私の牛がハンバーガーになるまで: 牛肉と食文化をめぐる、ある真実の物語

  • 日本教文社
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本棚登録 : 65
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784531081394

作品紹介・あらすじ

牛の誕生から食肉に至るまでを追った
一人のジャーナリストが、自分の買っ
た牛たちに愛情を抱いてしまった。
牛たちに行き場所はあるのか?
人が「肉」を食べることの意味を改め
て考えらさせる書。

感想・レビュー・書評

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  • オチには納得していないが、
    肉を食べる人すべてにとって良本だと思う。
    自分たちが食べる肉がどのようにして製造されるのか知ることができる。
    酪農家さんの大変さを知ることができる。
    牛が生まれてから死ぬまで、
    いや、生まれる前の精子選び、種付けなど、いかにして作られているかの工程を読むことができる。
    去勢の方法なんか知ると、タマキンがすくみ上る思いでした。
    当たり前の食卓には様々なドラマがあるのですね。

  • <閲覧スタッフより>
    「牛はどうやってハンバーガーになるの?」幼少の頃抱いた「動物を食べること」に対する問い。大人になった一人のジャーナリストは子牛誕生から解体まで、自分の目で見つめる決意をする。3頭の子牛をプロのライターとして観察し、距離を保ちながら見つめていこうとするピーター。だがやがて、彼は子牛たちへ愛着を抱きはじめる。決断を迫られる中、彼の出した答えとは…。
    酪農場での牛の様子が鮮明に描かれた実話です。
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    所在記号:645.3||LOP
    資料番号:20087314
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  • アメリカ人は年間五〇億個以上のハンバーガーを食べ、一時間に五〇〇〇頭以上の牛が肉にされている。「牛はどうやってハンバーガーになるのか」その現実のすがたを本に書こうと、一人のジャーナリストが自ら子牛を買い、誕生から解体までの現場を追いはじめる。

  • ハンバーガー大好き国で人々の口に入るおにくはどこからきているんだろう。
    よし、受精からハンバーガーまで、牛のたどる道を追ってみよう、という本。

    半分くらいで挫折。取材対象への敬意がない。
    そこにいる人たちの心情をどうしてあんたが決めるんだ。
    見るだけに徹するつもりだったのに牛が可愛くなってきちゃって口出ししたい、どうしよう。という迷いも、単に見通しがが甘いだけに見える。
    最初から口出ししてるくせに自分はただの観測者のつもりでいる無自覚さがものすごく嫌。
    『調査されるという迷惑』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4944173547を口に突っ込んでやりたい。

    家畜として大事にするのとペットとして大事にするのは違う。
    食べるための肉として「つくって」いるものに幸福だのなんだのをあてはめたら、どうしたって欺瞞にしかならない。
    なのに、自分の価値観で牛や農家に幸不幸を投影するから、だんだんハリエット・ジェイコブスが書いた奴隷制http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4750313815にみえてきた。

    結局自分だけ逃げちゃうあたりに『世界屠畜紀行』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4759251332や『ブタがいた教室』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/B001O0U1EUを連想した。


    赤身の肉の命は考えるのに魚や植物は命にカウントしない思考を知りたくて読んだんだけど、イライラしちゃってそこまでたどり着かなかった。

  • 「私の牛」は結局、ハンバーガーにならない件について。

    邦題にちょっとした悪意を感じました(原題では「私の牛」とは一言も言ってません)
    それを除けば、いい本です。
    「生命を奪って食物にする」といった畜産の本質を真っ正面から捉えています。
    農場からと殺場までの描写から、かなり畜産を理解して取材がされていることがわかり、そこに感心することもさることながら、牛の「食品原料としての家畜」と「生命としての家畜」の両側面をうまく書き切っています。
    ここまで畜産及びそれにまつわる諸問題の根本を理解して論じている本は少ないように思います。


    本書の舞台は畜産大国・米国なわけですが、なにやらこの本を読むと、米国では日本で問題とされている以上に「食農分離」が進み切っているのではないか、と感じられます。
    筆者(と訳者)の主観もあるのかもしれませんが、「肉の原料は牛」に触れることをを、やたらとタブー視している様子が見て取れます。
    肉に対する文化の違いが見て取れる意味でも貴重な一冊です。
    オススメ。

  • きちんと疑問を持つこと。そしてその疑問に対する答えを自分の力で探すこと。
    ある日ハンバーガーの肉に対して疑問を持ったジャーナリストが、自分で牛を飼い、その牛がどうやって肉になっていくのか、その過程を追う。
    日本ではなかなか出来ることではない(自分で牛を飼ったり畜産場まで追いかけたりとか)けれど、牛がどうやって肉として処理されていき、私たちの手元に届くのか、という点では一読の価値はある。
    ジャーナリストが最期に出した答えは少しユートピア的ではあるが、日頃の疑問についての答えは手に入れられるのでは。

  • 最近多い、ベジタリアン万歳お前らも畜産物は口にするな、的なものではなく、きちんと作者が考え感じながら『動物を殺して生きていく糧にする』ということを突き詰めていってます。訳者がベジタリアン寄りなのが気になりますが、農家として見てもいい本だと思います。畜産農家として読んで、なぜか涙があふれてしまう箇所がたくさんあった。目の前の動物は殺したくない、でも肉をみればヨダレが出る。それで、いいんだと思う。

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