人は、平均年齢が若い、人材を輩出している、規制がなく扱うものが軽薄短小なもの。
    リクルートは38歳定年制だった。
    過当競争の業界のほうが、短期的にはスキルが磨かれる。電力、ガス、JRなど地域独占的な会社はのんびりする。
    ソニーは、若いうちから任せてもらえるが自動車はそうはいかない。
    テレビ局は規制業界なので、仕事をしない人が間接部門にたくさんいる。
    規制緩和業種=銀行の例。アメリカの航空業界。
    メディアや航空は、規制緩和されない。
    日本生命や東京海上はつぶしがきかない。
    離職率が高いからと言って悪い会社、ではない。
    大会社は、良い評価だと希望の部署に行けないことがある。
    JTBは優秀な人ほどやめる。3年で3割。
    モノカルチャー企業は、やめたくてもやめられない。航空業界、新聞社、野村證券など。
    外資系=英語を使う、わけではない。外国には行けない。
    キャリアの上積み感があれば、時間を忘れる。
    社員の人柄で見る。社内の人間関係で選ぶ。女性の活躍で選ぶ。

    総人件費は給料の1.4倍。松下電器の7~8割が退職金の前払いを選ぶ。賞与の際に15万くらいがプラスされる。
    平均年収に惑わされない。
    福利厚生は税金がかからない報酬。
    リクルートやマイクロソフトは福利厚生はほとんどない。
    富士通、三洋電機などが辞めさせるのが目的の研修をやった。外部の研修会社に自主退職に追い込んだ数だけ報酬が払われる。
    IBMは、会社ごとレノボに売られた。

  • 自分が企業を選ぶにあたってどのような点を重視したいのかについて考えるきっかけになりました。掲載されている企業は大手が多く、参考事例が限られている点が少し残念に感じました。

  • 会社の実態に気付かずに就職し、絶望...なんてことにならないためにはどうすればいいだろうか?それを知る手がかりになるはず。

  • 実際の社員への取材が徹底されていて、非常に深い内容の本となっていた。読者が必要とする情報を正確に認識しており、全体を通して興味深く読むことができた。

    ただ、掲載されている会社が超大手金融、総合商社、ITマンモス、超大手メーカーに限られていたのが少し残念。

  • これから就活を控える身として、とても参考になる本だった。
    考えてみれば、会社を選ぶにあたって、譲れるところと譲れないところの明確な基準を自分の中で持っていないと、就職後にギャップを感じて辞めてしまうことになるのは否めない。その基準というのが、表からだけでなく裏の方向からも細かく記してあるのは勉強になった。
    自分はどの仕事に就きたいか、どんな仕事ならやっていけるか、今できることないか、などと悩んでいた為、仕事について考えるいい機会になった。そして基準も考えることができた。
    しかし、例に出される企業は大手のものに偏り、多種多様の人々に応用できるものではないだろう。私自身の就職を考える上でも、本書に出てくる企業は限られていて、「会社選び」の参考になっても具体的な考えを持てる程ではなかった。
    会社選びに基準を持つこと、それぞれの基準の内容を知れただけで良しとしよう。
    転職時代の今、転職会社のいいカモになるのは怖いと思った。

  • 完全なるタイトル負け。
    若者が会社選びに失敗する原因は本書全体のわずか1,2%ほどの解説に終わり、その他はただダラダラと有名企業の解説と生涯賃金、税率、ワークライフバランス、風通しの良さなど、企業分析のデータが簡単に、長々と説明されているだけ。
    序論がよかっただけに残念。
    序論の延長上の話を進めていけばもっと面白かったと個人的には思う。
    若者が会社選びに失敗する理由をつけてだ。
    会社のデータなどは四季報やネットを活用しろと一言いえばよく、著者は新聞社勤務で取材経験ありというが、内容が長すぎるのは一目瞭然ではないか。
    新聞にもページ数に限りがあるから内容を端折るでしょうに、この本は不必要というか、まとめられてない内容が多すぎる。
    若者がなぜ会社選びに失敗するのか、をもっと掘り下げて欲しかった。

  • 人の会社を覗いてるみたいで面白かった。基本的には、取りあげられている一流企業に入れる能力のある学生限定の就活本。

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著者プロフィール

渡邉 正裕(ワタナベ マサヒロ)
ニュースサイト『MyNewsJapan』(mynewsjapan.com)のオーナー、編集長、ジャーナリスト。
1972年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、日本経済新聞の記者、日本IBM(旧PwCコンサルティング)のコンサルタントを経て、インターネット新聞社を創業。一貫して「働く日本の生活者」の視点から、雇用・労働問題を取材、分析、提言。著書に『企業ミシュラン』シリーズのほか、『10年後に食える仕事 食えない仕事』『35歳までに読むキャリアの教科書』『若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか』『トヨタの闇』など多数。

「2020年 『10年後に食える仕事 食えない仕事 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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