日銀は死んだのか: 超金融緩和政策の功罪
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2001年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532149468
作品紹介・あらすじ
量的緩和策で金融市場は「ブラックホール」と化した。追いつめられた日銀当局の次の一手は?インフレ目標策は実行可能なのか。気鋭のエコノミストが膨大なデータをもとに「非常時の日本経済」を読み解く。
感想・レビュー・書評
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本書では2001年に導入した量的緩和政策に対して短期市場における機能不全の状況について指摘しています。そして、金融政策の歴史とともに、各国の動向も探っていき、今後のインフレ政策としてどう見込めるかというのが、本書の構成です。
また、ゼロ金利以下ではこれ以上の金融緩和は効果が見込めないと主張しています。
本書は短期市場における内容であり、個人的に長期的な視点に対してどのように考えるかなども学ぶ必要があると感じました。 -
東京短資のエコノミスト加藤出氏の著したもので、
2001年のゼロ金利への復帰から
量的緩和へ踏み込んだ頃に書かれた本です。
筆者は短期金融市場の方なので、
ゼロ金利政策自体が市場機能を殺すものだとして
否定的ですし、インフレターゲッティング政策にも懐疑的です。
海外のインタゲ政策や、我が国の高橋財政にも
触れられておりますが、200頁ちょっとの小著なので
歴史的事情に関してはこの本だけではわかりませんでした。
ETFやREITの購入など、本書が書かれた時点では未実施ですが
今日ではもう当たり前に行われておりますし、
いわゆる「ブタ積み」についても0.1%付利されるようになり
いろいろ世界が変わっています。
しかし金融の歴史本として面白く読めました。