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- / ISBN・EAN: 9784532900045
感想・レビュー・書評
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「エネルギー」という大学の授業があるのなら、教科書になることが請け合いの作品。
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小飼弾さんの推薦だったような気がする。
アメリカのエネルギー関係の研究所の会長が福島事故をふまえてエネルギー問題を分析した啓蒙書。日本語訳で1000ページもあるが、よみやすい。
ただ、いつもアメリカ人の本で思うのだが、会社の社長とか科学者の言葉をまるで横で聞いて板のように書いているのだが、それってどうしてわかるのかな。読む方は臨場感があっておもしろいが、なんとなく、信憑性がないような気がする。ボブウッドワードとかと同じ印象。
上巻は石油の歴史、下巻は気候変動と再生エネルギー。
意外と触れられていないもの。まったく芽がないと判断しているのかな。
(1)ビルゲイツが推進している小型原子炉技術。
全体的に、原子力発電については、コメントも少なく、もうだめともかいていないし、淡泊な記述。判断が難しいのだろう。
(2)気候変動枠組み条約の将来性。下巻の半分がその記述なのに結論はしきりれとんぼ。実は、もうまとまらないと見切っているのか。
(3)アメリカで発生した大規模停電。
全体のトーンとしては、市場優先のトーンで書かれているから、あまり触れたくなかったのか。でも、今では市場優先主義者は、きちんと対応できていると主張しているから、あえて、逃げなくてもいいのにな。
そのほか、ちらっと触れているが、リチウム電池以外の新しい蓄電池技術もほとんど触れていない。再生エネルギーには必須の技術だと思うが、あまり期待できないということか。
この手の啓蒙本は、ふれられていない事実が結構おもしろい。