- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532263942
作品紹介・あらすじ
第一線での企業取材を続けてきたジャーナリストが、平成が終わり新しい時代を迎えるタイミングで、この30年間を中心に、ソニーとパナソニックという経営のカリスマが起こした日本を代表する2社を中心に取り上げ、経営トップ、関係者、周辺まで綿密な取材をもとにそれぞれの企業で起こったストーリーを追跡。企業盛衰の分岐点を探っていきます。
絶頂からどん底へ、そして復調?
平成の30年間に経営者たちは何を破壊し、何を創造したのか?
平成の時代(1989~2019年)は、日本企業にとって「試練の30年」と言っても過言ではない。
昭和末期にはバブル経済に酔い「世界一」の夢を垣間見たものの、その後のバブル崩壊と経営者の人材難による「失われた20年」を経て、少なからぬ日本企業が衰退の道をたどった。
経営のカリスマを失った後の迷走。一時的に脚光を浴びるスター経営者の登場も、道半ばで挫折した「改革」。
滞る新製品開発、次世代商品の種蒔きも満足にできず、収益悪化に伴うリストラの断行で進む人材流出と企業イメージの喪失。
外国人トップに活路を見出そうとするも、文化の違いに翻弄され、失いかけたアイデンティティ。
「ジャパナズナンバーワン」から始まった平成の30年間。世界を席巻していたはずの日本企業は、どこで道を間違えたのか? 新しい時代への活路は見えるのか?
感想・レビュー・書評
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2023年8月20日読了。戦後の日本経済をけん引したソニー・松下の2社が当初持っていた精神・DNAがいかに変質し現在に至ったかを取材した本。両社に共通する点が「技術の目利きができないトップが就任」「リストラにより企業文化を破壊」「未来につながる投資・種まきをしていない」ということだが、2000年頃の日本ではいずれのトップも短期的な業績回復により「名経営者」として褒めそやされていたんだよなあ…。若干、図式が単純化されすぎている気もするし、後世からの視点で彼らを「無能」と言い切ってしまうのは苛烈すぎる気もする、が、経営者は社員および日本経済に対して責任を負っており、それゆえ多額の報酬と名誉をもって遇されるわけで、まあなんと言われても結果を出すよりほかないのかな。自分が生きているうちには、ソニー・松下のように世界に名を轟かす企業は出てこないのだろうな。
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技術の目利きができず、ジャック ウェルチ型の経営、つまり、ポートフォリオマネジメントをやったことが、ソニーやパナソニックをダメにした、と。
でも、この処方箋っていったい何なのだろう。
経営者は、何を拠り所に判断すべきなのだろう。
顧客の声なのかもしれないなー、と -
東2法経図・6F開架:B1/9/394/K