快人エジソン: 奇才は21世紀に甦る

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532190200

感想・レビュー・書評

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  • 自分は小さい頃から歴史が大嫌いです。
    物や人の流れがどうだったなんて覚える必要もないとか考えてましたけど、この本はいわゆる抽象的で覚える価値のない情報ではなく、
    具体的でエジソンの人柄が思い描けるエピソードについて沢山書かれているので、とても参考に成りました。

    浜田和幸さんは実際にアメリカのエジソンのお墓など、各地を訪問されているようで、とても熱の入った表現で書かれていることが印象的でした。

    少しネタバレになりますが、エジソンはジョーク好きだったようで、この本伝いでもジョークを楽しめます。
    エンジニアになる人もそうでない人も、時折鼻で笑いながら読め、同時に勉強になる、おすすめの本です。

  • 子ども向けのエジソンの伝記は数多くあるが、大人向けの、自己啓発本のようなエジソンの伝記は少ない。この本はまさにそのような本。
    発明王でオカルトなど信じないイメージのあったエジソンだが、実は霊的な存在をとても大切にしていたのが意外だった。
    細胞の中にいる人間を動かすリトルピープル、その声を聞くことが「ひらめき」であり、「天才とは1%のひらめきと、99%の努力のたまものである」という言葉も、この自分の中にいて世界を動かすリトルピープルの声に耳を傾けられるか、という点を言いたかったのだという。
    オカルトや霊をフィクションで片付けず、本気で科学的に解明しようとしたからこそ、様々な発明を成し遂げたのだと思う。電気も発明されるまでは見えなかったが、そこら中に存在していたように、今は見えていないだけの存在がまだ世界にはあるのだろうと思えた。

    以下、印象的な文章


    首から下で稼げるのは一日数ドルだが、首から上を働かせれば無限の富を生み出せる。

    身の回りの生物や物質の構造を研究すればするほど、これらはあらかじめ計算されて作られているとしか思えなくなりました。私自身も、これらの大きな力にやって動かされていて、数多くの発明を成し遂げることができたにすぎないのです。

    社会の進歩は、過半数の人間が現状に不満を持たない限り起こらない。

  • 読書録「快人エジソン」4

    著者 浜田和幸
    出版 日経ビジネス文庫

    p179より引用
    “金本位制はしょせんフィクションである、
    というのがエジソンの主張であった。
    「金は実際のところ、工業用を別にすれば、
    さほど価値のあるものではない。それこそ、
    人が勝手に与えた人為的な価値に過ぎない。”

    目次より抜粋引用
    “男の友情とユーモア
     マーケティングの天才
     創造的教育の原点は記憶力
     時を超えて生きる未来学者
     武士道に魅せられた親日家”

     企業経営などに関し活躍する著者による、
    世紀の天才発明家・エジソンの、伝記ではあま
    り語られることのない側面を記した一冊。
     エジソンと共に生きた有名な起業家やエジソ
    ンに影響を与えた日本の文化まで、偉人の意外
    な一面が紹介されています。

     上記の引用は、経済・金融制度についての
    エジソンの意見を紹介する項での一節。
    金本位制で考えたら、貨幣というのは昔はちゃ
    んと金と交換できる分しか、世の中には流通し
    ていなかったそうです。
    今世界中に流通しているお金、ある国の通貨を
    全て集めたら、その国の全てと交換する以上に
    発行されているそうです。なんだかなですね。
     電球のフィラメントに日本の竹が使われたこ
    とは有名ですが、エジソンが発明した品の第一
    号を明治天皇に献上していたなど、日本との関
    わりの深さが紹介されています。
    他には、野口英世や星一(SF作家・星新一氏の
    父)など、よく知られている人たちとも交流が
    あり、エジソンの日本への影響の強さが伺えま
    す。

    ーーーーー

  • 知られざるエジソンの実像やいかに。ベンチャー企業の草分けにして、大の親日家。「Hello」という便利な言葉も実はエジソンの造語であること がわかりました。これだけの実績とユーモアを兼ね備えた人物がいるのだろうかと、何度読んでも痛快で胸のすく思いがします。(植田)

  • エジソンと言えば、世界偉人伝に必ず名を連ねる人物であり、電燈、蓄音機、電報、電話、蓄電池、マイクロフォンなど千以上もの発明や特許のある人物であるにもかかわらず、その実像は意外と知られていない。本書は発明家としての側面だけでなく、様々なエピソードを織り込みながら人間エジソンの全体像を余すところなく描き出す。自動車王フォードやタイヤ王ファイヤーストーンらとの華麗な交遊を初め、研究室で居眠りを止めない従業員を起こすために死体復活マシーンを発明した話、戦時下で潜水艦や魚雷の設計開発を行っていた話、眠っている妻を起こさないようにと窓から忍び込んだため泥棒と間違えられて射殺されそうになった話、一日三冊は古今東西の本を読破したという超読書家であったことなど、最初のページから最後のページに到るまで知られざるエジソンの逸話が満載であり、決して読者の期待を裏切ることはない。エジソンの名言としてよく引用される「天才とは1%のひらめきと99%の努力のたまもの」という言葉の真意は「たとえ1%でもひらめきがなければ、いくら努力をしても無駄」と言うことであり、「ひらめきだけでは天才になれず努力が肝心」という解釈は、当時の新聞記者たちの勝手な解釈によるもの、であると言う。この1冊は誤ったエジソン像を正すとともに、人生を生きるうえでの様々な指針を与えてくれる書である

  • (2005.05.19読了)(2005.04.10購入)
    副題「奇才は21世紀に甦る」
    発明家エジソン、電球、蓄音機、など多くの発明をした人。
    この程度のことしか知らないので、読んでみました。
    「アメリカではエジソンが残した膨大な資料の解析が、国家プロジェクトとして1978年から始められ、その完成は早くても2015年だろうといわれている。」
    (ダ・ヴィンチの手記にもいろんなアイディアが遺されていたけど、時代が新しい分もっと現代につながるアイディアが遺されているだろう。)
    「電話で最初に交わす挨拶言葉」「ハロー」を考案し勧めたのは、エジソン。「ハロー」はエジソンの造語。機器だけではなく、発明している。

    「トーマス・エジソンは、1847年に生まれ84歳でこの世を去るまでの間に、個人としては最高の1093の特許を獲得している。電灯や蓄音機の発明はもちろん、電報、電話、タイプライター、マイクロホン、映画撮影用カメラとフィルム、蓄電池、電気鉄道、合成ゴム、採掘機械、セメント、X線機械、謄写版、送電システム(ソケット、スイッチ、ヒューズ、メーター等)など彼の頭脳から生まれた発明品の数々は、20世紀のわれわれの文明生活の基礎を作った」

    彼は、「他の発明家の弱点は、ほんの一つか二つの実験でやめてしまうことだ。私は自分が求めるものを手に入れるまで決してあきらめない!」と同僚や助手を鼓舞している。
    (29歳の時に研究所を建設しているので、一人で研究活動をしていたわけではない。成功の秘訣は、成功するまで、あきらめないということなのだろう。)

    「売れないものは発明しても意味が無いし、時間の無駄だ」「多くの人が欲しがるものを生み出さなくては、フリーランスの発明家として生きていけない」
    消費者が何を求めているのか、を知るために彼は毎日、五紙以上の新聞に必ず目を通した。また、ありとあらゆるジャンルの新刊本も読破していった。マーク・トウェインやジュール・ベルヌは特にお気に入りであった。

    彼はいつも値段をどれだけ安く設定できるかに腐心していた。彼のやり方は、消費者が買える値段を先に決め、その値段までどうすればコストダウンできるかに挑戦するというのが常であった。

    エジソンは「成功の秘訣は」と問われると、「野心、創造力、昼夜を問わず働く意思さえあれば、誰でも成功できる」と答えるのが常であった。

    どうも皆記憶力が悪すぎる。これは仕事の上で大変なロスになっているに違いない。記憶力さえあればよいというわけではない。記憶力はあくまで最低条件である。

    36歳が人生の曲がり角である。

    著者 浜田 和幸
    1953年 生まれ
    東京外国語大学中国科卒業
    米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了

    (「BOOK」データベースより)amazon
    ベンチャー起業家の草分けにして、「大」のつく親日家…。これまでほとんど語られなかった天才発明家の実像を、精力的な調査で描き出したユニークな人物伝。「天才とは、1%のひらめきと99%の努力のたまもの」の真意とは?単行本に大幅加筆。

  • エジソンの新たな一面を知れた一冊。
    技術者が技術だけでは・・・・・・

  • 「天才とは1%のひらめきと99%の努力のたまものである」の言葉で有名なトーマス・エジソンだが、この言葉の真意は多くの人に信じられているものとは異なっている。エジソンは、今で言うところのベンチャー企業家の草分けであり、単に天才発明家というだけでなく、マーケッティングにも非常に長けていたことが丹念な取材のなかから語られます。

    今まで知らなかったエジソンの人となり、日本との深いかかわりがよくわかる書籍です。

    この本で印象に残った言葉は・・・

    ■1914年12月、火事に見舞われたエジソンの研究所を前にして重要書類の持ち出しに陣頭指揮を執るものの、手の施しようがないとわかると、家族を呼び寄せ「こんな大きな火事にお目にかかる機会はめったにないからじっくり見ておくがよい」と少しもあわてず、火事がおさまるとすぐに復興に取り掛かる姿にみるバイタリティと楽天家ぶりは、すごいものだと感じました。

    ■「ほかの発明家の弱点は、ほんの一つか二つの実験でやめてしまうことだ。わたしは自分が求めるものを手に入れるまで決してあきらめない」

    ■「売れないものは発明しても意味がないし、時間の無駄だ」

    ■「情報をできるだけ多くインプットすることによって決断力を支えることができる」

    ■「この世でもっとも大切にすべきは道徳である」

  • エジソンの考え方、日本との関わりなど天才のことをよりよく知れる本。
    生き方が素晴らしい

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