- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784494019564
作品紹介・あらすじ
おいしいものを食べると、むくむくって元気になる。幸せ!って思える。それで、明日はきっと、いいことがあるって、そう信じることができるんだ。
感想・レビュー・書評
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ちょっぴり太めだけど、まったく気にせず、食べるの大好き‼️明るくて、細かいことは考えないで、ズケズケものを言うけど、たまに相手の心の深いところをついてくる一言を言い放つ小学5年生の細川糸子。(名前がすごい…笑)
そんな糸子に時にイライラしながらも、かたくなな気持ちをほぐされていく同級生たちを描く連作短編集です。
児童書ですが、大人も子どもも元気がもらえる1冊です‼️詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
糸子がほんとに魅力的ですね。青沼貴子さんの「ねえ、ぴよちゃん」(小学3年生)のぴよちゃんが大きくなったような。
5年生と言えば、もう思春期の直前、悩みも子どもレベルではなくなってきます。糸子のように、ありのままの自分を隠さないのが、一番難しくて、でも実は一番有効なのだと教えてくれるこんな本が、自分が5年生の頃、本当に欲しかったなぁ。 -
みんな、それぞれ、生きている。
その他大勢なんていない。
みんな、生きているんだ。
食べることを、楽しいこと、幸せなことだと思えるのは、それだけで、本当に幸せなことだと思います。
それができる人に、憧れます。 -
いとうみく(作)
佐藤真紀子(絵)
『糸子の体重計』
童心社
いい!(笑) たまらなく!
小学5年生の、5人の子どもたちを主人公に、「つながる」5つの短編集。
なかでも、超主人公、強烈な個性の 糸子 。
この子の持ち味が光を放ち、刺激となり、成長を促す。
本書の子どもたちは、それぞれがそれぞれな「思い」を持ち、自分で自分と向き合っている。その現し方が魅力的で「いい」。
そして、大人が過干渉になっていないのが「いい」。
糸子のおばあちゃんも、保健室の先生も、まみのおかあさんも、絶妙の間合いに留まりそれでいて助け舟なのが「いい」。
問題解決に立ち向かう力を持とうとする子どもたちの、その力の発現を大人たちは見守るべきと思える作品だ。
無垢でがむしゃらな自己表現と、周りの目とのせめぎ合いに揺れながら成長をする子どもたちの姿が切ないほどだ。
そんな中で自分たちで得たものは「本物」だ。
「逃げたり、目をそむけたり、そのときは楽なんだよね。傷つかないから。でも、なにも解決しない。」
立ち向かう力もある。
――嫌なことがあっても、くそって思うことがあっても、おいしいものを食べると、むくむくって元気になる。幸せ!って思える。
それで、明日はきっと、いいことがあるって、そう信じることができるんだ。
子どもがこの作品を読むと、むくむくって元気になる。幸せ!って思える。
それで、明日はきっと、いいことがあるって、そう信じることができるんだ。(真似)(笑)
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「体重」をきっかけに、繋がっていく短編集。
でてくる語り手の子どもたちが、個性があって、屈折してても、すごくいい子たちです。
友だちっていろいろ難しいのね。だけどそれぞれ考えていることがあって、こうしたい、なりたいって思いがあって―いいなぁ。好きだなぁ。「友だち」って大変だけど、こんなにステキなものはないですね。
全てが明るいことばかりではないのだけれど、この本を読み終わった後、ステキな気分になりました。 -
明るい主人公の糸子を筆頭にクラスメイト五人それぞれの立場から書かれてる。
みんな実は色々な背景を抱えている。
でも糸子の明るさでちょっと変われる自分になっていく。糸子ってみんなを照らすお日さまみたいな子。 -
「食べることが大好きな細川糸子、クールビューティー・町田良子、大柄な転校生・高峯理子、町田良子にあこがれる坂巻まみ、細川糸子とは給食の天敵・滝島径介……5人の子どもたちの平凡な日々。つらいこと、悲しいことはしょっちゅうだし、どうしようもなく苦しいときもやってくる。そんなとき、クラスを見渡せば、細川糸子がいる。誰に対しても真っ正面から向き合い、しっかりと相手を見て、思ったことを口にする。大人も子どももじたばたしてけんめいに生きている、そんな地に足のついた読みごたえある物語。
第46回日本児童文学者協会新人賞」
続編あり(主人公は小6になる)
「友人の言葉をきっかけにダイエットを宣言した糸子。それぞれのなやみをかかえる糸子のクラスメートたちに物語は広がります。」 -
滝島くんのエピソードが予想外で泣ける。みんなもがいてるんだな。
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自分が小学生5年生の時、どんな子だっただろう…と思いながら読みました。一人ひとりの家庭環境や性格が立っていて、共感しながら読めるところが多かったです。自分とは違った立場からだと物事の見え方が変わってくることが学べます。
糸子のガサツのようでいて、友だちをよく見ていて、明るいキャラが良いなぁ。糸子と関わることで、少しずつ変わっていきます。人は人と関わり合いながら、成長していくのでしょうね。
町田さんと滝島くんはシングルマザーの家庭ですが、それぞれ、抱えている悩みが違い、考えさせられました。
特に、滝島くん…。
児童書なので、詳しくは書かれていませんが、親が子どもにわずかなお金だけを置いて、何日も帰らないという状況に涙が出てしまいました。小学5年生が誰もいない家に帰り、1人で食事をし、寝る…。どんなにか寂しいだろう…と。
映画の『誰も知らない』を思い出してしまいました。大人の都合で振り回される子ども…。こういう子どもを増やしたくないな。そのために自分ができることは何か、なんて考えてしまいました。ちょっと、的外れな感想ですが…。
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とても良かった。
五つの短編が収められていて、短編ごとに登場人物の中から主人公が入れ替わるから、本を読み終わる頃にはどの子も近しく感じられる。
タイトルにもなっている糸子のキャラが好きだなー。
ガサツでデリカシーに欠け、ガハハと笑い、素直で真っすぐな、小学生なのに年季の入ったおばちゃんみたいな、いい子(笑)
それぞれが友達関係や家族関係につまずきながらも、人と人の関係の中で助けられたり、前を向いたりしていく。