孫子とクラウゼヴィッツ: 米陸軍戦略大学校テキスト

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532168438

作品紹介・あらすじ

軍事戦略の二大名著の違いはわずかだった。比較によって本質が驚くほど明快になる。世界の将校が学んだグローバル・スタンダードな理解が身につく待望の書。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカ軍は「ベトナム戦争の敗北」を経験した。 その後、なぜ敗れてかを著名な大学教授が分析してそれをドクトリンとしてまとめ上げた。 過去の著名な軍学書を紐解きまとめ上げた。 これが孫子であり、クラウゼビッツである。 この敗戦を踏まえて教訓を活かすところにアメリカのすごさがある。 今後、海外への派兵に関してはアメリカは厳しくなるであろう。

  • 孫子とクラウゼヴィッツの比較により、戦略の本質を明らかにしようとする試み。
    従来正反対の見解をとっているとされたことについて、同じ戦争というものを、違う角度、異なるレベルにおいて分析したものであったとする。
    クラウゼヴィッツは戦争の遂行の捉え方が、アート寄りであり、孫武はサイエンス寄りである。など。

  • 孫子とクラウゼヴィッツのテキストを比較し、戦争の目的や達成目標などの共通点と相違点を明らかにした一冊。

    両者の思想の違いは表にまとまっていて、それを見れば一目瞭然ではあるものの、実際は両者の著書を紐解いて読み解いていくので読んでいておもしろいし、両者は対象とする範囲が異なる、という説明があり、また時代背景からその戦略の妥当性を探るなどの試みは新鮮。

    特に孫子については儒教の影響を受けており、その点を注意して読む必要があるという解説はなるほどという感じ。

    結論としては「盲目的にどちらかの言葉に心酔することなく、うまく組み合わせて自身の思想を強化せよ」にまとめられている。

  • 比較対象として挙がりやすい両者だと思ったが、専門家からすると意外に比較は難しいということらしい。しかしながら本書は大枠で同じことを述べているとし、細かな共通点や相違を見ていく。
    両者の時代と違い、大量破壊兵器の存在する現代だが、戦略面での考え方はいまだ有用であり、戦術面でもそれらの兵器を使用しない(出来ない)という前提で有効な考え方と言える。
    戦争は政治の一手段であること、隣国は敵国であること。このような受け入れにくい事実から目をそらさず、戦争をありうる可能性として備えること。一億総貴族化で言挙げして見てこなかった人達もそろそろわかっても良い頃である。

  • 敵国同士が同盟することを見逃すな。
    戦争術はその最高の立場では政治となる。
    戦争における唯一の手段は戦闘である。
    戦争の目的は敵の妥当であり、その手段は敵の線労力の撃破である。
    攻撃の当面の目標は勝利である。
    戦争においては全ての情報がきわめて不確実であり、このため独特な困難さを伴う。

  • 軍事戦略の不朽の名著『孫子』と『戦争論』。軍事戦略研究の大家が両書を大胆に比較し、真に学ぶべき戦略の本質に迫る。米国のみならず世界中の軍人が共通して学んだグローバル・スタンダードな戦略が学べる入門書。

    第1章 イントロダクション―『孫子』と『戦争論』はコインの裏表
    第2章 叙述と研究のスタイルに惑わされるなかれ
    第3章 戦争の定義に関する誤解―分析レベルの問題
    第4章 政治のリーダーシップと軍事的指導者・指揮官の微妙な関係
    第5章 戦争の合理的見積もりは可能か―目的と手段の相互関係
    第6章 戦争の逆説的な三位一体を理解する
    第7章 「戦わずして勝つ」の理想と現実―流血なき勝利と決戦の追求
    第8章 兵力数がすべてか?
    第9章 欺瞞、奇襲、情報、指揮統率の位置づけの違い
    第10章 インテリジェンス・情報は『孫子』の真骨頂
    第11章 有能な指揮官は計画をそのまま遂行できるのか―指揮と統御
    第12章 意外と多い共通点―軍事的指導者の役割
    第13章 何がもっとも重要か―指揮官の資質
    第14章 戦場における環境と軍隊指揮官の直感力のジレンマ
    第15章 勇敢さと計算(打算)どちらが重要か
    第16章 両者は補完関係

  • ムズイ。
    孫子とクラウゼヴィッツはよく対極として言われるけど類似点が多いことはわかった。
    仕事で活かすとかバカなことは考えず、たまにドヤァと言うぐらいにとどめたい。

    孫子の引用ルビふって下さい。゚(゚´Д`゚)゚。

  • 何故★3つか。
    これは軍事学をある程度知らないで読むと、そうとうしんどい上に分からないからだ。
    かくいう私もそう(泣)さすが、米陸軍戦略大学校テキストである、基礎をやってから読むべし、と。

    そもそも論じている階層が違うことなど、目から鱗。そういう発想なく触れていたので、これからは気をつけて戦争を読んでみよう。
    そうなると、当時の日本軍や、これからのことを考えると…大丈夫かな、この国はと心配になる。
    おそろしや、日本の文民統制。この言葉についても日本の誤解をさらっと解いてくれる。

  • 東西で有名な軍事理論書、孫子と戦争論を比較するという野心的な試みの書物だった。私は東洋史をやっていたこともあり孫子にはかなり親しみがあったが、概ね妥当な評価と感じる部分もあれば、牽強付会すぎると感じる点もあった。またリデル・ハートが数ヶ所に登場してくるが、戦略論を読む限りでは、彼は孫子の継承者であるとは言えるが、注釈での、この二者に対しなんら付け加えていないという評価は言い過ぎではないかと思った。また孫子が儒教の影響を受けているという記述があったが、成立年代を考えると、”いわゆる”儒教の影響を受けていたと考えるのは無理がある。

  • 孫子と戦争論のエッセンスを読み解いた本だったが、さっと読んだだけでは当然腹に落とせるわけもなく、強烈な印象はなかった。
    ただ、孫子については、手元に孫子の解説本もあることから、仕事などの生活において置かれた状況から道標を知りたい時など、この本も参考にしながらもう一度、読んでみることとしたい。

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