稼ぐ力を取り戻せ!: 日本のモノづくり復活の処方箋
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2013年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532318895
作品紹介・あらすじ
技術や品質で圧倒的な強みを持ちながら、「モノづくり」という言葉に逃げ込み、苦戦する日本の製造業。「いいモノをつくれば売れる時代」が終わった今、目指すべき戦略とは何か?どうすれば稼ぐ力を取り戻せるのか?企業再生のスペシャリストが、日本企業が陥った5つの罠を暴き、稼ぐ企業へと変貌させる"復活と再成長のシナリオ"を提言する。
感想・レビュー・書評
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ダークサイドスキル(木村尚敬氏)を読んだ際に登場していた著書で読んでみた。7年前に書かれた本だが古さを感じさせない。寧ろその「古さを感じない」こと自体に危機感を持つべきかもしれない。それだけ日本企業の大半がこの7年でなんら変わっていない、変革を起こすことができていない、イノベーションを起こせていない、グローバル化も出来てないということかと。
30歳から経営者としての意識を…のような主旨の文言には背中を押された。
今年読んだ「両利きの組織をつくる」にも登場するウリケシェーデ氏が本書にも登場したのには驚いた。我々のような若手、中堅世代も読むべきだが、経営者にも危機感を持って頂くために是非読んでいて欲しいな…と思った。日産が好例として取り上げられていることには、どうしても違和感があるが…苦笑。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もの作りへの回帰
新しい仕組みが必要
ビジネスごとの収益管理
現場は日常的に収益管理に取り組みながら
経営は強化or撤退のタイミングを計る
日本の経営は苦手 戦略不全 -
日本における製造業の今後を考え始めたきっかけの書。
それから、冨山さんを追いかけている。 -
2013年の本だが、全く古さを感じない本で
読み応えありました。
私は日本企業の、中小企業で働いているので、
本当に頷ける事が多かったです。
この本以外にも著者の新刊も読みましたが、
納得感のある内容でした。 -
最近の「ものづくり」に対するノスタルジックな論調とは一線を隔てる冨山流の「ものづくり」再生論。トップダウンによる強力なリーダーシップが必要な市場を捨て、日本の得意なすりあわせ型のボトムアップが有効に作用する市場で勝負しようというのが本書の趣旨。その通りだと思う。家電各社がほぼ死体にもかかわらず、真っ当な構造改革ができず、マイクロマネージメント化をひたすら突き詰める状態は、まさにトップダウンができない証拠。さっさとこのような市場は明け渡して、すり合わせで勝負するのが日本のものづくりの生きる道だと思う。と書いて、ハタと気づいた。このような転換をするには、トップの強いリーダーシップが必要だ。
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日本の製造業を議論するために必読書と思う。色々な論点を整理する上でも良い。冨山さんの最近の著作の中でもっともお勧めかも。
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さすが、冨山和彦という本。
日本のメーカーに勤める人には一読をお勧めする。特に印象に残ったのは、以下の点
■モノを売る会社からサービスを売る会社へ
■見える化+標準化+つなぐ化 で変化に強くコストダウンの効き易い製品、マーケットの声を汲んだ製品にする
■再成長のモデル
■グローバル時代の会社の形
付加価値づくりの為のモノづくりへの提言の書。 -
形式的であったり、理論の押し付けだったりといった面はほとんどなく、ビジネスにおいて身近に生じている事案をズバズバ指摘されており、う〜ん、参りました。。。という感じだ。
本当に参考になったし、わかってますよということもあったが、全体像として頭の整理もできた。
あくまで個人的な要約となるが、大きく、「極める」と「グローバル化」の2点か。
「極める」では、
・特にすり合わせ領域における徹底した標準化が一歩一歩着実に実行できるか否か
・単純な高品質ではなく、汎用品活用をベースとし、これら組み合わせたコンポーネントですり合わせ
「グローバル化」では、
・現地に権限委譲、顧客と適切な距離を維持し、マーケットからの逆算でモノづくりを行うこと
・どのような使われ方をしているかといった情報を収集し、需要や製品の改良につなげる
・対顧客、対流通、対工事業者にとって気の利いた商品が提供できているか=競争上の大きな障壁となる