- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532191085
作品紹介・あらすじ
「並盛280円のドラマ」「定食と牛丼とご飯の関係」「盛りつけの秘技」「倒産からの再生劇」「ファストフードのブランド戦略」-。日本を代表する経済学者と外食産業のリーダーがバラエティ豊かに繰り広げる牛丼談義。身近な話題に経済・経営の真理を満載。
感想・レビュー・書評
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・マニュアルの過剰とノールール(個人の素質任せ)では、究極的にはマニュアルの過剰の方が良いのではないか。
・論理性(IQ)とマネージャー向きか、タレント向きかを見る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
吉野家の社長と経済学者の対談をベースに、吉野家の歴史やどのようにして店舗を展開していったのか、倒産から再建までどのような道をたどったのか。
考え方や人材の育て方など、参考にすべきものはたくさんある。 -
これを読んだ直後、昼飯を吉野家に食べに行った。
普段なにも意識しなかった店内が、長年のノウハウを蓄積してできたものだとわかって面白かった。カウンターの幅や店員の立ち位置、鍋の高さなどいろいろ観察してしまいました。
本書は「吉野家の経済学」という題名で伊藤元重氏が経済的視点からコメントを随所に乗せているが、欲を言えばもっとストレートに経営学の視点からコメントされていると良かった。たとえば野中郁次郎氏が展開している知識創造企業の視点からコメントがあるというのはどうか。もし続編「吉野家の経営学」なんていうのがでたら買うと思う。 -
【由来】
・ダイヤモンド4/2
【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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【目次】
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2000年代最初のチェーン店の展開が流行している時の話。吉野家の大幅の低価格化には過去からの失敗を元より、社員の多大なる努力から成り立っている。パートやアルバイトのモチベーション向上、徹底的な効率化を推進する中で、日々ある課題を解決しようと尽力している。
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早い、うまい、安いの牛丼並は、ぼくらが学生時代は400円だった。一店舗の損益分岐点は月に700万円(なんと年1億円近くの売り上げ)で、1日25万円(500食)を売る。25席の店だと、1日20回転ぐらいすれば、
牛丼並を280円にしても、粗利は16%もでるらしい。 -
誰もが好きな牛丼、吉野家を事例にして伊藤先生と安部社長の対談方式にしているところが、非常に読みやすく分かりやすい。
吉野家の豆知識が面白い。
吉野家の看板はアメリカのコーヒーショップ「ハワードジョンソン」の屋根の色から取られたこと。
店舗の損益分岐点は700万。1日の売り上げ、およそ500食で25万円。
300円と290円のインパクトはでかい、290円と280円のきざみもそこそこ大きいのだが、280円と270円の差は影響を与えないこと、などなど。
「ブランドだけが永遠だよ」、この言葉の意味が最後の最後に大きく残るんだろうなと言うのが実感。 -
牛丼を280円に値下げした背景にはこんなたゆまぬ努力があったのか!と目からウロコのエピソードが満載。一度倒産してしまったにもかかわらず、なんだかんだここまで外食産業の雄として良くも悪くも注目され続けているポジションにいるのは立派だと思います。
しかし、結果的にはこの本が出た後のBSE騒動などで米国産牛肉が輸入停止になったため未曾有の危機を迎えたわけで、そこに対するリスクヘッジは十分ではなかったのかな、なんて穿った見方もしてしまいます。
倒産までは急成長を遂げた企業の失敗事例として、そこから立ち直ったのは成功事例として読み解ける珍しい一冊かもしれません。