考え抜く社員を増やせ!: 変化に追われるリーダーのための本

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532314866

感想・レビュー・書評

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  • 現在参画中のPJでお邪魔している会社さんの部署も、凄くこんな感じの社員が多い状況。火消しで入ったものの、キーとなるはずの人間がもろにこういう人間でした。とっても参考になったのですが、果たして今回適用がうまく行くのか・・・?ということで読了。「組織全体が活性化する」ためには・・・と考える際に重要なのは、「考える枠(思考の枠)はどうするか?」と自分に問い直すことだとしている本書。他部門とのコミュニケーションを通じて気付きを得ることが書かれていたが、会社全体ではなく、部門の中でうまくできないかと考えてみた。いろいろな人の思考の枠組みを知ることが第一歩としている本書を踏まえるなら、部門の中では世代間のギャップをうまく使うことになるのだろうか。これ、難しいパターンだなあ。感情がもつれやすいから。ただし、自分ひとりでお客さんの部門にお邪魔してコンサルティングする際には、自分が異分子として気付きにつながる存在であればいいのかな、とも思う。

  • 非常に身につまされる内容。
    たださらっと読めないので、何回か読まないと本質が見えて来なそう。

  • 考える社員を増やすには?

    →さばくのは今ここだけなんとかやり過ごすことで、考えることは周りを巻き込み解決の行動に移すこと
    問題を見える化し、事実を大切にする経営を推し進めるという意志が考えることを推進する
    意味や目的を常に意識し、身体を使って、事実に即して考えることが大切
    全体像をしっかり持つことで、なんのために何をするかが見えてくる

  • ●非効率な発散する議論は、効果的にやると、全体状況を共有し、結果として効果が出る。それにはスキルが必要。多くの知恵は発散する議論から生まれる。会議を短く終えようとする効率重視の収束させる議論では知恵が出てこない。発散する議論から、自由な発想が生まれ、刺激が高まり、本当の「考える力」が引き出される。
    ●質の良い議論とは、決して「まとまりのある」「ロジカルに」ではなく、「なんのために」「どういう意味があるのか」「どういう目的で」とか、目的、価値を問う議論。
    ●腹の底から納得すると、行動する意欲が高まり、当事者として行動する人が増えると、チームイノベーションが起こる。
    ●効率化、スピードを求めると「ため」がなくなり、考えなくなり、チームワークも底が浅くなる。

  • 今の自分は行動的には「さばく」タイプで過ごしているかも。もちろん本質的に考え抜くことの必要性は理解していますが、その雰囲気自体を組織内に醸成することは、簡単ではないと思います。また、その方策は「自由でまじめなミーティング」ぐらいしかないのかなぁ。

  • 先日の日経新聞の広告を見て何気なく購入した1冊。
    内容は今年1番の腹落ち具合である!
    今の環境と共通するところが多すぎてびっくりした。
    このような内容の本が売れるということは多くの企業が似た状況だとも分かった。
    ここのところいろいろ考えさせられることが多かったけど、
    段々次の手のイメージが湧いてきた。

    冒頭からあとがきまで、なるほど!を連発。
    ・工数をかければかえるほど精度がの上がる仕事の時間をかけがち。
    ・やっていることの価値を問わずに仕事に邁進。
    →努めてこのスタンスにならぬようにしてきたけど、周囲にこのタイプはかなり多い。

    この本の命題は、

    企業で働く人の幸せはどうあるべきか。それをどう業績に連動させるか。
    それを「考える力」を取り戻す=人間性の回復
     である。

    これまでは効率的に仕事を捌いたり、プレゼンを上手にすることで評価された。
    これからは知識量ではなく意味や価値を問い直す力が必要。
    でもこれからは違い「経営者候補養成研修」なる場が必要。

    0から物事を考えざるを得ない経験をした人、以外にも
    「考える力」を持った人材を見つける必要がある。

    人材を組織における機械の部品と捉えると、個々人の能力は別として、単純に人数で組織が編成されてしまう傾向がある。そうすると中身より形式が重視され、効率化が最重要視される。
    今般のサブプライムローン問題等のアングロサクソン流の金融資本主義が象徴している。
    →PL法、情報公開法、コンプライアンス、J-SOX、内部統制、セクハラ・パワハラ・アカハラ防止、
     人事評価・第三者評価等に伴う煩雑な「作業」が増えて全く余裕がなくなった。
     作業は書類作成を示し、エビデンスづくりに追われているのを実感している。
    効率化が追求され余裕がなくなると、日本風のOJTが機能しなくなり、人材育成が停止。

    手段が目的化し、それを極めてもただの自己満足が訪れる。
    →そして問題の本質が一瞬埋もれる。仕事した気にはなるが効果は…。

    P.128、3行目
    →中期計画作成の下命があれば、
     そのガンチャートのビジュアル面での工夫精を出し、
     現場との乖離が促進されてしまう現状。
    やはりそもそもの、なぜ、何を、意味、目的、中身、課題創出、本質 が重要だ。

    <この本で最大の気付きとなった一節>
    これまでの成長期の業務と、今の停滞期の業務ののプロセスは大きく異なる。
    成長期は、経験知である程度対処型でもうまくいった。
    停滞期は、激動の外部環境の変化においては、最適解を社員に予め示すことは不可能であるものの、
    誤りを放置してそのまま間違った方向で仕事をしてしまうと、ビジネスが破綻する。
    P.134
    自らの成長の実感が伴わないと働きがいが生まれにくい。
    思考停止するとメンタルな問題を抱える人が増える。
    この深刻な問題を抱えていくことが明らかのなる。
    今は組織的にこのダメージを回復していく力が重要。

    <コマ意識→将棋指し>
    関心・思考力の有無が分かれ道。
    優秀なのに将棋を指せない人=自分の職務以外に関心のない人が問題。
    事なかれ主義より、当然に問題はあるから解決しようとする姿勢が必要。
    典型的なアングロサクソン風の経営は、
    考える人とただ実行する人に分ける傾向がある。
    今は、概要を示し詳細は実際に仕事をしながら作っていく方が合理的。
    今週はいよいよ周年事業がある。
    いろいろ思うところもあるが、今の職責を全うしつつ、
    次の手を指す準備期間に入ることにしよう。

  • 決められた仕事を単にこなしていくことを「さばく」といい、これをいくら繰り返しても根本的な解決にはならず、そこから学ぶこともない。
    これは前提(枠組み)を無条件に受け入れることから思考がスタートしており、なにも考えずに受け入れたものをどう処理すればよいのかという問題に帰結する。

    一方、「考える」とは、与えられた前提を当然のものとして安易に受け入れるのではなく、なぜこの前提があるのか、そもそもこの前提は正しいのかと疑問を持つことから始まる。
    言い換えれえば、「考える」とは、頭の中でただ単に思いをめぐらすことではなく、意味や目的を常に意識し、身体を使って、事実に即して考えることで、(中略)正解を見つけ出すことよりも考えるプロセス(意味や目的の問い直しを根気よく継続していくこと)を重要する姿勢である、といえる。

    以上が本書の主題であろうと思われる。
    なんとなくいいことが随所に書かれてはいるが、全体のまとめとして何がいいたいのか、いまいちピンとこない点は残念。

    また、本書は一部ストーリー仕立てになっており、それ自体は悪くないのだが、このような構成をとる場合、ストーリーで事実の説明をし、それを補足する形で本文が後からくると分かりやすいと思うが、ストーリーのなかでも抽象的な説明をしていたり、そもそもストーリー自体がブツ切れで、あまり連続性がないため、ストーリー仕立てにしたことで、却って分かりにくくなっている点も不満である。

  • 「さばく」が得意な人がおおいが、考える事のできない人が多い。



    はじめに

    第1章 「さばく力」が「考える力」を空洞化させる 
    第2章 「仕事上の常識」という制約条件
    第3章 「脳」の自立に必要な経営環境
    第4章 「考える」ことの質を問い直す
    第5章 日本的な知力を生み出す
    第6章 チームイノベーションへの展開
    柴田 昌治
    株式会社スコラ・コンサルト。プロセスデザイナー代表。1979年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。大学院在学中にドイツ語語学院を始め、30代の頃はNHKテレビ語学番組の講師を務める。ビジネス教育の会社を設立後、80年代後半から企業風土・体質改革のコンサルティングに取り組む。変化を妨げている価値観を変えながら変革のプロセスをつくり込んでいく「プロセスデザイン」というやり方が特徴。社員が主体的に人と協力し合っていきいきと働ける会社をめざし、社員を主役にする「スポンサーシップ経営」を提唱、支援している

  • まさに今、考え抜く社員が欲しい。
    それがタイトルになっていたから買ってみた。

    「負担がかかっていない状態は人間をどんどん退化させる」

    この本質をメンバーに周知することさえできれば、
    強い組織にすることができるのだが・・・。

    この2010年の僕の課題でもある一冊。

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著者プロフィール

株式会社スコラ・コンサルト代表
東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。大学院在学中にドイツ語語学院を始めた学生起業家のひとり。30代の頃にはNHKテレビ語学番組の講師を務めるなど幅広い経験を持つ。ビジネス教育の会社を設立後、企業風土・体質の改革に独自の手法を考案し実践している。

「2020年 『なぜ、それでも会社は変われないのか 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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