オバマのグリーン・ニューディール

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532353599

感想・レビュー・書評

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  • 古い本だし、この人本当に理解してる?って疑いたくはなるけれどよくまとまっていると思う。もっと早く読めばよかった。

  • Sat, 29 Aug 2009

    米国が元気になった.
    スマートグリッドはノリノリだ.

    で,舶来もの好きな日本としては官僚がざわめきだして,
    急遽,「うちらも,スマートグリッドやらなーん!!!」という暴風が東京(霞ヶ関)発で吹き荒れている.
    永田町でどれだけの人間が,スマートグリッドにピンときてるのかは分からないが,
    経産省あたりからは,激しく メッセージが放たれている.
    そして,産業界も,商機はつかみたい,乗り遅れるなと動き出す.

    とはいえ,実は
    「スマートグリッド」って何か,正直,定義はあやふやなのだ.
    Googleとかが,現状やってる事をもってスマートグリッドの意味づけに
    している感じがあるが,
    要は,
    「ネーミング勝ち!」
    な感じもあるんですよね.

    さてさて,
    オバマ政権になって加速したアメリカの環境・エネルギー政策が
    どういうバックにもとづいて,どこに向っているのか?
    そして,なぜアメリカにとって,有利なのかを ざくっと解説してくれている本.よみやすい.

    スマートグリッドのみならず,松本氏発案のECOネットについての言及があるのもよい.

    日本のエネルギー政策,環境政策などで足りないものを知らしめられる.
    それは,やはり戦略性であろう.
    それは,戦略を絵に描く事じゃない.
    異分野にまたがるバランス感覚で政策を立案することだ.
    いわば,システムとして世界をみるか,要素として世界を見るか.

    日本は要素還元的思考はつよくて,縦割り分業はメッチャ強いんだけど,
    「○○○はAにもいいし,Bにもいいし,Cにもいいんだよ!」
    みたいな主張を合計三つ星の主張として,実行する事が出来ないんだ.

    いや,ホント苦手みたいです.

    上記の場合,Aが国交省管轄,Bが経済産業省管轄,Cが防衛省管轄なら,それぞれがそれを1としてしか,認識せず,1の意味でしか行動しない.
    そのとき,お隣の省庁管轄にどんな被害が出ても知らんぷりだ.

    選挙期間(09衆院選)なので,センシティブだが某DPという政党が,高速道路の無料化を公約に掲げているが,環境面の利益まで考えたら出せない政策だろう.

    ちなみに,順序が変になったがスマートグリッドの魅力は
    産業的に, 太陽電池を始めあらゆる再生可能エネルギーの電源事業,蓄電事業,家電事業,自動車産業そして計測機器事業,IT事業,さらには金融業界にもビジネス拡大の機会を提供するし,それがひいては国際競争力に結びつくことにある.

    アメリカは,情報産業の下地が強く,エネルギー産業を支えながら,バイオ燃料で農業を支え,
    さらにシリコンバレーに新たなビジネスチャンスをあたえるんだから,
    一石何鳥なのかわからない.

    スマートグリッドは今後10年は最低重要視されるとおもいますよ.

  • 米国のグリーンニューディール政策を世界のエネルギー事情と照らし合わせながら紹介また検証し、その上で日本での状況についても実は進んでいる取り組みとか、同じような考え方があるとかいったところまで紹介してくれていて、自分がこれからエネルギーとどう向き合っていくかを考える上で参考になりました。
    まだまだできることも試してみたいこともあるし、可能性にチャレンジしていってみたいと思えた一冊です。

  • 今まさに節電が重要な時代になった。
    生活する上で節電から電力の有効利用にシフトしていかなければならない。
    この本から例えば国レベルで政策を行うと、電力関係から波及して
    バイオ燃料、情報化、蓄電池、スマートメーター、光ファイバ、電気自動車
    ネットワーク等、多くのキーワードが登場する。
    関連する産業が多いのがわかる。
    今後の日本も節電だけでなく、大きなビジョンを掲げて進んでいけたら
    いいのにな。

  • グリーンニューディールやスマートグリッドの分野でアメリカが今後どのような方向に進むのかがよくわかった。
    ただ、1部が提灯記事っぽく感じたので★4。

  • 環境政策と一口に言っても、国によって大きくその背景となる事情が異なるさまを認識することができる。今になってみると、こうしたことがトヨタ・パッシングにつながっているのか、などと自分なりに解釈する読み方もできる。
    石油を湯水のように消費する国というイメージを持っていたが、資源のバックボーンには石炭の存在が予想外に大きく、環境というテーマの政治的なとらえ方の一面を垣間見ることができ、興味深い。

  • オバマ政権を象徴するものの一つに、エネルギー戦略があげられる。しかし、グリーン・ニューディールという名前はよく知られているが、戦略としての内容を把握している人はどれぐらいいるだろうか?
    グリーン・ニューディールは、まだ公になっていない部分も多いために、本書の内容は独自研究に過ぎない側面もあるが、よくまとまっており非常に参考になる。
    2008年末の金融危機において、米国は一部本質的な問題を先送りしているものの、将来に向けてこれほどの戦略があればそれすらもものともせず成長していけるのかも知れない。

    後半部分、日本の技術の宣伝になっていることで評価を下げている節があるようだが、技術だけ良くたって商品は広まらない。特に、標準化されたビジネスモデルから漏れたら取り返しは付かない。こういう地道な宣伝活動は重要だと考える。

  • 焦点があいまい。再生可能エネルギーがオバマ政権の戦略として喧伝されたため緊急出版という趣き。

  • 今話題のスマートグリッドを知るには良書、でも後半に★マイナス, 2009/4/30


    オバマ政権の打ち出すグリーンニューディール政策は、マスコミなどでも話題ですが、それを構成する政策、戦略については日本ではなかなかうまく伝えられていません。特に政策の柱のひとつである、スマートグリッド、そしてプラグインハイブリッドとのコンビネーションには、アメリカの持つ単に環境だけでは無い大胆な戦略がありますが、本書では分かりやすく伝えています。
    (例えば石油から石炭へのシフトの戦略とかは結構面白い)
    仕事柄、このグリーンニューディールともろに絡む仕事をしていますが、それでも参考になりました。
    スマートグリッドの概念はなかなかわかりにくく、一時日本でブームになったマイクログリッドとどう違うのか、また、アメリカ版プラグインハイブリッドは、トヨタのプリウスの改良型の方式とは恐らく全く違う形で登場するであろうこと・・・GMやフォードの技術でも恐らく短期間で作れるものになるかも知れません。このあたりも本書で読み取れると思います。
    また、ようやく5年前にプランBという本を出したレスター・ブラウン氏の言っていた(1)アメリカの電気は風力発電だけでも賄えてしまう(←実際にオバマ政権は2030年に電気の20%を風力にすると宣言)(2)不安定な風力の電気を、大量に配備されたプラグインハイブリッドという蓄電池に吸収してしまえ!が、ようやく現実化してきました。(そのことが個人的には一番嬉しい)
    一方、日本は電力系の信頼度が高く技術も進んでいるが、逆にそのことで改革が進まず、アメリカに技術的にもキャッチアップされる可能性にも触れています。

    いずれにせよ本書はとても参考になると思います。
    でも★5つはつけません。本当は★1個まで落としても良いとまで思いました。
    というのは本書の後半が、日本の特定企業の提灯記事になってしまっている点です。確かに、それらの企業に技術的なアドバンテージ、魅力は私も一応業界に居ますので感じますが、この本で敢えて多くのページを割き(特にスマートグリッド関連の日本企業)ヨイショ的な内容を書くのは非常に興醒めです。
    特にスマートグリッド企業の紹介の部分は、違う著者が書いているのかと感じるくらい違和感を感じました。
    別に本当に良い技術、商品であるのなら、こういう書き方をしなくても、世の中で認められていくはずです

    追記:本書後半で紹介されている風力と蓄電池技術の会社日本風力開発ですが、実は著者がこの会社の子会社に籍を置いているそうです


  • スマート・グリッド

    ト、2009.6.28

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著者プロフィール

1956年生まれ。京都大学大学院経済学研究科特任教授。エネルギー戦略研究所所長,東北公益文科大学特任教授,山形県総合エネルギーアドバイザー,豊田合成㈱取締役を務める。東京大学経済学部卒業。日本政策投資銀行エネルギー部次長,調査部審議役等を経て現職。第27回エネルギーフォーラム賞受賞。著書に『オバマのグリーンニューディール』(日経新聞出版社),『再生可能エネルギーの真実』(エネルギーフォーラム),『ドイツエネルギー変革の真実』(エネルギーフォーラム)等多数。

「2017年 『再生可能エネルギー政策の国際比較』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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