マネジメント・バイ・クエスチョン: 部下の“自頭力”を高める

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532317171

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    ざっくりメモ

    質問することで相手をマネジメントする方法に関する本。
    人に質問をする時にその言い回しや言い方の意図によって、その相手の解釈、対応方法が異なり、引き出されるものも大きく変わってけるため、質問をするということは奥深いスキルである。

    メモ
    ・質問することの効用は、なぜか?と聞くことで意外な情報が聞ける、質問者の興味関心意図を伝えられる、相手に考えさせることができる。

  • チームを作っていくため、押し付けではなく、相手に自分ごととして考えてもらうための一つの方法論としての「質問のしかた」に関する1冊。部下に対するもののみならず、上司に対するものも。
    プレイング・マネージャー向け。

    1 仕事は予定どおりに進んでいる?
    2 どんな問題(心配)を抱えている?
    3 私(上司)ができることはない?

    1 その目的はなに?    (目的)
    2 ほかにどういう手がある?(代替案)
    3 デメリット(リスク)は?(損得比較)

    1 その仕事はどんな効果を生んでいるのか?
    2 止めたとしたらまずいことがあるのか?
    3 まずいことは他の方法で対処できないのか?

    1 何が起こった?
    2 何がもとでそうなった?
    3 どうするのがベストか?

    1 どんな選択肢が考えられるか?
    2 それぞれのメリットとデメリットは?
    3 何を大切にして選ぶのか?(価値基準)

    1 今何について話しているか?
    2 言いたいことを一言でいえば?
    3 なぜそう考えるのか?

    1 今回の仕事の目標は何か?
    2 どんなやり方で達成するか?
    3 最初のチェックポイントは?

    1 やるべきことはどれくらい?
    2 今やらなければいけないことは?(重要度・優先度)
    3 代替可能性

    アメーバ経営でマネジメントを軽くする→組織の細分化をして(自分と同じ思いを持つ人を)それぞれの責任者に育てる

  • 質問の仕方を工夫すれば、マネジメントの効率が変わる。

  • 部下の“自頭力”を高める ―
    http://www.nikkeibook.com/book_detail/31717/ ,
    https://www.faj.or.jp/

  • 簡単に言えば、すべて3つの質問で解決するというもの。それをそれぞれのシチュエーションに合わせて、具体的にかつ的確に行うというもの。質問の前に、人間関係などをクリアにしなければ成立しないが。でも、明確ではある。

  • サブタイトルが、部下の自頭力をあげるということだが、これは、コーチングとは少し違ったアプローチで、人の思考を変えずに、彼らのタイプ(ミッション系、ビジョン系、??)に応じたクエスチョンを行い、信頼関係を深めていき、部下がロジカルな仕事ができるようになるという感じ。これは、Niceな発想だとおもった。コーチングより、筋が通っていて、わかりやすい。実践できるかは自分次第という感じ。、

  • 松下幸之助「あんた、どう思う?」「それでお客様は喜びますか?」
    本田宗一郎「やってみもせんで、何がわかる?」

    1.MBQでマネジメントの効率を高める

     ・短時間で部下の仕事を掌握したいとき
      ①仕事は予定通りに進んでいる? (情報、関心)
      ②どんな問題(心配)を抱えている? (情報、思考)
      ③私(上司)ができることはないか? (関心、思考)

     ・MBQをすすめるための3原則
      原則1:具体的に質問する
          部下をマネジメントするには、上司がしっかり手綱を握るため
      
      原則2:予定調和でない質問する
          回答の範囲を限定する質問「yes」「no」、と限定しない質問「なぜ?」「何?」をバランスよく使わなければいけません。

      原則3:筋の通った質問をする

      *健全な関係ができていないのに、MBQを使用しても効果がありません。



    2.「3つの質問」で部下を成果に導く

     【チェック-思考の質をアップさせる】

      ・生煮えの提案を持ってきた部下に
       ①その目的は何? (目的をとらえる)
       ②他にどういう手がある? (代替案を考える)
       ③デメリット(リスク)はない? (損得を比較する)

      ・手段が目的化した業務を進めている部下に
       ①今、どんな仕事をしている? (状況を把握する)
       ②なんのためにその仕事をしている? (目的をとらえる)
       ③それは他のやり方でできないの? (代替案を考える)

      ・手段が目的化した業務を進めている部下に
       ①その仕事はそんな効果を生んでいるの? (目的をとらえる)
       ②止めたらどんなマズいことがある? (重要度を考える)
       ③マズいことは他の方法で対処できないの? (代替案を考える)

     【問題解決-事件に手際よく対処する】

      ・部下の問題を解決したいときに
       ①何が起こった? (問題を把握する)
       ②何が元でそうなった (原因を探索する)
       ③どうするのがベストなの? (解決策を立案する)

      ・部下の問題を解決したいときに
       ①うまくいけばどんなよいことがある? (目標を共有する)
       ②今までにどんな取り組みをしてきた? (経験を把握する)
       ③さらにこれから何ができる? (追加策を考える)

     【軌道修正-期待はずれの行動を正す】

      ・期待はずれの行動を軌道修正するときに
       ①自分なりに頑張っていると思う? (自分を評価する)
       ②あなたの仕事は誰の何に役立つの? (使命を明確にする)
       ③周りはあなたをどう見ていると思う? (行動を見直す)

      ・期待はずれの行動を軌道修正するときに
       ①自分なりに頑張っていると思う? (自分を評価する)
       ②何を目指して頑張っている? (目標を明確にする)
       ③今の活動があなたの目標につながる? (行動を見直す)

     【相談・助言-不安を自身に変える】

      ・部下が判断を迷っているときに
       ①どんな選択肢が考えられる? (選択肢を挙げる)
       ②それぞれのメリットとデメリットは? (相互に比較する)
       ③何を大切にして選ぶの? (選択基準を考える)

      ・部下が愚痴をこぼしているときに
       ①本当はどうしたいの? (意思を確認する)
       ②そのために何をすればよい? (実行計画を考える)
       ③何か手伝えることはない? (支援を検討する)

     【連絡・報告-合理的な思考を考える】
      
      ・要領を得ない発言をするときに
       ①今何について話している? (論点を絞り込む)
       ②言いたいことを一言でいえば? (結論を明確にする)
       ③なぜ、そう考えるの? (根拠を提示する)

      ・頭の中が整理できていないときに
       ①やるべきことはどれぐらいある? (課題の大きさをつかむ)
       ②今やらなければいけないことは何? (重要度を考える)
       ③あなたにしかできないことは何? (代替可能性を考える)

     【フォロー-考察を通じて部下を育てる】
      
      ・仕事がうまくいかなかったときに 
       ①何が起こった? (出来事を特定する)
       ②そこから何を学んだ? (学習を概念化する)
       ③次はどうすればよい? (行動に結びつける)


    3.質問力を高める実践テクニック
      
      ・3つの問いの並べ方
       ①口火を切る問い⇒問題を把握して解決の端緒を見つけ出す質問
       ②核心に迫る問い⇒問題の本質や解決の方向性を導き出すための質問 *一番重要な問い
       ③出口に導く問い⇒クロージング

      ・問いには大きく5種類ある
       答えやすさの順番に並べると以下の通り
       この並びを頭に入れて、1ステップずつ問いを深めるのが基本
       ①事実・経験を問う:何がありましたか?
       ②印象・感情を問う:何を感じますか?
       ③思考・考察を問う:何を考えますか?
       ④価値・原則を問う:何を大切にしますか?
       ⑤行動・決定を問う:何をしますか?

      ・オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン
       オープンクエスチョン⇒5W1H 相手の主体的な考えを引き出す,本書もほとんとこれ
       クローズドクエスチョン⇒yes/no 1つ目の質問はこのタイプがある。
                   「最近どう?」よりも「順調にやっている?」の方が答えやすい

      ・「なに」と「なぜ」を使い分けよう
       互いの関係や言い回しにもよりますが、「なぜ」と訊くべきことも、「何」「どうやって」と言い換える技を覚えていると便利。
       なぜうまくいかなかったの?(Why)
       何がもとてうまくいかなかったの?(What)
       どんなやり方をしたら、うまくいったの?(HOW)

      ・IとYOU
       「なぜ、あなたはうまくいかなかったの?」
        ↓
       「なぜ、私たちはうまくいかなかったのでしょうか?」


    4.チームの問題児を質問で舵取りする

     【ミニマム人間-できない仕事をできるようにする】
       
      ・考えもせずに、すぐ諦める部下に
       ①時間がないのが問題なの? (原因を明確にする)
       ②君しかできなくて、すぐやらないといけないことは何? (優先順位をつける)
       ③私や他の人が手伝えることはない? (資源を探す)

     【打たれ弱い若者-能力への自身と信頼を高める】

      ・自身をなくして落ち込んでいる部下に
       ①うまくいったことはひとつもない? (成功例を探す)
       ②そこから考えられる君らしさって何? (強みを探す)
       ③それを活かして何をできることはない? (行動を考える)

     【雄弁な評論家-当事者意識を高めて一歩前に】

      ・理屈ばかりで行動が伴わない部下に
       ①やってみなくてどうして分かるの? (観念を疑う)
       ②仮に何かやるとしたらどんな手がある? (仮説を立てる)
       ③最初の一歩はどこから始めるべき? (着手点を探す)

     【お荷物社員-モチベーションの種を見つけ出す】
      
      ・やる気がなくお荷物化した部下に
       ①これで終わってよいの? (過去を振り返る)
       ②あなたが本当にやりたかったことは何? (未来を夢見る)
       ③あとひとつだけするとしたら何? (現在を考える)


    5.組織を変えるための3つの質問
      
      ・何かを変えたいと思ったときに
       ①あなたは、何を変えたいと思っていますか? (目標を考える)
       ②そのことで何を実現しようとしていますか? (目的を考える)
       ③そのためにあなた自身はどう変わりますか? (行動を考える)

  • 面識のある方の著書なので購入。読んで思ったことは二つ。一つ、目次に3つの質問(の目的)が書いてあれば、自習書として便利だったのでは(自分で書けばいいんですが)。一つ、被質問者の立場から見たエクササイズがあればなと。

  • 部下に質問を投げ掛けることで、部下の思考力を高め、自律的に成果が出せる組織にする。そんなマネジメント手法を「マネジメント・バイ・クエスチョン(MBQ)」と言うんだそうです。
    MBQの基本形は次の三つの質問。
    1.仕事は予定通り進んでいる?
    2.どんな問題(心配)を抱えている?
    3.私(上司)ができることはない?

    そういえば、名経営者といわれる人は、質問がうまかったというのを聞いたことがある。

  • 【読書】最近プレイングマネージャーとして課題を感じており、読んだ本。本書の冒頭に紹介されているプレイングマネージャーの代表的な意見は非常に共感できるものである。
    例1:上からは「プレイングは部下にまかせてマネジメントに専念しろ」と言われているが、とてもそんなことができる状況ではない。
    例2:リーダーシップの能力を向上させないと、プレイングの力が高まっていかないのではと感じている。そのやり方がわからない。
    例3:どの仕事を部下に任せ、どの仕事を自分でするべきかがわからない。自分の成果を達成しつつ、部下の力を引き出すにはどうしたら良いのか。
    そのうち、特に共感するのは例3の意見。社会人経験も7年目になり、色々と経験を積み、自分でそれなりにできるようにはなったとは思うけど、自分が頑張るだけでは、問題は解決しない。部下を活かしながら、チームとして一緒に課題に立ち向かっていく必要がある。あえて自分ではやらずに、我慢して部下に任せ、部下を成長させつつ、一定の成果をあげるように、考えるのも自分の仕事だと思っている。でも、それがなかなか難しい。
    本書では、その解決策として、MBQ(Manamgement By Question)、つまり質問を使って組織をマネジメントを促進し、自律的に成果が出せる組織を作る方法を紹介している。
    質問をする際の3つの原則。①具体的に質問する。②予定調和でない質問をする。③筋の通った質問をする。
    ①については、ありがちなのは「最近どうよ」。これ、たしかに言ってしまうですよね。なんとなくコミュニケーションを取りたくて。でも、言われる側からすれば迷惑千万。意味わからないし。それをむしろ「仕事は順調に進んでいる?」とか、もっと具体的にする。
    ②については、「大丈夫か」これもあります。答えずらいですよね。上司から聞かれても「大丈夫です」としか言えない質問。答えを誘う質問は意味がない。むしろ「どんな問題(心配)を抱えている?」と質問する。これなら悩みを話せますよね。
    最後③については、「よろしく頼むよ」これもある(笑)でも、これは押しつけってぽいですよね。あと他人事のような。むしろ「私(上司)ができることはない?」とあえて聞いてみる。これは自分の立場でも嬉しいと思います。
    MBQの最終目標は、上司が質問をしなくても部下が自分で考えられるようになること。著者は「自頭力」と呼んでいる。それを鍛えるために考え方のプロセスを教えるのがMBQ。
    この本がいいところは、様々パターンごとに、その質問の具体例を入れてくれていること。読めば読むほど、そんなことあるあると納得させられるものばかり。
    私と同じように職場でお悩みの方には非常に有効な一冊だと思います。

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著者プロフィール

組織コンサルタント、日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学客員教授(テクノロジーデザイン論)。
1960年神戸市生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。ミノルタにて製品開発や営業企画、経営企画に従事したのち独立。2003年に日本ファシリテーション協会を有志とともに設立し、初代会長に就任。組織変革、企業合併、教育研修、NPOなど多彩な分野でファシリテーション活動を展開している。ロジカルかつハートウォーミングなファシリテーションに定評がある。

「2022年 『ファシリテーション・グラフィック[新版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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