毎日が自分との戦い: 私の実践経営論

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  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532196851

作品紹介・あらすじ

「人ができないことをやらなければ、私が経営者である必要はない」-世界最高水準の利益率を誇る米国シンテックを育て、日本を代表する高収益企業・信越化学工業を作り上げてきた金川流経営の原点を本音で語り尽くす。日経新聞の好評連載「私の履歴書」、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 毎日が自分との戦い
    私の実践経営論
    著:金川 千尋
    日経ビジネス人文庫 か8 1

    「私の履歴書」の改題とありました。
    なぜ、そう考えたか、どうしてそうしたかを、話されていらっしゃるところが、わかりやすかった
    ご本人が語ったもので、そこもいい

    気になったのは以下です。

    ・私はいいころから、いわゆる「いい子」ではなかった。
    ・信越化学に中途入社してからも常識や慣習を疑い、誰に対しても遠慮のない発言をしてきたが、一方では体を張って事業に取り組んできたつもりだ。

    ・赤字の事業はやる意味がない これが私の信念です

    ・戦争に比べればビジネスの世界での競争などは怖くない
    ・国に頼ってはいけないと痛感した。
    ・国の保護がなくては成り立たない事業をしてはいけない。
    ・世界で競争できる事業でなければ投資すべきでないと考えるようになった。

    ・代金を払えない取引先での強制執行や破産申請などに携わり、つぶれた会社の経営を裏側から見ることができたのだから、破産とは何か、理屈ではなく、現実に体感した。
    ・会社が破産すると経営者はどんな境遇に置かれ、どんな運命をたどるのかもつぶさに見た。
    ・管理部での得がたい経験は、経営者になった私のなかで今も生きている

    ・若いことは、株式投資でも苦い思いをした。
    ・また、会社で株や不動産など本業以外の投資を絶対に認めないのも、株で失敗した実体験があればこそ、空理空論ではなく自分でひどい目にあったから、現在でも確信をもって実行している

    ・国内塩化ビニール事業の立て直しでは、工場閉鎖にも踏み込んだ。
    ・山口県の南陽工場の設備を廃棄して閉鎖し、生産拠点を茨城県の鹿島工場に統合した。
    ・南陽にいた従業員のほとんどは鹿島などへ配置転換し、解雇も希望退職の募集もしなかった。

    ・信越化学は長い歴史をもつ会社である。
    ・私が性急に革命を起こすと社内で反革命が起こりかねない。
    ・いまやっていることを頭から否定はせず、時間をかけて変えることにした。
    ・せっかちな性格の私として随分、辛抱したと思う。

    ・最初に大きく変えたのは、新卒採用だ。
    ・社長就任前は年600人前後を採用していたが、思い切ってほぼゼロにした。
    ・仕事のない社員を採用したら、結局は整理せざるを得ず、会社も社員も不幸になる

    ・何かおかしい と感じ ではどうすべきか と考えることが発展につながる
    ・おかしいと感じなくなったら、もうおしまいだ。

    ・市況を分析して、必要なら生産や販売の計画を即刻見直す。
    ・マーケットから片時も目が離せない
    ・顧客の需要が落ちてきたときは、いかに売り切るかに知恵を絞る

    ・M&Aは原則として、当社の事業に関係する企業を対象にしている
    ・事業領域をあまり狭く限定したくはないのだが、当社が素人の事業では他社と対等の立場で競争できないからだ。

    ・できるだけ、頭が澄んでいる状態のときに考える仕事をするように心がけている。
    ・だから、土曜日がいちばん忙しいときもある

    ・道はそれぞれの人が自分で切り開くものだ。
    ・私は、経営者は育成できなと考えている。
    ・経営者として無責任だという批判もあるが、できないことをできると言うほうが無責任だ

    ・そもそも私は、頑張る、という言葉があまり好きじゃない

    ・要は、自ら学んで実践しようという気概がなければ、どんなに教育のお膳立てしても役立たないということである。

    目次
    二桁成長へ新たな挑戦
    文庫版へのまえがき
    第1章 六高での三年間―私の原点
    第2章 失敗した実体験があればこそ
    第3章 市場開拓に世界中を飛び回る
    第4章 反発押し切り大鉈振るう―国内事業の再建
    第5章 経営者としての戦い
    第6章 道は自ら開け―私の経営観
    会社はそこで働く人たちの力で成り立っている
    年譜

    ISBN:9784532196851
    出版社:日本経済新聞出版社
    判型:文庫
    ページ数:224ページ
    定価:750円(本体)
    発売日:2013年06月03日第1刷

  • 信越化学研究の一つとして読んだ。
    私の履歴書様式的な多少硬軟織り交ぜた自叙伝。
    日経連載は2006年。文庫化は2013年。金川氏が社長を退任し会長になったのは85歳だった2010年。私がこの本を読んだ2022年2月、まだ金川氏は会長を務めている。まもなく96歳。すごい。
    事業運営は手堅さとスピードを強調しながらギャンブルは好きで経営観を養うのに役立つという面ももつ。
    シンテックは最初からリストラされた会社という体制の効率性だけが塩ビのような分野で圧倒的な高収益を叩き出すわけではないように感じる。フル生産フル販売を実現するためのオペレーションにキーポイントがさらにあるのではないだろうか。もっと信越化学研究を進めてみたい。

  • 11期連続で最高益を達成した信越化学工業の社長の私の履歴書を集めたもの。
    シンテックの社長としての経験なども入っている。
    在庫嫌い、必要な人しか採らないという芯のある取り組みをしているが、急激な変化は反発は招くとしてバランスよくやっている。

  • なんともまあ真髄を語ってないような気がしたり… 200ページ程度であったがやはりもう少しじっくり掘り下げて欲しいかなあ。一部触れられてた手法などは疑問がなくもないが、、、

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