ジャック・ウェルチわが経営 下

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532192884

作品紹介・あらすじ

「これは教養集でもなければ、経営の指導書でもない。私が書いたのはこれまでの日々の積み重ねから生まれてきた哲学だ」選択と集中、フラット型組織、学習する組織、ワークアウト、シックスシグマなど、世界の企業経営をリードするアイデアを次々と生み出したウェルチ。20世紀最高の経営者が「会社を変えるとは何か」を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 巨大企業ゼネラル・エレクトリック社(GE)の会長兼CEOを務め、「20世紀最高の経営者」として称賛される「ジャック・ウェルチ」が経営者としての奇跡を語った自叙伝とも言える作品『わが経営(原題:Jack: Straight from the Gut)』を読みました。

    『非情な人ほど成果を上げる―マキャベリ式最強の仕事術』に続きビジネス書です… 「ジャック・ウェルチ」に関する作品は昨年の2月に読んだ『ジャック・ウェルチの「私なら、こうする!」』以来ですね。

    -----story-------------
    ナンバーワン・ナンバーツー戦略、シックスシグマ、サービス重視、グローバル化、デジタル化などの経営戦略で世界をリードし、GEを世界最強の企業に育て上げた「ジャック・ウェルチ」。
    そのすぐれた経営はどのようにして生み出されたのか。
    1981年4月以来21年にわたり巨大企業ゼネラル・エレクトリック社(GE)の会長兼CEOを務め、「20世紀最高の経営者」として称賛される「ジャック・ウェルチ」。
    その「ウェルチ」が、みずからの言葉でその生い立ちをはじめ、経営者としての軌跡を率直に語る。
    勝つために全力で戦う、現実を直視する、部下のやる気を引き出す、高い目標を掲げる、官僚主義の排除、境界のない組織など、「ウェルチ」流の経営の基本的な考え方、リーダーシップを貫く哲学と、ビジネスの面白さ、奥深さを余すところなく伝える。
    2001年、世界で最も注目を集める、ビジネス人必読の超話題作。

    「これは教義集でもなければ、経営の指導書でもない。
     私が書いたのはこれまでの日々の積み重ねから生まれてきた哲学だ。
     自分にとって有益であったごく基本的な考え方にこだわった。
     そのなかでいちばん大切なものが誠実さだ。
     私はどんなときにも、単純明快なやり方が正しいと信じてきた。
     本書で示そうとしたのは、その出所にこだわることなくいろいろな考え方に心を開くことによって、
     組織が、そしてわれわれ一人ひとりが何を学びとれるのかということだ」
     ―――「ジャック・ウェルチ」
    -----------------------

    以前から気になっていた作品で、読もう読もうと思いつつ、上下巻で800ページくらいのボリュームがあるので、ついつい後回しにしていた作品… ようやく読む気になりました。


    〈上〉
     会社を変えるとは、どういうことか
     ――世界で最も称賛される経営者が、その経営と人生を率直に語る

     ■プロローグ  
     ■第一部 GEトップへの道
      自信をつける/群れから抜け出す/工場爆破/
      レーダーをかいくぐって飛ぶ/頂上に近づく/大海で泳ぐ
     ■第ニ部 哲学の確立
      現実との戦い、「面従腹背」との戦い/ビジョンとは/
      「ニュートロン」時代/RCA買収/人材工場/
      クロトンビルを変える、GEを変える/
      境界のないこと――アイデアを利益に結びつける/徹底介入
     ■付録
     ■牽引

    〈下〉
     企業革命をなし遂げたリーダーシップの真髄
     ――官僚主義と闘い、GEをスリムで強靱な企業に生まれ変わらせた日々

     ■第三部 試練の波
      慢心/GEキャピタル――成長の原動力/
      NBCと電球の融合/戦うに敏、退くに敏
     ■第四部 流れを変えるイニシアチブ
      グローバル化/サービスの拡大/シックスシグマ/Eビジネス
     ■第五部 過去を振り返る、未来を見つめる
      「お引きとりを、ミスター・ウェルチ」/CEOという仕事の本質/
      ゴルフについてひと言/「ニュー・ガイ」
     ■エピローグ  
     ■日本の読者諸氏へ  
     ■謝辞
     ■付録
     ■文庫版訳者あとがき
     ■単行本訳者あとがき
     ■牽引

    1981年から2001年にかけて、ゼネラル・エレクトリック社(GE)の最高経営責任者(CEO)を務めた人物の自叙伝だけに、学ぶところも多かったですね、、、

    「勝つために全力で戦う、現実を直視する、硬軟使い分けて部下のやる気を引き出す、無理と思えるほど高い目標を掲げる、
     仕事がきちんとなし遂げられれたかどうか執拗に確認する、というのが経営に関する基本姿勢。」

    「自信をつけさせることが、リーダーの大事な仕事だ。
     できるとはとうてい思えないことをなし遂げる機会や、やりがいのある仕事を与え、成功するたびに、
     どんな形であれその功績を讃えることによって、自信は生まれて来る。」

    「世界でNo.1、悪くてもNo.2になれない事業からは、すべて撤退する。」

    「従業員をA(20%)、B(70%)、C(10%)にランク付けし、Cに評価されると通常はGEには残れない。」

    等々が印象的な内容でしたね… 日本の企業文化の中では取り入れることが難しいモノもあるし、特にランク付け(評価)と最下層の10%(C)の処遇については、ちょっと馴染まない感じはしましたね。

    転職が当たり前のアメリカと、終身雇用が基本だった日本とは、根本的に考え方が違うからなぁ。


    あとは全般的に登場人物が非常に多いことと、普段、体験することのない、企業のトップとしての経験が中心なので、ちょーっと読み難かったことは否定できないですね、、、

    その中で、『第五部 過去を振り返る、未来を見つめる』の『CEOという仕事の本質』では、「誠実さ」、「企業と地域社会」、「企業の性格を形成する」、「組織の知力を最大化する」等々… 「ジャック・ウェルチ」にとっての役に立つアイデアの一端が紹介されており、イチバン読みやすかったですね。


    総括すると、、、

    学ぶ点は多かったが、ちょっと日本には馴染まない点があったかな、そして、読むのがちょっとしんどかったな… って感じです。

  • 名経営者でも失敗はある。いろいろ勇気づけられた本。

  • GEの会長であるジャック・ウェルチの自伝。もちろんほとんどがGEにまつわる話。(下)では次のリーダーを選定する事から、GEのCEOにはどのような要件が必要とされてるかということがまとめられている。

    これも、GE自体が大きすぎて参考にならないものもあるが、それでもリーダーとしての資質というものを考える上では参考になるのではないだろうか。

  • GEの会長職を退くまでに着手した様々な企業改革、制作について長々と述べられているが、ごく一般の社会人である私がそこから得られた教訓は著者が折に触れて繰り返してきた次の言葉に集約される。それは「早くしろ」ということ。ウェルチは自分の過去を振り返り、「遅すぎたと後悔したことは何度もあったが、『早すぎた』と公開したことは一度もない」という旨を述べている。そしてもうひとつは、部下を切り捨てるという非常に強い決断力を有することを成し遂げることの大切さ、だろうか。

  • GEはスリムで強靭な企業に変えた、ウェルチ流の経営手法を自ら明かす。「選択と集中」「リストラ」「シックスシグマ」など、企業革命を成し遂げたリーダーシップの真髄が語られる。

    第3部 試練の波
    第4部 流れを変えるイニシアチブ
    第5部 過去を振り返る、未来を見つめる

  • ゼネラル・エレクトリック社の最高経営責任者を務め、1999年には『フォーチュン』誌で「20世紀最高の経営者」に選ばれたジャック・ウェルチ氏の自伝本。下巻。

    この下巻を読んで、上巻に加えて気付いたことは「スピード」の大事さ。
    特に経営者になると、限られた情報からたくさんのことを判断しないといけないですよね。
    でも情報が少なかったり、自分の腹に落ちない時は、なかなか判断できない。自分も、リーダーになりたての頃によくぶち当たった経験です。

    ウェルチ氏は、結構大胆にズバズバ判断しているように見えたのですが、それでも「判断の遅さ」が後悔なのだそうです。
    それくらい経営にはスピードが求められるということで、チンタラ仕事してたらいかんなと気が引き締まりましたね。

    あと、これは上巻下巻を通じてですが、とにかく「人材」へのこだわりを感じました。
    ウェルチ氏の経営は「優秀な人材を見つけて育てること、集めてくること」だと言ってもいいと思います。
    結局は人材次第で、ビジネスが成功するか失敗するかが決まります。自分の部下には優秀な人物を据えて、後は信じて任せることしかできないわけです。

    それにしても米国の文化もあるのでしょうが、良い人材をメジャーリーグの契約みたいに外から集めてくるし、できない人材はスパッと解雇する。
    大企業であり、また日本の労働基準が付きまとうウチの会社とは文化が違いすぎますね…。

    いや、文化が違いすぎると思ってるようではダメか。ゼネラル・エレクトリック社でも、そういった古い体質や文化で停滞していたのを破壊して、新しい文化を作り上げたのが、ウェルチ氏なわけですから。

    それを雲の上の存在だと思うのか、頭では分かるけど自分にはできないと諦めるのか、どうやったら実現できるだろうと考えるのか。
    マインドしては、常に「どうすれば…」の意識でいたいですね。

    ただ、必ずしもウェルチ氏と同じことをするのが正解というわけではないのかなと思います。
    大企業には大企業としての形があり、どうしても政治が付きまとう。それをウェルチ氏のように打破しようと思うと、よほどのカリスマ性と能力が無いと難しいです。

    残念ながら、自分は、そこまでの器ではないので、向き不向きも考えて、自分に合うやり方で、いい仕事をしていきたい。決して消極的ではなく、誇れるようなことを。

    自分は真似して吸収していくタイプなので(逆に言うと新たな道を切り開くのが苦手なわけですが・・・)、自分に似たタイプの成功者を見つけて、参考にするのも面白いかなと思いました。
    ということで、もっと成功者の本も読んでいこうと思います。

    自分の仕事に対して、とても考えさせられる作品でした。

  • 上巻はCEOに着任して舵取りに乗り出すまで。下巻がウェルチ氏のより具体的な経営手法について。

    NBCの買収、ハネウェル買収の欧州委員会対応、シックスシグマ、Eビジネス等、経営課題を見極めトップ自ら積極的にハンズオンする姿勢と行動力が素晴らしい。そして優秀な人材を見抜き、抜擢する。巨大なGEがフレキシブルに活動し、いま尚成長を続ける力の源泉がよく分かる。

  • 新卒の頃に読んだ本の再読。
    ナンバーワン・ナンバーツー戦略を掲げ、20世紀最高のCEOの1人とされた人の自伝。
    超ざっくり要点をまとめるとこんな感じ。

    ・大企業にありがちな意思決定のもたつきを改め、経営の流動性・スピードを早めた。
    ・具体的には事業構造の再編(買収/売却)、従業員のマインド改革・能力強化(細かい事例は割愛)。
    ・これには多大な困難が伴うが、持ち前の個性と強烈なイニシアチブでこれを推進した。
    ・その結果、20年間で売上高5倍、純利益を8倍に伸ばした。

    上巻に書かれた行動・性格を読むほど、所謂エリート・ビジネスマンとはかけ離れた存在にもかかわらず、これをトップに据えた前任者の慧眼(レジナルド・ジョーンズ)、もしくはGEの企業風土こそ称賛されてよいのではないか。

    ジャック・ウェルチの退任は2001年。それからもはや12年。
    後継者たるジェフリー・イメルトの下、ウェルチが買収したNBCの経営権は他社に移っているし、GEキャピタルもGEの事業部門の1つに統合されている。
    それでも業績はむしろ良化しているのだから、GEという組織の空恐ろしさを感じないではいられない。

    個人の業績もそうだけど、それは組織があってこそ。
    しばらく間を開けて読むと、思うこともずいぶん違うものですね。

  • ジャックウェルチの口から、後悔していることとして、なぜ常にもっと早く行動できなかったのか、という言葉が出るのに驚いた。常にいち早く、そして求められたことに対して1000%結果を出すつもりで仕事に取り組む。この気持ちを忘れずに仕事に励みたい。

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著者プロフィール

前GE会長兼CEO
1935年生まれ。60年GE入社。68年に最年少ゼネラル・マネジャーに就任。73年グループ・エグゼクティブ、77年セクター・エグゼクティブをへて81年会長兼CEOに就任。以来、21年間にわたりGEの変革に取り組む。産業界、メディアから「20世紀最高の経営者」の一人と称えられる。2001年に退任し、現在は著述・講演活動で世界中を飛び回っている。

「2018年 『ジャック・ウェルチの「リアルライフMBA」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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